地球・惑星超高層大気の研究

熱圏と呼ばれる大気領域は、人工衛星スペースシャトルが飛翔しオーロラが乱舞する、宇宙空間と大気との境界領域です。この領域では、太陽・オーロラ活動の影響により、大気温度は数100~2000 Kとなり、数100 m/sもの高速風が吹くことが知られています。また、大気中の二酸化炭素の増加のため、対流圏とは逆に熱圏では大気の寒冷化が起きていると指摘されています。このような熱圏の大気や宇宙環境を理解するために、1.全大気領域をカバーする数値モデル開発シミュレーション、2. 極域に国際共同で設置されている大型大気レーダーによる観測(データの解析)、3.惑星大気への応用研究(現象の普遍的理解とモデリング手法の検証) を行っています。

・GCMシミュレーションによる熱圏・電離圏変動の数値シミュレーション

(右図: 高度約300kmでの気温・水平風速)

・大型レーダー観測による極域電離圏変動の研究

(オーロラ・太陽活動の影響などを調べる。上の写真はトロムソ・

ノルウェーでのオーロラ)

本研究は、文部科学省科学研究費補助金「電離圏嵐の数値予報:北極・赤道域観測と連携したシミュレーション手法開発と実証(基盤研究B:代表 藤原)」「全大気統合モデルを用いた温室効果ガス増加による超高層大気長期変動の研究(基盤研究B:代表 三好九大准教授)」「名古屋大学太陽地球環境研究所共同利用」「国立極地研究所共同利用」等のサポートにより実施されています。