R2.12.16シンポジウム

離婚後共同親権についてのシンポジウムを開催しました!


シンポジウムのまとめは以下の通りです。

<日時>令和2年12月16日(水) 14時~16時30分

<場所>衆議院第一議員会館 地下1階 第一会議室 (及びオンライン参加)

<シンポジウムテーマ>

▶第一部 14:00~

 本件訴訟の概要について(説明会及び質疑応答)

▶第二部 15:10~

 共同親権関連国賠の比較及び今後の展望について(パネルトーク)

<登壇者>

・本件訴訟弁護団

 平岡 雄一 先生 (弁護士:平岡法律事務所)

 佐田 理恵 先生 (弁護士:アストレア法律事務所)

 小嶋 勇 先生 (弁護士:勇法律事務所・中央大学法学部講師)

・ゲスト①本件訴訟意見書作成者

 大森 貴弘 先生 (常葉大学准教授:教育学部 専門分野 憲法学)

 石垣 秀之 先生 (臨床心理士:株式会社 i プロデュース)

・ゲスト②共同親権関連国賠訴訟代理人

 上野 晃 先生 (弁護士:日本橋さくら法律事務所)

 古賀 礼子 先生 (弁護士:稲坂将成法律事務所)

 大村 珠代 先生 (弁護士:神奈川法律事務所) ※急遽ご参加頂きました!


<シンポジウム・レポ(簡易レポ)>

 シンポジウムは、コロナ対策の為、現地は、登壇者とスタッフ、それからメディアの方のみで開催。一般参加の方々はオンラインということで、ご理解頂いての参加(約20名、Zoomにて、ご参加)。

 ※スペシャルゲストである作花弁護士はZoomにてご参加され、メッセージを頂く。また臨床心理士の須田桂吾先生からは、事前に頂いていたメッセージについてご紹介させて頂きました。


 事前の案内に沿って、プログラムにある通り、第一部、第二部と充実した内容で、進めることが出来ました(ただし、議論が白熱した為、予定より30分ほどオーバー)。

また、ご参加頂いたメディアの方にて、シンポジウムの現地写真を記事の中で使用して貰いました。

身の毛もよだつ写真に絶句……浪費と浮気の果てに夫に子供を連れ去られた妻の後悔(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース


以下、各部についての内容(概要)になります。

<第一部>

第一部では、「本件訴訟の概要について」ということで、まずは本件訴訟代理人弁護団の平岡先生、佐田先生より訴えの内容について説明。提訴日において好評であった、フリップを使用しての視覚的にわかる形で、分かり易く解説頂けました。

次に、第一回期日に併せて証拠提出した、二つの専門家の意見書について、憲法学の観点から大森先生が、そして臨床心理学の観点から石垣先生(添付のスライド資料をご使用)より、それぞれ解説頂けました。


<第二部>

第二部から、上野先生も到着され、パネラーとして加わって頂くことになりました。

冒頭はスペシャルゲストとして、三つの親権関係国賠訴訟を手掛けていらっしゃる、作花先生より、Zoomにてオンライン参加頂き、この取り組みにおける熱いメッセージ、および最終目標を同じとする、各国賠訴訟への期待と、複数あることの意義についてもメッセージを頂けました。また、三つのうち、集団訴訟(二つ)については、会場の大村先生との弁護体制であり、その大村先生からもコメントを頂けました。

第二部のテーマは「共同親権関連国賠の比較及び今後の展望について」ということで、まずは、上野先生から、「面会交流」集団訴訟について、訴訟の経緯から、また長く続いている中での気付きなど、非常に有意義なお話を伺うことができました。

例えば、この問題は、立法側と司法側の押し付け合いになっているのが根本的な構図なのですと、分かり易くご説明頂き、こちらの国賠訴訟は、どの訴訟よりも先駆けて提訴されており、そこでは「不毛な押し付け合いは無責任!国側に責任があるのは明らかであるなら、そう判示するよう司法に求めるもの」と一石を投じたもので、世の中、時代を変えようとする気概が込められたものということが、ご説明の中から良く伝わってきました。

次に、「養育権」集団訴訟について、古賀先生より、添付のスライド資料を使用頂いて、説明がなされました。

古賀先生の説明も、そのスライドの分かり易さから、内容について良く理解することができました。また、今回のテーマの「比較」という点からも、切り口などの違いも良くわかり、勉強になりました。(※逆に切り口が多いということは、色んな方面から見ても、「いかに現状が不合理なものかという証!」との気付きもありました)

上野先生、古賀先生と他の訴訟についての理解を深めたところで、ご参加頂いた先生方をパネラーとして、また、小嶋先生を座長・仕切り役という形で、パネルトークが開始されました。

一つ目のテーマは「憲法13条後段 幸福追求権」についてというところで、各訴訟は訴状において、「憲法上保障されている幸福追求権」に言及していることから、この点において、それぞれの違い(面会交流権、養育権、自然的親子権)なども含めて、ディスカッションがなされました。

二つ目のテーマは「単独親権下によって離婚・離別した家庭におけるネガティブ」ということで、別居親、同居親、そして子どもにおける影響についてディスカッションがなされました。

このテーマでは臨床心理学の知見からということで、石垣先生の解説に注目が集まり、非常に分かり易く説明を頂き、理解を深めることができました。

また、当日は都合がつかない中、私どものことをサポートし続けてくれていた、臨床心理士の須田先生からも事前にメッセージを頂いていたので、そちらを会場にて読ませて頂きました。

特に「子どもへの影響」については、単独親権の弊害は大きいことを再認識できるもので、どの国賠訴訟においても、この点の主張は「誰の権利(及び義務)」という話は超えたところで、同様であり、早急な法整備が必要であることは間違いないというもので、白熱したところでもありました。

三つ目のテーマは、「離婚後共同親権の下での共同監護・養育ってどんなもの?」というもので、国賠訴訟は、本来はそこ(具体的内容)迄の請求をするものではないという前提はあるとしても、ある程度のビジョンを持っていると、より説得力があるもの(無責任とはならないもの)になるので、こちらのディスカッションも、各パネラーの先生方の熱い想いが伝わってくるものであり、また、オンライン参加者側からも質問もありまして、盛り上がることができました。


最後は、小嶋先生より総括頂きシンポジウムを閉会としました。お集まり頂いた先生方やメディアの方々、それから本来であれば会場にて同じ場を共有したかったところ、コロナ対策にご理解を頂きオンラインにてご参加頂いた方々すべての方々のおかげで、会場+オンラインというハイブリッド会議を盛会とすることができました。当会における初めてのハイブリッド会議のため至らない点も多くあった事については今後改善を行いたいと思います。ご参加いただいた皆様に、スタッフ一同より改めてお礼申し上げます。誠にありがとうございました。


※シンポジウムで使用された各資料は以下を参照願います。↓