分布について
リュウキュウサンショウクイの分布拡大について・・・この20年くらいでリュウキュウサンショウクイが確認された地域が増え,その範囲は北上しています.情報をお持ちの方は 是非、バードリサーチのサンショウクイプロジェクト、もしくは、三上かつら(katsura.m.kawanoあっとgmail.com)までご一報いただけると嬉しいです.変な写真なども大歓迎,泣いて喜びま す!写真,音声など,判別依頼もお気軽にドウゾ~.
分布に関する最新情報(暫定版)はニュースレターをごらんください!
全国鳥類繁殖分布調査ニュースレター No.13(2018年10月)
全国鳥類繁殖分布調査ニュースレター No.8 (2017年4月)
バードリサーチニュース(2014年12月)
バードリサーチニュース(2014年4月)
バードリサーチニュース(2010年11月)
バードリサーチニュース(2010年5月)
リュウキュウサンショウクイの分布拡大について,朝日新聞(2017年3月15日),琉球新報(2017年3月10日)に取り上げられました.
亜種間(あるいは種間)のちがいについて
日本に生息するサンショウクイPericrocotus divaricatus の2つのtaxa,亜種サンショウクイP. d. divaricatusと亜種リュウキュウサンショウクイP. d. tegimae (世界的には別種とみなすのが主流です)には,びみょーな外見的な違いや音声の違いがあります.
翼の長さがちがう
2亜種の外見的なちがいとして,額のパッチの狭さとか,雌雄の色の違いとか,胸や背中の色合いなどいくつかあるのですが,体の「かたち」のちがいというのもあります.山階,科博,姫路科学館,兵庫ひとはく,サヒメルが所蔵しているP. divaricatus の標本を計測したところ,翼の長さなど,地域による形態の違いが明らかになりました.翼は,亜種サンショウクイ>九州の亜種リュウキュウサンショウクイ>沖縄の亜種リュウキュウサンショウクイ,の順に長いのです.亜種サンショウクイは夏鳥で,渡りをしますので,その生態と関連があるかもしれません.沖縄などの島で一年中そこに生息している亜種リュウキュウサンショウクイの翼はそれより1cm前後短い.そして,九州の亜種リュウキュウサンショウクイは,すくなくとも一部は漂鳥(渡りほどではないが季節移動を行う)ことが示唆されていますが,翼の長さはその2者の中間くらいですので,翼の長さの地域差は,移動能力と関係している可能性が考えられます.論文がOrnithological Science誌に掲載されていますので,ご興味のあるかたはぜひどうぞ.・・・さて,いま,関西や関東で観察例が増えつつあるリュウキュウサンショウクイはどんな形をしているのでしょうね.とても興味があります.
声がちがう
亜種サンショウクイと亜種リュウキュウサンショウクイの音声,わかるひとにはすぐわかるそうですが,そんな達人は一握り.ピリリリ・・・と鳴いてすぐ飛んでいってしまう声,どっちの亜種なんだろう?と思われる方もいらっしゃると思います.また,最近は音声録音が手軽になりましたし,モニタリングに音声を活用する機会も出てきました.そこで、2亜種の音声のちがいや,比較法を検討しました.論文がBird Research誌に掲載されていますので,ご興味のあるかたはぜひどうぞ.ニュースレターでもとってもわかりやすく紹介してもらいました。
論文・記事等
三上かつら(2019)リュウキュウサンショウクイ,東へ.私たちの自然.7・8月号 .
三上かつら (2016) 九州から分布を広げつつある鳥.BIRDER(11) (文一総合出版)
三上かつら・植田睦之(2016) 日本のサンショウクイ2亜種の音声の違いと簡便な判別法. Bird Research.12:T1-T8.(PDFがフリーでダウンロードできます!)
三上かつら・植田睦之(2011) 西日本におけるリュウキュウサンショウクイの分布拡大. Bird Research 7: A33-A44 (Abstract)(PDFがフリーでダウンロードできます!)