『八重山の社会と文化』 購読の薦め

投稿日: 2015/07/02 9:31:36

5月末、書籍『八重山の社会と文化』が発売された。NPO現代の理論・社会フォーラムの会報誌『NEWS LETTER』連載の論稿をもとに、沖縄の南山舎代表・上江洲儀正さんのご協力により刊行した。連載シリーズに、竹富町教育長の慶田盛安三さん、尖閣・戦時遭難者遺族会会長の慶田城用武さんのインタビュー論稿を収録、八重山諸島の先史文化と尖閣、台湾を含む現在に焦点をあてた論稿は沖縄の多様性を理解する上で欠かせない貴重な書籍です。

『そもそもなぜ「八重山」なのか。きっかけは「八重山の英雄・オヤケアカハチ」(アカハチ伝承)」への強い研究関心と調査に始まります。「八重山」(石垣、竹富・小浜・黒島・新城・波照間・西表・鳩間、与那国)は「沖縄」ではない、琉球王国時代の沖縄・宮古・八重山という「政治的」地域単位が、また「沖縄」に対抗する「政治的」意志としての「八重山」が存在するというべきかも知れません。八重山の人々が那覇に行くことを「沖縄に行く」という表現の底には、「八重山」は「沖縄」ではない、という(約500年前のアカハチ以来の)意志が流れているのでしょう。』(同書あとがき=古川 純・NPO現代の理論・社会フォーラム理事長の要約)

*南山社「やいま文庫」定価1800円+税ですが、特別価格1500円(送料込み)で販売します。是非、ご購読ください。申し込みはンぽNPO現代の理論・社会フォーラム事務局まで。

『八重山の社会と文化』目次

●島の歴史

八重山諸島を探る-考古学の視点から 島袋 綾野

「オヤケアカハチ」の乱とはなにか 古川 純

八重山の人頭税時代 はいの晄

明和大津波の痕跡を探る 島袋 綾野

字石垣地域住民の戦争 森永 用朗

「八重山共和国」-八重山自治会創設の背景と歴史的意義- 古川 純

「出版許可綴」にみる米軍政下の八重山 山根 頼子

●台湾と八重山

台湾と八重山 松田 良孝

歴史を「資産」に 松田 良孝

●島に生きる

竹富島の「うつぐみ」と祭り はいの晄

波照間島の苦悩と誇り はいの晄

国境の島・与那国島 はいの晄

都会と田舎の話 はいの晄

島で本を出す はいの晄

●祭祀行事と芸能

お正月の風景とお椀の中にみるルーツ 山根 頼子

シュクブンを果たす-祭祀にみる個々の役割- 飯田 泰彦

「世」の表現 飯田 泰彦

復興の歌声 飯田 泰彦

●八重山の現在

尖閣列島をめぐること 山根 頼子

回顧・尖閣列島をめぐること 山根 頼子

八重山教科書問題の問題点 はいの晄

『夕凪の島』の著者大田静男の予言 はいの晄

八重山―歴史の曲がり角 砂川 哲雄

新空港と八重山の未来 はいの晄

軍隊は住民を守らない-与那国町住民投票は何を決めたのか- 大田 静男

●インタビュー

尖閣列島戦時遭難者遺族会会長・慶田城用武さん 古川 純

竹富町教育長・慶田盛安三さん 古川 純

●あとがき 古川 純