入門者から中級者レベルの自作派アマチュア無線家が手元に準備しておきたい半導体
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小信号汎用NPN型トランジスタ:2SC1815
東芝が1976年頃から製造していた2SC1815は様々な用途に使用可能で汎用性が高い。既に東芝では製造が中止されたようだが、台湾のUTCなどからセカンドソースが製造されているので、入手性には問題ない。
電極配列は向かって左から、エミッタ、コレクタ、ベースの順。
2SC1815は小信号用であるが、耐圧がそこそこ高く(Vceo=50V)、電流もそこそこ多く(Ic=150mA)流せるが、アマチュア無線の機器の製作に使用する場合、耐圧がそれほど高い必要もなく、電流もそれほど流す必要のない場合が多いので、大抵の小信号汎用の品種が代替品となりえる。
多くの場合、以下の品種が代替品として使用出来る:2SC372(TM)、2SC373(TM)、2SC458、2SC536、2SC538、2SC711、2SC828(A)、2SC945、2SC1684、2SC1685、2SC1740、2SC2320、2SC2458、2SC2603、2SC2785など
金属外装の品種としては、2SC538(A)が代替品となりえる。
2N3904などの海外製の品種もあるが、電極の配列が異なるので注意が必要である(電極配列は向かって左から、エミッタ、ベース、コレクタの順)。
小信号汎用PNP型トランジスタ:2SA1015
東芝が2SC1815よりやや遅れて製造していた2SA1015は様々な用途に使用可能で汎用性が高い。既に東芝では製造が中止されたようだが、台湾のUTCなどからセカンドソースが製造されているので、入手性には問題ない。
電極配列は向かって左から、エミッタ、コレクタ、ベースの順。
2SA1015は小信号用であるが、耐圧がそこそこ高く(Vceo=-50V)、電流もそこそこ多く(Ic=-150mA)流せるが、アマチュア無線の機器の製作に使用する場合、耐圧がそれほど高い必要もなく、電流もそれほど流す必要のない場合が多いので、大抵の小信号汎用の品種が代替品となりえる。
多くの場合、以下の品種が代替品として使用出来る:2SA495、2SA564(A)、2SA608、2SA733、2SA933、2SA1048、2SA1175など
金属外装の品種としては、2SA550(A)が代替品となりえる。
2N3906などの海外製の品種もあるが、電極の配列が異なるので注意が必要である(電極配列は向かって左から、エミッタ、ベース、コレクタの順)。
超短波小信号用トランジスタ:2SC1906
受信の信号系では後で記述するMOS型電界効果トランジスタを使用する方が便利で高性能なので、バイポーラのトランジスタの出番はあまりないが、局部発振や送信系では使われる場合も多いと思われる。
完全に互換ではないかもしれないが、以下のものが使用出来ると思われる:2SC387A(TM)、2SC684、2SC717、2SC1215、2SC1907、2SC2347、2SC2349、2SC3354など
超短波小信号用トランジスタ:2SC1923
前述の2SC1906と比べると使用出来る周波数帯が低いがこれらの品種も手元に置いておくと重宝すると思われる。
同様の品種としては以下のものがあげられる:2SC535、2SC738、2SC763、2SC1047、2SC2668など
短波〜FM帯小信号用トランジスタ:2SC829
前述の2SC1923と比べても、さらに低い周波数帯で使用されるものだが、使用する場面がより多いので、手元に置いておくと重宝すると思われる。しかし、より低い周波数帯では汎用の2SC1815が使用できる場合も多いと思われる。
似たような品種が多いので、代表的な品種として2SC829をあげた。
同様の品種はたくさんあるが、例として以下のものを挙げる:2SC380(TM)、2SC460、2SC461、2SC710、2SC838、2SC839、2SC1359、2SC1674、2SC1675、2SC2669など
金属外装の品種としては、2SC645が代替品となりえる。
同様の用途でNPN型のものとして、以下のものがある:2SA838、2SA1005、2SA1177、2SA1323など
超短波〜極超短波広帯域小信号増幅用トランジスタ:2SC3355
極超短波のテレビのブースターなどによく使用されており、比較的多い電流を流して使用される。代表的なものとして入手が比較的容易な2SC3355を挙げた。
同様のものとして、以下のものがあげられる:2SC2498、2SC2499、2SC2570A、2SC3776、2SC3776、2SC4308など
2SC3356、2SC3357、2SC3358は外形が異なるが、ほとんど同じ特性であると思われる
Nチャンネルデプリーション-エンハンスメント型MOS型高周波小信号用電界効果トランジスタ:2SK241
東芝が製造していた2SK241は、内部でカスコード接続されているMOS型高周波小信号用電界効果トランジスタで、帰還容量が小さく、バイアス回路が簡略化できるので、非常に使い勝手が良い素子である。既に製造が中止されているが、流通在庫になっているものの入手はそれほど困難ではない。
短波帯から超短波帯の受信系の初段から中間周波の増幅において、バイアス回路が簡略化できたり、中和回路が必要なかったりで、非常に使い勝手が良いため、これを使わずバイポーラ型のトランジスタを使う利点は少ないと思われる。
電極配列は向かって左から、ドレイン、ソース、ゲートの順。
以下の品種がほぼ同等に使える:2SK359(外形がTO-92)、2SK439(配列が逆)、2SK544
海外には同等の品種はない。
多くの3SK型の高周波用デュアルゲートMOS型電界効果トランジスタは、第二ゲートをソースに接続することで、同様に使えると思われる。
2SK61、2SK161はMOS型ではなく接合型であるが、内部でカスコード接続されており、代替が効く場合もある。
Nチャンネルデプリーション-エンハンスメント型デュアルゲートMOS型シリコン高周波小信号用電界効果トランジスタ:3SK73
東芝が製造していた3SK73は超短波帯小信号増幅用のデュアルゲートMOS型電界効果トランジスタで、高周波増幅、周波数変換、中間周波増幅などで使われる。既に製造が中止されてから久しいので、入手はやや困難である。3SK73は樹脂モールドの外装であるが、金属外装の3SK59の同等品である。
細かい特性は異なるが、次に書いたエンハンスメント型を除く多くのデュアルゲートMOS型電界効果トランジスタで代替可能だと思われる。
外装はいろいろで、いずれも製造が終わった品種だが、以下のものは代替可能な品種だと思われる:3SK35、3SK40、3SK44、3SK45、3SK48、3SK55、3SK59、3SK60、3SK63、3SK74、3SK85、3SK101など
以上の中では、3SK74の入手性がもっとも良いように思われる。
Nチャンネルエンハンスメント型デュアルゲートMOS型シリコン高周波小信号用電界効果トランジスタ:3SK114-O
東芝が製造していた3SK114-Oは超短波帯小信号増幅用のデュアルゲートMOS型電界効果トランジスタで、高周波増幅、周波数変換、中間周波増幅などで使われる。既に製造が中止されてから久しいが、入手はそれほど困難ではない。十字形に4本の電極が出ているマイクロディスク型の樹脂外装である。
前記の3SK73と異なり、2つのゲートの両方をソースと同じ電位にしたときにドレイン電流が流れないエンハンスメント型なので、バイアスのかけ方が異なる。
3SK114-Yはゼロバイアスでも若干電流が流れるので、用途によってはOランクでないとダメな場合もある。
3SK115も同様のエンハンスメント型だが、極超短波帯用の品種である。
Nチャンネルデプリーション型シリコン接合型高周波小信号用電界効果トランジスタ:2SK192A
東芝が製造していたシリコン接合型電界効果トランジスタ2SK192Aは既に製造が中止されたようだが、今のところ入手性には問題はない。超短波帯用の品種である。
電極配列は向かって左から、ドレイン、ソース、ゲートの順。
2SK19(TM)の後継品が2SK192Aである。
以下の品種がほぼ同等に使えると思われる(外形や電極配列が異なるものもあるので注意):2SK19(TM)、2SK33、2SK37、2SK41、2SK42、2SK49、2SK55、2SK168、2SK193など
2SK19のサブストレートを外部に第二ゲートの電極として出したのが3SK22であり、それの選別品が3SK28であるから、これらの第二ゲートをソースに接続したものは同等に使用できると思われるが、そんな使い方をするのはもったいない。
非常に古い三菱電機製のMK10という品種もあり、同様に使える場合も多いと思われるが、そもそもMK10を入手するのは困難である。
同様の用途に施用できる海外の製品には以下のようなものがある:MPF102、BF245、2N3819、NTE451
Nチャンネルデプリーション型シリコン接合型高周波小信号用電界効果トランジスタ:2SK125
ソニーが製造していたシリコン接合型電界効果トランジスタ2SK125は既に製造が中止されたようだが、この品種はもともとU310という海外の金属外装の品種のセカンドソースのようなもので、U310の樹脂外装の品種のJ310が今でも製造されており、J310の入手に問題はない。極超短波帯用の品種である。
Idssが大きいのが特長のひとつである。
一般にはゲート接地回路で使用し、必要に応じて並列に接続して使用する。
Nチャンネルデプリーション型デュアルゲートGaAs高周波小信号用電界効果トランジスタ:3SK113
似たような品種はいくつもあるが、もっとも入手性が良さそうな日立製の3SK113を代表として挙げた。
シリコン(Si)ではなくガリウム砒素(GaAs)が素材となっている。高い周波数まで使え、低雑音であるが、低電圧大電流で動作させなければならないので、やや使いにくい面もある。
細かい特性は異なるが、以下の品種はGaAs型であり、代替が可能だと思われる:3SK97、3SK121、3SK129、3SK183など
検波用ゲルマニウム点接触型ダイオード:1N60
かつて日本や海外の複数のメーカーが製造していたゲルマニウム点接触型ダイオード。現在でも同等品が製造されているかも知れない。同等品を含めれば、入手性は悪く無い。
これにこだわらず、検波用ゲルマニウム点接触ダイオードは何かを手持ちにしておくのが良い。
代替品としては、1N34、OA70、OA90、SD46などがあるが、1N60ほど入手性はよくない。
ゲルマニウム型ではないが、検波用のシリコン・ショットキーバリア型ダイオードでも代替が効く場合が多い。品種としては、1SS16、1SS43、1SS97、1SS108など。
シリコン小信号用ダイオード:1N4148
汎用の小信号スイッチング用シリコンダイオードであり、最も入手が容易で安価である。
これにこだわらず、同様の品種を手持ちにしておくのが良い。
代替品としては、1S1588、1S953、1S2076などが使えると思われる。かつては1S1588がもっともよく使われたが、現在では製造が中止されている。
可変容量ダイオード
必要とする容量によって品種を選ぶ必要があるので、特定の品種をあげられない。
アマチュアの自作の場合、12V以下の電圧での使用を想定した低電圧用の品種から選ぶことになる。
アマチュアが利用する機会が多いものとして、最大容量が数十pFのFMラジオ用のものと最大容量が数百pFのAMラジオ用のものがある。
複数の素子(多くの場合二つ)が複合したものもある。
単一素子のもの:1S2208(〜12.65pF)、1SV50(〜32.5pF)、1SV101(〜32pF)、1SV149(〜540pF)、FC51M(〜195pF)、FC52M(〜104pF)、FC53M(〜58.5pF)、FC54M(〜32.5pF)、FC63M(〜380pF)、FC65M(〜600pF)
2素子複合(陰極共通):1SV147(〜64pF)、1SV55(〜42pF)
いざとなれば、電源整流用のシリコンダイオードが使える場合もある。
短波〜50MHz帯の励振段用トランジスタ:2SC2314
かつて三洋電機が製造していて現在は三洋の事業を引き継いだオンセミコンダクターが製造している(と思う)。
もともとは市民無線の27MHz帯の1W程度の出力段や5W程度の出力の励振段で使用することを目的として開発されたと思われる。コレクタ耐圧が十分に高いので、12V前後の電源電圧の場合、トランスを使用した終段コレクタ変調で使用できる。
以下の品種は外装もほとんど同じで、似たような規格なので、互換性が高いと思われる:2SC1957、2SC2028、2SC2091
外形は異なるが、2SC1973や2SC2086もだいたい似たような規格で、互換性があると思われる。2SC1973はfTがかなり高いので、144MHz帯でも使用できるかも知れない。
以下の品種は金属外装で似たような規格なので同様の用途に使用できると思われるが、これまでに挙げた品種と比べれば概して増幅利得が低く、入手が困難なので無視してもいい:2SC481、2SC502、2SC775、2SC781
短波〜50MHz帯の出力段用トランジスタ:2SC2078
かつて三洋電機が製造していて現在は三洋の事業を引き継いだオンセミコンダクターが製造している(と思う)。
もともとは市民無線の27MHz帯の5W程度の出力段やで使用することを目的として開発されたと思われる。コレクタ耐圧が十分に高いので、12V前後の電源電圧の場合、トランスを使用した終段コレクタ変調で使用できる。
市民無線ブーム(アメリカの)でこの種のトランジスタがたくさん開発されていたが、もうかなり昔にブームが去ったいま、ほとんどが製造中止になっている。
以下の品種は似たような外装(TO-220ABまたはそれの類似)で、似たような規格なので、だいたい互換性があると思われる:2SC1237、2SC1306、2SC1678、2SC1816、2SC1909、2SC1964、2SC1974、2SC1975、2SC2029、2SC2075、2SC2092、2SC2166
このうち2SC1306は他の品種と比較するとfTがやや高く、増幅利得もやや高い。2SC1306は松下電器製の50MHz帯トランシーバRJX-601などの終段に使用されていて、それらの修理のために交換する場合には2SC1306を使用しないと十分な出力を得られなくなってしまうので、2SC1306を使用する必要があるが、そうでなければ、同じ日本電気が後継品として製造していた2SC1909の方が増幅利得こそ低いものの、増幅の直線性が良いので、2SC1909を使用するのが望ましいと思われる。
高い増幅利得が必要ということであれば(あえてそうする必要もないと思われるが)、このうちでは2SC2166が良いように思われる。ただし、市場価格は高い。
いずれにせよ、どれも似たようなものなので、これらのうちで安価で入手できるものを使用すれば良いと思われる。
以下の品種は金属外装で似たような規格なので同様の用途に使用できると思われるが、これまでに挙げた品種と比べれば概して増幅利得が低く、入手が困難なので無視してもいい:2SC517、2SC776、2SC799、2SC1239、2SC2034
自分で回路を設計できる人は、MOS型シリコン電界効果トランジスタのRD06HHF1が2SC2166の後継品であり、ほどほどに安価で入手できるので、それで設計したら良いと思う。
短波〜144MHz帯の励振段用トランジスタ:2SC2053
三菱電機が製造していたが、現在ではセカンドソースが海外で製造されているようである。
現在でも三菱電機製のオリジナルの流通在庫があるようである。
FM用であるため、終段コレクタ変調で使うことが想定されていないのでコレクタ耐圧が低く、12V前後の電源電圧では終段コレクタ変調では使えない(壊れる)。
FM用ではあるが、SSBの直線増幅でも使用実績が多い。
完全に同じような規格の品種はないが、同様の用途で使用できるものには以下の品種が挙げられる:2SC1970、2SC1976、2SC2538、2SC2851
短波〜144MHz帯の出力段用トランジスタ:2SC1971
三菱電機が製造していたが、現在ではセカンドソースが海外で製造されているようである。
5W程度までの出力段に使用できる。
放熱片がエミッタに接続されているため、通常のエミッタ接地の回路では絶縁板を使わずに放熱片をそのまま外部の放熱器に取り付けられるので、利便性が非常に高い。
現在でも三菱電機製のオリジナルの流通在庫があるようであるが、概して価格が高い。自分で回路を設計できる人は、MOS型シリコン電界効果トランジスタのRD06HVF1が後継品の現行品であり、2SC1971よりはるかに安価で入手できるので、それで設計したら良いと思う。
FM用であるため、終段コレクタ変調で使うことが想定されていないのでコレクタ耐圧が低く、12V前後の電源電圧では終段コレクタ変調では使えない(壊れる)。
FM用ではあるが、SSBの直線増幅でも使用実績が多い。
5W程度までの出力段用で放熱片がエミッタに接続されているTO-220AB型類似の外装の品種は、他に2SC2989(電極配列が異なる)しかなく、代替品はほとんど無いと言っても良い。2SC1945は放熱片がエミッタに接続されており、2SC1971より最大定格が大きく、単独で10W以上の出力を得ることが可能で、AMの終段コレクタ変調でも使えるが、もともと市民無線用の品種であり、50MHz帯までは使えるが、144MHz帯では使えない。
やや最大定格が小さいが、金属外装の品種では2SC1947が似ている。2SC1947は一般用の2SC1971と異なり通信工業用品種なので信頼性が高いと思われるが、アマチュアレベルでは気にする必要は無いと思われる。2SC1947の外装はエミッタ電極に接続されているので、一般的なエミッタ接地の増幅回路の場合、取り付けた放熱器を直接接地できるため、利便性が高い。2SC1947は出力1〜2W程度の144MHz帯FMトランシーバの終段増幅用に多く採用されているし、ミズホ通信のHF帯SSBのピコシリーズの終段増幅用にも採用されているなど、アマチュア無線での使用実績は多い。入手性も2SC1971より高いと思われる。
セラミック外装の品種では似たような規格のものがいろいろあるので、それも同様の用途に使えると思われるが、価格は安くないと思われる。
低電圧電源用集積回路
電源電圧および電流容量によって決める。
アマチュアとしては、8Vおよび5Vぐらいの品種を手持ちにしておくのが良いと思われる。
低周波出力用集積回路:LM386N
ナショナルセミコンダクタ社の製品で、新日本無線がセカンドソースのNJM386Dを製造している。
低周波出力は、電源電圧や必要とする出力に応じて品種を選べば良いので、これに限ったことはない。
例えば、電源電圧1.5V程度〜:NJM2076、3V程度〜:NJM2073、TA7368P(G)、MC34119、4.5V程度〜:LM386N、12V程度:LM380N、など
平衡変調に使用できる集積回路:NE602/NE612/SA602/SA612
バイアス回路が内蔵であったり外付けであったり、いろいろな違いはあるが、以下に挙げる品種がよく使われている。その中でNE602/NE612/SA602/SA612は高い周波数まで使用でき、入手が比較的容易だと思われる。
どれを使用するかは、電源電圧や使用可能周波数に注意する必要がある。
専用品種:SN76514N、SN16913P、LM1496/MC1495/NJM1496、TA7320Pなど
専用ではないが、アマチュアの自作で使用実績が多い品種:TA7310P、TA7358(A)Pなど
60MHz程度までの中間周波数の増幅に使用できる集積回路:MC1350P
増幅利得が大きく、利得の制御幅が大きいので利便性が高い。もともとはアナログカラーテレビの映像中間周波増幅用として開発されたものと思われる。
Y21が90MHzまで-3db以内である。
あまり安価では無いが、現在でも製造されているらしく、その気になれば入手できる。
SN76600Pは電極配列が同じで、ほぼ同等の品種であるが、Y21が-3db以内なのは75MHzである。
AMラジオ用集積回路:LA1600
これ一つで、高周波増幅、局部発振、周波数変換、中間周波増幅、検波の回路が入っている三洋電機製の集積回路で、これに低周波増幅器を追加すればAMラジオだできてしまう。三洋電機の半導体事業はオンセミコンダクターが引き継いでいるが、今でもこれが製造されているかどうかは不明である。しかし、入手は難しく無い。サードパーティーがセカンドソースを製造しているのかも知れない。
使用できる周波数は短波帯までだが、外部にさらに高周波増幅を追加すれば、50MHzでも使用できる。
調整しながら製作するのを楽しみにしている人には物足りないかも知れないが、手っ取り早く製作するには重宝する部品である。
狭帯域FM受信システム集積回路:MC3362P
これ一つで、高周波増幅、第一局部発振、第一周波数変換、第二局部発振、第二周波数変換、第二中間周波増幅、検波の回路が入っているモトローラ製のの集積回路で、これに低周波増幅器を追加すればFM狭帯域受信機ができてしまう。200MHzまで使用できるので、144MHz帯以下のアマチュア無線で使用出来る。
調整しながら製作するのを楽しみにしている人には物足りないかも知れないが(FM受信機を個別部品で組み立てることを考える人はほとんどいないと思うが)、手っ取り早く製作するには重宝する部品である。
同様の用途には同じシリーズのMC3357PやMC3359Pなどがあるが、いずれもMC3362Pの第一周波数変換後の部分しか含まれていない。
Last updated on 3 August, 2016