設立趣旨

我が国は、団塊の世代が75歳以上を迎える2025年問題を間近に控え、医療や介護、福祉サービスの需要が高まることが予測され、その領域で従事する者の負担が増大することは回避不可能であると考えられます。これは社会保障財政にも影響を及ぼす重要な社会的問題であり、医療や福祉に従事する者はその問題に対応することが要求されています。このような状況の中、医療に従事する者は個人の就労の場で問題解決型行動の分析と修正の方法を身につけ、患者である医療消費者のニーズに応じた医療の提供が求められています。

行動分析学は、行動が環境の関数であるという立場に立脚した心理学であり、環境(独立変数)を操作することにより行動(従属変数)がいかに変化するかを検証する方法論を有します。これは先述した問題解決型行動の分析と修正のためには重要な学問であり、現代医療における諸々の行動問題の解決に寄与できると期待されています。

また、昨今の医療および福祉における諸問題に対しては、医師や看護師など限定された職種のみで解決するのではなく、多職種で連携し問題解決することが推奨されています。つまり、医療や福祉場面における多様な問題に対して、職種を超えて問題解決に取り組み、その方法論と成果を共有することが肝要であると考えます。

これらのことにより、「医療行動分析学研究会」は、医療および福祉に携わる者全般を対象に、臨床場面における行動問題に対する行動分析学的研究方法論およびその成果を共有する目的で設立しました。

皆様方の幅広いご支援、ご協力を賜りたいと思います。

世話人 鎌倉やよい

幹 事 飛田伊都子