以下の通りMHB海外継承日本語部会2023年次会を行いました。内容のご報告です。
日時:日本時間 2023年8月4日(金)午後8時~10時
場所:オンライン(Zoom)
テーマ:多様な背景を生かした継承日本語教育の活動実践
年次会には、17の国・地域から100名近い申し込みがありました。
前半は、MHB学会本大会のテーマである「公正な言語教育を求めてーバイリンガルろう教育を再考する」と関連して、「多様な背景を生かした継承日本語教育の活動実践」と題した二つの実践発表が行われました。後半は皆さんとの座談会、そして全体会(部会の活動報告)が行われました。
【前半:実践発表】
発表1
題目:多様な背景を生かした継承日本語教育の取り組み
発表者:岩間晶子(アイオワ継承日本語教室(アイオワ日米協会)、MUSUBIオンライン継承日本語教室)
発表2
題目:トランスランゲージング教授法を用いた日仏二言語俳句活動
発表:根元佐和子(フランス パリ南日本語補習校)
発表1は、国や地域をまたいでのオンラインによる継承日本語教育活動と、学習者の背景事情を踏まえたトランスランゲージングやCLILを用いた実践の報告でした。幅広い学習者を取り込む、継承日本語教育の機会の拡大の可能性についても考えました。発表2では、トランスランゲージング教授法を実際の教科単元活動の中で用いた具体的な実践報告でした。特に高学年以降の学齢期における家族や社会とのつながり、学習者の現地での学びとのつながりを作る有効な手段となることが示唆されました。
【後半:座談会と全体会】
後半では多くの教師や運営者、さらには広く継承語教育関係者の方のご参加のもと、7つのテーマに分かれて40分間の座談会が行われました。ゆとりのある時間を設けたことで、より深い話し合いにつながったとすれば幸いです。
テーマ①ブレイクアウトルームテーマ:ご自身の関わっている活動において、気になっている児童生徒への対応、またその教室グループ活動に関すること
テーマ②(主に運営面で)児童生徒の個性を生かした学校・教室づくりの工夫
テーマ③コロナ禍を経て生じた課題(運営・児童生徒の変化等)やその解決法
テーマ④ICTを使った教科や学年の枠、グループの絆を超えた取り組み
テーマ⑤高学年以降の児童生徒との活動や教室グループ運営について
テーマ⑥児童生徒と社会との関わりを考える
テーマ⑦継承日本語教育に関する各種法案や、国際交流基金との関わりについての各地域の情報交換
【当日の録画映像および参考資料について】
当日の発表内容と全体会の録画映像については、部会メンバーに事後配信がなされました。参加者の方、事後アンケートへのご協力ありがとうございました。
年次会担当運営委員一同