simulation

地球大気全域大循環モデル開発とシミュレーション

九州大学グループとの共同により、地表から大気上端までを計算可能な数値モデルの開発に世界で初めて成功しました[Miyoshi and Fujiwara, 2003]。この数値モデルを用いたシミュレーションにより、高度約 300 km の領域でオーロラエネルギー流入によって極域で励起される大規模波動に加えて、昼夜境界や真夜中の温度異常帯でも地球の自転にともなって伝搬性の大気擾乱が励起される可能性がはじめて示されました[Fujiwara and Miyoshi, GRL2006]。さらに、高度300 kmの高高度においても対流圏起源と考えられる大気変動が見つかっており、次々と新しい成果が生まれつつあります[例えば、Fujiwara and Miyoshi, EPS2009, AnnGeophys2010]。図a、bは計算結果の一例。

大気圏・電離圏統合モデル開発

衛星通信等の宇宙通信が我々の生活に不可欠となった結果、熱圏・電離圏変動による通信障害は航空機や船舶のGPS測位を不能とし重大事故を引き起こす可能性を伴うようになりました。しかしながら、モデリング研究の遅れと基礎データの不足などからここでの(宇宙環境)変動予測は天気予報のレベルにはほど遠いのが現状です。そこで、九州大学、情報通信研究機構グループとともに、熱圏・電離圏の数値予報のためのシステム構築と観測データに基づく素過程のモデリングを実施しています(Jin et al.., JGR2011; Miyoshi et al.., JGR2011)。また、国立極地研究所、名古屋大学、京都大学グループとも連携し、観測結果とシミュレーション結果との比較や、観測データ利用についても検討しています。