東京大学 大学院総合文化研究科・教養学部

情報教育棟

Information Education Building

計算機システム概論

●授業の目的、概要:

計算機システムは現代の情報化社会の基盤となっています。本講義では、計算機システムについて、様々な側面から、それがどのように構成されているか、それを設計・利用する上で理解しなければならない基本原理 は何か、ということを学びます。

具体的に扱うトピックは以下の通りです。

1. 計算機アーキテクチャと高速化技術

2. Operating System

3. データベースシステム

4. 分散・並列処理

5. 科学技術計算

6.人工知能

7. セキュリティ

●授業計画:

オムニバス形式でいくつかのトピックを扱います。

1.計算機アーキテクチャと高速化技術

- 計算機アーキテクチャとは

- フォンノイマンマシンの構造

- CPUの構造

- データの表現

- 高速化の基本

- 具体的な高速化技法

2. Operating System

- なぜOSが必要か

- プロセス管理

- メモリ管理

- 割り込み管理

- その他のOSの仕事

3. データベースシステム

- 何故データベースが必要か

- 関係データモデル

- SQLと関係代数

- 正規形と一貫性

- 障害回復

4. 分散・並列処理

- 分散処理

- Webサービス

- インターネット

- ドメイン名

- スケーラビリティ

- 並列処理

- なぜ今、並列処理が必要か?

- 命令レベル並列化

- SIMD並列化

- マルチコア並列化

5. 科学技術計算

- 常微分方程式

- 科学技術計算における常微分方程式

- 常微分方程式の数値計算法

- オイラー法と線形多段解法

- 硬さと安定性

- 偏微分方程式

- 科学技術計算における偏微分方程式

- 熱伝導方程式の数値計算法

- 時間・空間刻み幅と安定性

6.人工知能

- 人工知能とはなにか

- チューリングテストと中国語の部屋

- 人工知能の典型的応用とその基礎技術

- 人工知能の限界

7. ネットワークとセキュリティ

- セキュリティの基本

- セキュリティへの脅威の分類

- インターネットにまつわるセキュリティ

- 相互認証の安全性