2021年 MHB海外継承日本語部会年次会(2021年8月10日)のご報告
多くの皆様にご参加いただいたMHBの研究大会が終了し、合わせて、この10日、12日に開催された部会の年次会・全体会も、多くのご参加者を得て無事に終わりました。部会メンバーの方で事後に資料の閲覧を希望される方は、部会運営委員(mhbjhlsig@gmail.com)までお問い合わせください。
<概要>
2021年MHB海外継承日本語部会
日時:2021年8月10日(火)、12日(木)
場所:オンライン(Zoom)による
テーマ:カリキュラム・プロジェクト
今年の年次会は、当部会が長年実施を願ってきたカリキュラム・プロジェクトの初回として、加納なおみ先生の科研調査と連携して実施されました。プログラムは下記の通りで、世界各地の学校や教室で実践されている多様なカリキュラムを、合わせて9人の先生にご発表頂いたものです(カッコ内は発表者・敬称略)。
8月10日(火)
ボリビア・サンファン学園(本多由美)
米国・プリンストン日本語学校
(リー季里・モイヤー康子・フレミング奈津子・宮林晴美)
香港・香港日本人補習授業校(明石智子・辻内智重)
8月12日(木)
フランス・パリ南日本語補習校(根元佐和子)
ドイツ・デュースブルグ日本語学校でんでんむし(松尾馨)
部会全体会
どのご発表も、カリキュラム作成の背景となる地域性や学校の特性、学習者の条件に配慮した貴重な実践の記録であり、各セッションの司会を地域の状況に通じておられる部会アドバイザーにお願いしたこともあって、Q&Aの時間も含め、教育現場の情報を包括的に伝える有意義な報告の場になりました。
なお、このカリキュラム・プロジェクトと下記の全体会の録画は参加登録をされた方に限ってアクセス可能です。部会メンバーの方で閲覧を希望される方は、部会運営委員(mhbjhlsig@gmail.com)までお問い合わせください。
<部会全体会について>
①カリキュラム・プロジェクトの総括
年次会二日目(12日)の発表の後では、年に一度の部会全体会を開催しました。全体会は二部構成とし、前半に加納先生によるカリキュラム・プロジェクトの総括をお願いし、現場の先生方に関心の深いトランスランゲージングの概念を含めた理論面の紹介を頂きました。理論と実践をつなぐカリキュラム紹介の場として、息の長いプロジェクトに成長させたいというのが主催者の願いであり、総括の中では、こうした将来への展望もお伝え頂きました。
②部会の活動報告と今後のこと
全体会の後半では、部会の活動報告を行いました。この部会が少数の有志の手でスタートした2012年から数えて今年は10年目にあたり、これまでの歩みを振り返ると同時に、来年以降の方向性について部会代表からお伝えさせて頂いたものです。年に一度、MHBの大会に集まった有志が時間の制約の中で情報交換をした立ち上げの時期を経て、昨年からはコロナの中でオンライン化が実現し、世界各地の部員をつなぐ年次会・全体会が可能になりました。そういう中で、初期の頃から一貫して目指してきた部会の目標は「継承語教育の現場の多角的なニーズに応える」というもので、教育面、運営面、政策への提言と、多様な領域に目を配りながら、一歩づつの前進を続けてきたものです。来年の春以降は、アドバイザーの先生方、企画委員の先生方に一層のリーダーシップを担って頂き、拡大するオンライン化の時代にふさわしい、多面的な活動を目指して頂く予定です。今後の運営の形については、秋以降のMLでもお伝えしていきますので、皆様のご意見もどうぞお送りになって下さい。
新しいステップに向け、皆様のご支援で部会をいっそう成長させて頂ければと願っています。
どうぞよろしくお願いします。
海外継承日本語部会
カルダー淑子