投稿日: 2018/10/15 11:03:56
玉城デニー氏が、沖縄県知事選で安倍政権が支援する佐喜眞淳氏を破り、初当選した。
玉城氏39万6632票(得票率55.07%) 、佐喜眞氏31万6458票(得票率43.94%)であり、約8万票の差をつけての勝利であった。勝利の要因としては、投票当日の出口調査では、前回の翁長雄志知事に比べて無党派層の支持を大きく伸ばしたことがあげられる。翁長氏の無党派層の支持率63.1%に対し、玉城氏は71.4%(共同通信出口調査)と大幅に支持率を伸ばしており、玉城氏勝利の原動力になったと考えられる。
もうひとつ注目されるのは、玉城氏への女性からの支持が男性以上に拡がったことである。朝日新聞の出口調査では、男性の玉城氏・佐喜眞氏の支持が53%対46%であったのに対し、女性の支持は61%対38%と大差がついて、女性からの支持の厚さでその差を拡げた格好だ。
こうした選挙結果を受け、玉城氏の政策の何が支持されたのか、玉城氏の就任インタビューにおける抱負と有権者の共感の声を拾うことで、沖縄知事選における有権者の深層を読み解いてみたい。
玉城氏は、知事就任インタビューで、次のような抱負を語っている。
翁長さんの意志を継ぐということで、重視する政策と言えば「子どもの貧困問題」に対する政策が真っ先にあげられると思います。今の子どもの貧困問題は、貧困がはじまると、その連鎖をなかなか断ち切ることができません。女性が赤ちゃんを宿し母子手帳を交付されて母子保健が始まる時点から小学校に上がるまでの間、子育て世代の包括支援の拠点を県内各市町村につくることで、生まれた子どもに最初から貧困の状況をつくらないということを行政としてしっかりサポートしようというふうに考えています。
子どもたちに「新時代沖縄」を担う次の人材として、私たちは投資をしなければなりません。子どもたちを育てることは、次の世代を育てるための投資であってコストではありません。そうした考え方で予算の仕組みを組み替えていってケアしていく、それを10年20年のスパンで考えていきたいと思います。
沖縄らしい社会の構築ということを、もう一度、見つめ直していく、あるいは、そのことで誇りある豊かな沖縄ということを打ち出していくことになりますし、皆がそれを実感できるような政策を作っていくことだと思います。その為にも平和が大事、平和あっての経済です。経済が循環しての暮らしは必ず、平和を求めているという、この連関が、翁長雄志知事が創りたかった政治のかたちであろうと思います。
最後に「沖縄の女性100人に聞きました!私がデニーさんを支持する理由」から、いくつかの声を紹介したい。こうした共感の輪が、女性や無党派層に広がったことが、今回の知事選から、私たちが汲み取るべき教訓であったように思われるがいかがであろうか。
「沖縄で子育てしている人で保育園や学童に悩まなかった人はいないはず。デニーさんの子育て支援は、育ててる親や、保育士や学童指導員などもみんなで豊かになれる感じがしています、私はそこに魅力を感じています、ちばりよーデニーさん」(運営委員 豊田正樹)