NIE(新聞活用教育)の取組
NIEとは、"Newspaper In Education"の略語で、「教育活動に新聞を活用していこう」という取組です。
NIEとは、"Newspaper In Education"の略語で、「教育活動に新聞を活用していこう」という取組です。
【11月21日(金)NIE2年次の研究発表会を開催】
蓮野小学校は昨年度、新潟県NIE推進協議会からの研究委託を受け、新聞を活用した教育活動の実践・研究に取り組んできました。11月21日(金)に、2年間の研究のまとめとして、研究発表会を行いました。聖籠町内外から90名近い参加を得て、当校の研究を発表することができました。当日は、その一端を1年生・4年生・5年生の授業を通してみていただきました。
【蓮野小学校NIEの研究概要】
「主体的・対話的で深い学び」。今求められているこのような学びを実現していくためには、一時間単位の授業を語るだけでは十分とは言えません。単元(学習のまとまり)の中で主体的な学び・対話的な学びが連続していくような学びをつくっていくことが大切だと蓮野小学校では考えました。そのために、子どもたちの学習意欲を喚起したり、それまでの子どもたちの意識を突き崩して、新たな問題意識や追究意欲を生み出したり、さらに考えを広げたり深めたりしながら新たな発見をしたり・・・。子どもたちが必要感をもって主体的・対話的に学習に取り組んでいく、そんな仕掛けのある単元づくり、「単元をデザインすること」について研究に取り組んできました。また、NIEの研究機会を有効に活用し、単元の中での効果的な新聞記事の活用についても研究を行ってきました。研究主題を『主体的・対話的で深い学びを実現する授業改善【副題】学びの流れを見通して単元をデザインする』として取り組んできました。
【研究会のひとコマ】
開会式校長挨拶。関係の皆様・参会者の皆様への感謝とともに、当校の研究の概略とメディアリテラシーの育成、そのための信頼できるメディアとしての新聞の可能性について話をさせてもらいました。
当日公開の授業に関わり、ご指導くださった県NIE3名のアドバイザーの先生方、新潟日報の石山CMO様、NIE推進協議会会長の伊藤様他、関係の皆様も多数いらっしゃいました。
当校の研究主任が研究概要や二年間の取組を通じた成果等について説明をしました。新聞活用や単元デザインによって、読む力や学習に取り組む姿勢に伸びが見られます。
1年生公開授業。道徳科の授業を中心に、教科横断的な単元をデザインしました。世界の食に触れることから、他の国の文化や人に関心や親しみをもったりすることをねらいとしました。
新聞記事から紹介されるスペインやタイ、韓国などの初めて知る料理に興味深々です。その国の人になったつもりで料理の紹介や役割演技をしました。
難民となって苦しんでいる子どもたちへと4年生が取り組んできた「服のチカラプロジェクト」町内の他の小学校、中学校にも働きかけて2,002着もの子供服を集めた4年生。大きな達成感を感じていたのですが…。新聞記事から、衝撃の事実に気が付きました。
世界で難民として、厳しい生活を強いられてい人たちはなんと、1億人。2,002着では全然足りない!でも、これ以上何ができるのか。真剣な議論がなされました。
高い技術をもつ日本の中小工場が減ってきている!!生産コスト等から大企業が海外生産を進めているのが原因のようだ。このままだと日本の中小工場や技術はどうなるのか。真剣に話し合いが続きました。
日本の工業はどうあるべきか!?なかなか一つに考えが絞れない、そんな議論が続く中、担任から三条市の中小工場とベトナムとの新たな関係づくりに関する新聞記事が提示されました。
公開授業後に行われた協議会では、参会の先生方から活発なご意見をたくさん頂戴しました。また、指導者の3名の先生方からは、子どもの自己選択・自己決定による新聞活用工夫の有効性・必要性や新聞記事の活用を通じて、人の思いや生き方に焦点を当てていくこと、また、より多角的に物事を見て考える子どもを育てていくためのポイントなどについてご指導をいただきました。
閉会式では、新潟日報社CMO石山様、新潟県NIE推進協議会会長の伊藤様より、子どもたちが「単元で学んできたことをもとに話し合いを進めている」「効果的に新聞記事を活用し、子どもが意欲的に学ぶ単元デザインができている」また、「どの学年も学級の仲間で活発に話し合う姿に感心した」などのたくさんのお褒めの言葉をいただきました。
NIE2年間の研究委託はこれでひと区切りとなりますが、今後も新聞の活用、新聞を単元の中に効果的に位置づけた単元デザインを通して、子どもたちの「主体的・対話的で深い学び」を目指していきます。