裏設定2

このページでは「クローネとはぐるまのしま」の

キャラクターの名前の元ネタをのせています。

以下読むのは、クリア後を強くおすすめします。


基本的に、時計の部品や歯車の専門用語から、連想ゲームでつけています。

クローネ、シャトンは結構初期からこの名前だったのですが、

実は他のキャラは途中から改名している子も多いです。


※テンプの元の名前が「アンクル」だったり、フュージが元々「ガンギ」だったりします……

 大事な役どころは脱進機や調速機まわりの名前つけがちでしたね。


先々の自分が「そういえばこんなつもりでつけたな」と

思い出すための覚書程度の内容ですが、よければどうぞ。


考えるとき、すごく楽しかったです。







コハゼ

――「ひとと ちがって にんぎょうたちには かみさまなんて いないのですがだれかが だいじに つかってくれた そのおもいでが よりどころ なの」

シスターたちのなかでは他の機械を助けるために自分を壊すという「逆の進行」が起こっていました。

コハゼはこれを止めるイメージで、小さい歯車ですが動力の逆回転を防ぐ部品の名前をつけました

ルミノバ

――「いろんな あかりを みにいったんだ おれの ファインダを あいつが のぞくとどっちが ほんとの ひしゃたい だったか わすれるくらい まぶしかったよ」

昼に光を溜めて、夜に光る蓄光塗料の名前にしました。

昼はテンプもクローネもいる時間、夜は二人がいなくなった後にルミノバがなんとか町を照らそうと試作を繰り返し苦心していた時間をイメージしています。

レトログラード

――「レールだよりの れっしゃが とぶなど ふあんに なるやも しかたがないが……ゆだねてほしい せなかの おもみが わたしの ほこりと すくいに なるんだ」

レトログラードは過去に大きな過ちをおかしており、その傷は長い時間がたっても完全には癒えていません。

一度の終わりを迎えた彼がそれでも再び動き出すことをイメージして、針が振りきっても再び元の位置まで飛んでいって動き出す時計の機構の名前にしました

フュージ

――「なんぜんぼんも トンネルを ほり なんまんぼんも すいどうを とおしだれかの みちを だれかの いのちを だまって ささえる それが わたしだ」

時計はゼンマイがほどけていくとだんだんと弱っていきますが、フュージという機構はそれを補うはたらきを持ちます。

オイルが尽きていく島でも、変わらず供給し続け暮らしを支える面をイメージしました。ちなみにクォーツ時計がでるまでにいろんな動力機構がでた時代の古き機構のひとつなので、やや頑固親父らしいイメージもあります

スミア

――「にんげんは ばかだ しぬ まぎわまで いのちと いしを てんびんに かけるもう いってくれ みすててくれよ はやく しまから でていってくれ」

歯車の壊れかたのひとつにスミア折損というものがあり、これは負荷に耐えきれなくなった歯が変形して折れてしまうという重大な損傷です。

一介のモノでありながら命に対峙し続けたスミアにはすべからく大きすぎる力がかかっていたことをイメージしています。その一方、誰よりも島の歪みの原因と痛みを知り得ている存在でもあります。

ロービート

――「えいえんに しまを まもってる だろな …そんな かお すんな しあわせ なんだぜわすれなくていい まもりぬいていい それは にんぎょうの しあわせ なんだ」

毎時28800回以下の振動で動く時計の種類はハイビートでなく、ロービートとなります。ロービートの時計は振動数が少なく、調整には高い技術が必要です。

ロービートの動力の振動は人間の心臓と同じくらい、ゆっくりの速度で動いています。この島のなかでも人間に最も近い存在としてこの名前にしました。

エマイユ

――「わすれたくない きおくが あるなら きおくの こびん わたしに あずけてわたしが いつでも うたって あげる だいじなことを わすれないように」

エマイユは道具でありながら高度な芸術性を持っていて、その歌は時間によって色褪せることのない存在です。彼女の名前は 金属を含んだ釉薬で時計の文字盤に繊細な彩色をする技法の名前からとりました。

非常に繊細で地道な工程に裏付けられた華やかさ、というイメージは、エマイユが路地で毎日主人と共に演奏していた日々と重なるイメージもあります。

オクトイド

――「ひとを つくるのは からだ こころ そのほかにも ある ことばも きおくもことばも きおくも じんせいは すべて じかんに ながされ みえなくなる」

直角に噛み合う歯車のひとつに、冠歯車とかさ歯車があります。このかさ歯車についた歯の模様(曲線)を表す語がオクトイドで、歯面からはわかりませんがこの模様の全体が八の字をえがくことから名付けられてます。

再び元の場所に戻ってくる軌跡と、途方もなく長い時間の一部に腰かけている彼イメージを重ね、この名前をつけました

メテオライト

――「はくしゅも あこがれも あきるほど あびた そんなものより いしが ふるえたのはこえを からして おうとうを ねがった わたしだけが みた しっこくの よぞらだ」

メテオライトは隕石の意味で、時計では隕石にスライスした独特の結晶構造を見せる文字盤を表します。厳密なこの構造は人工的に作ることはできず、天然物のため同じものはひとつとしてありません。

本作のメテオライトは人間ではできない仕事を宇宙で孤独に遂行した存在のためこの名前をつけました。

アンクル

――「ココハ キケンデス ハナレテ クダサイ ココハ キケンデス ハナレテ……」

アンクルは「錨(いかり)」の意味で、動力を時計のカチコチというリズムに変換する、まさしく錨のような形の重要な部品です。時計の心臓部であるエスケープメント(脱進機)を構成しています。

錨のように島を止める役割、対象を逃がす役割、という複数の意味をもたせてこの名前を付けました。




クローネ

――「わたしが しまを まわしてみせる とまりかけても ぜんまいを まくわたし このしまを ずっと あいしたい それが わたしの わたしだけの いし」

クローネは時計のりゅうずの別名です。この島のゼンマイを巻き、時間を進める存在なのでこの名前に決めました。

クローネをひくと島である時計が止まること、クローネという言葉は「王冠」を意味していて、この島の小さな王様であることをイメージしてます



シャトン

――「クローネが もっと おとなに なって じょうずに いきが できない よるはこの とけいてんに いつでも おいで クローネの とけいを なおしてあげる」

時計部品のシャトンは、ルビーなどの石をはめる金属製の台座で、目立つ部品ではありません本来、時計の石というものは軸受けが磨耗しないようにはめられるものなので、時間によって時計が傷つくことを防ぐ役どころです。

「全てのいしを受け止める」存在として、この名前をつけました。







かつてはぐるまじまで暮らしていた人形たち