関数データ解析

例えば,「生まれてから成人するまでの身長の推移」を興味の対象としたとき,データはこの範囲において(身長が計測された)複数の時点で得られます.このようなデータは,経時測定データ,あるいは,医学などの分野では繰り返し測定データ(longitudinal data),計量経済学の分野ではパネルデータ(panel data)などと呼ばれています.経時測定データは,計測こそ離散時点で行われていますが,データとしては本来連続的に存在するはずです.そこで,これらのデータを関数化処理することで得られる連続的な関数を改めてデータとして扱う手法が,関数データ解析(FDA; Functional Data Analysis) と呼ばれるものです.関数データ解析の手法としては,一般的な多変量解析を関数データの枠組みへ拡張した関数主成分分析,関数回帰分析などがあります.なお,関数データ解析と同様,多変量のデータを解析できるモデルに混合効果モデル,変化係数モデルとよばれるものがあり,これらも研究の対象としています.