【寄稿】敵基地攻撃能力(反撃能力)と軍事費(防衛費)の大増額について
【寄稿】ワールドカップ雑感あれやこれも
【寄稿】認定NPO法人と寄附金
【寄稿】22年品川区長選挙・再選挙を振り返って
【書評】新井勝紘著『関東大震災 描かれた朝鮮人虐殺を読み解く』
【研究会報告】《経済分析研究会》「欧州経済、エネルギーのロシア依存度が高く苦慮」
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【巻頭コラム】“成る木責め”
新年になりました。今年もよろしくお願い申し上げます。
干支は卯ですが、干支の由来を探ると十二支はもともと動物を指すのではなく植物を指し、卯は植物の成長の意味があり、新しいことに挑戦するのに最適な年だともいわれています。ロシアによるウクライナ戦争は開戦1年を迎えようとしていますが、停戦・終戦のきっかけをつかむ転機を得られず、非戦闘員の市民に多数の犠牲者を出し続けています。
「市民社会に公共の言論空間づくり」を目標とする当NPOとしては、世界と社会の勢いを冷静にウオッチしながら、メッセージを発信し続けたいと考えます。引き続き会員皆さまのご支援・ご協力をお願い申し上げます。
“成る木責め”と聞いて思い当たることがある方はテレビNHKBSプレミアムの番組「やまと尼寺精進日記」(火曜日12:30~13:00、再放送あり)の熱いファンであるか、書籍『やまと尼寺精進日記』(NHK出版,
第3巻まで発売)の愛読者だと思われる。私は熱いファンで、かつ番組書籍3冊の愛読者である。
このやまと尼寺「音羽山観音寺」は、奈良県桜井市の音羽山の中腹600メートルにある融通念仏宗の古刹で、住職後藤蜜榮さん・副住職佐々木慈瞳さん・お手伝いまっちゃんの3人が暮らしている。御本尊は千手観音である。
四季の緑のなかで山の幸や庭の畑の産物、里の人々との入寺以来訳38年の交流によって届け物をいただき、お寺の祭礼・行事に訪れる人々・子どもたちを受け入れながら、皆さんに慕われて豊かに暮らしている。“成る木責め”はその中で紹介される小正月の豊作祈願のエピソードである。(番組制作班『やまと尼寺精進日記2』NHK出版2019.10第1刷)
境内の樹齢600年以上を誇るお寺のシンボルで銀杏の恵みをもたらしてきた大木に、台所の小豆粥を運んで根元のくぼみにお供えし、棒でカンカンと叩いて、住職が大イチョウに今年の実りを問いかける。すると木の精に成り代わった副住職が(小声で?)「成ります、成ります」と言う。木を励まして期待して、実りの季節が楽しみになるおまじないであるとされる。
観察者の制作班は解説で、“成る木責め”は実の成る木に今年の成果を問いかけ、「成らなければ切ってしまうぞ!」と脅しをかけるユニークなおまじないと説明するが、住職たちの気持ちを表しているのだろうか?
住職はまだ雪の残る2月、庭の草花に「みんなおおきくなれや」と肥をやっているし、春が来ると一升瓶を片手に大イチョウや梅の木の周囲に(梅酒づくり用の焼酎を?)注いで回り、厳しい寒さの冬を越してきた木にねぎらいをしているから、「脅しをかける」というのは住職の庭の自然を慈しんだ共生を表している表現にはふさわしくないように私は思った。
小正月の「七草がゆ」のシーンはほんとうに楽しそうだ。
(古川 純/NPO理事長・運営委員)