2012年度カトリック札幌地区使徒職大会
投稿日: 2012/09/30 9:33:48
9月30日(日)藤女子大学講堂で、2012年度カトリック札幌地区使徒職大会が行われました。
テーマは「新しい福音宣教」
開会の挨拶で札幌地区長 勝谷神父様から
「この使徒職大会を10月11日から始まる「信仰年」の札幌地区の開催行事としたい」というお言葉がありました。
講演は、ケセン語訳新約聖書の著者として知られる山浦玄嗣氏による
「新しい酒は新しい皮袋に」 -今こそ活き活きとした喜びの福音を!-
と題し、ケセン語訳新約聖書と、その後に出版した日本語訳新新約聖書「ガリラヤのイェシュー」が出来るまでの
氏の想い、執筆に至った経緯や苦労話について、1時間ほどユーモアを交えながらのお話でした。
以下、お話の概要です。
幼い頃、私の空想の世界では、身近にいた人々がイエス様であり、ペトロであり、ヤコブたちでした。
そして、小学校3年生のときに聖書のことを日常使っている言葉(方言で)で、友達に伝えたいと思ったことが最初の想いでした。
それから医者になった後の35歳の時にあることがきっかけで、そのことを実現しようと思い立ちました。
そのためには、まずケセン語をもっと深く知らなければならないと、あらためてケセン語を勉強し、「ケセン語入門」を作り、
そして60才で「ケセン語大事典」を書きました。
これでようやくケセン語訳の新約聖書を手がける準備が整ったと思い、いざ日本語訳の新約聖書を前にしたとき、
マタイ福音書の一番最初の出だし「アブラハムの子であるダビデの子、イエス・キリストの系図」の段階で全く訳すことができませんでした。
それは、アブラハムからイエスまでは1000年以上の間隔があるのに何故「子」という表現なのかという疑問からでした。
それで原典であるギリシャ語の聖書から訳した方が良いとのある人からの助言を受け、
60才でギリシャ語の勉強を始め、ようやく「ケセン語訳新約聖書」を書くことができました。
おかげさまで、この聖書は当時の教皇に献上することができました。
その後、ケセン語を知らない多くの人たちにも読んでもらいたくて、
日本全国の方言を取り入れて翻訳した「ガリラヤのイェシュー」を昨年出版しました。
聖書をより身近な言葉に置き換えることによって、
イエス様の教えがより活き活きと心に響いてくるものになったのではないかと思っています。
是非多くの人に読んでもらいたいと願っています。
講演の後、菊池司教様の司式によりミサが行われました。
ミサの司教様のお説教で、「信仰年」についてのお話がありました。(以下、お話の要約です)
「信仰年」というのは、信徒一人ひとりが自らの信仰について振り返り、どう生きていくかということを考えることにあります。
そのため信仰年にあたって特別な行事の開催は、今のところ企画されていません。
現在、第2バチカン公会議の新邦訳版の準備が進められており、今年度中には出版される予定なので、
「信仰年」にあたって、小教区、信徒の方々に是非読んでいただきたい。
教皇様は、教会の役割として3つの大切なことを挙げています。典礼、宣教、奉仕です。
この「信仰年」をきっかけに、信徒それぞれが自らの信仰を振り返り、この3つの役割のどれかでも担っていけるよう、
主の恵みが皆さんのもとにありますように。