人には本能に基づく欲求がある。
本能は大きく三つに分けられる。
一つは、生き続けようとする「生存本能」
これは、生きるためのエネルギーを得ようとし、
かつ、そのエネルギーの消耗を減らそうとする欲求である。
一つは、種族を残そうとする「種存本能」
これは、自分の遺伝子を出来るだけ多く残し、
またその遺伝子の永続を図る欲求である。
一つは、 自己の価値を守ろうとする「存在本能」である。
これは上の二つの本能のサポートとして、
群れの中で自分の存在を主張する、
または埋没させる欲求である。
これらの欲求は、群れの中で、
人々の間に、競争と協調を生み出す。
人々は、幸福に生きることを望む。
幸福とは、次の三つの要素が満たされることである。
快楽 自由感 安定感
快楽は、上の三つの本能の欲求が満たされる、
または満たされようとすることによって生み出される。
自由感は、その欲求がいつでも満たされるような
豊かな状況にあるということによって生み出される。
安定感は、上の二つの感覚がずっと続く状態にある
ということによって生み出される。
人によって、上に述べた幸福の三要素のどれを尊重するかは違う。
快楽を重視する者は、自由感や安定感への充足は薄い。
他を重視する者も、それぞれに同じ状態となる。
バランス良く、三つをそれぞれに尊重する者もいる。
これら三つの要素は、互いに影響し合う、
互いに因果関係を生むからである。
快楽を重視する者は、社会に競争を求める。
安定を重視する者は、社会に協調を求める。
自由を重視する者は、社会との関わりを薄める。
競争を求める者は、勝つことの快楽が得たい者である。
それは負けることへのリスクを超越するものである。
基本的には、勝つために手段を選ばない。
時には、社会のルールを破ることを厭わない。
これが、人の悪意を呼ぶのである。
協調を求める者は、当然、これの逆である。
負けるリスクを恐れ、勝負を避ける。
社会のルールを尊重し、正義を愛することになる。
編集中(2022.12)