気候変動時代に応えるレジリエント・ランドスケープ学の創造
Creating Resilient Landscape Studies in Response to the Era of Climate Change
千葉大学 国際高等研究基幹 社会価値創造研究支援プログラム
研究責任者:秋田典子(千葉大学大学院園芸学研究院)
気候変動時代に応えるレジリエント・ランドスケープ学の創造
Creating Resilient Landscape Studies in Response to the Era of Climate Change
千葉大学 国際高等研究基幹 社会価値創造研究支援プログラム
研究責任者:秋田典子(千葉大学大学院園芸学研究院)
Summary
気候変動による災害の多発、生物多様性の損失、空間格差の拡大は、人類自体の持続性も脅かしつつあり、私たちは生活空間のあり方やライフスタイルの転換が強く求められています。COP Conference of the Parties (COP) のような世界レベルの組織では、強い危機感を伴い毎年のように新たな宣言を出しており、一刻もはやく世界全体で協力・協調して知と技術を集結し、これらの課題に取り組まなくてはなりません。これらの世界共通の空間に関わる課題は、いずれも自然と人の営みとのあり方に関わるものであり、その解決には当該学術領域における知見と、実践のための技術の両輪が不可欠です。これに対し「ランドスケープ学」は、自然環境と人の暮らしが調和した空間形成の知識・技術について長い歴史を有し、これらの課題に統合的・包括的・実践的に応えることができる唯一の学術領域です。
本研究は「レジリエント・ランドスケープ学」という気候変動時代の新たな空間形成理論・技術を創造することを目指します。日本の国立大学唯一のランドスケープ学専攻を持つ千葉大学がイニシアチブを取り、欧州のランドスケープ学を先導するフランス、イギリス、オランダ3カ国との国際共同研究により、気候変動災害への対応、生物多様性の回復、空間格差の是正の3つの課題にレジリエント・ランドスケープの観点から取り組みます。本研究では、世界最先端の具体的実践事例の国際比較分析を通じた新技術の創造と普遍化、技術課題の特定と克服、歴史的知見を踏まえた理論構築、実験的社会実装を柱に、気候変動時代に不可欠なレジリエント・ランドスケープ学という新たな学問領域と社会価値の創造に取り組みます。
「現代の名工」の株式会社近江綴園取締役会長 寺下弘 氏を招聘し、令和5年度戸定学術振興会講演会『社会・環境・時代の変化に向き合ってきた日本庭園』を開催しました。
ヴェルサイユ国立高等園芸学校との共同講演会『交差した視点 田瀬道夫×リュディヴィーヌ-日仏のランドスケープの対談-』を開催しました。
2023.11.17-20 International Symposiumの一環として、Prof.Henri Bava(フランスランドスケープアーキテクチャー協会会長)、Prof.Steffen Nijhuis(デルフト工科大学ランドスケープ部門長)と松岡延浩学部長(千葉大学園芸学学部長・研究院長)の意見交換会が行われました。
本研究プログラムに係るキックオフシンポジウムとして、Prof.Henri Bava(フランスランドスケープアーキテクチャー協会会長)、Prof.Steffen Nijhuis(デルフト工科大学ランドスケープ部門長)を招聘し、国際シンポジウム「Creation of Resilient Landscape Studies」を開催しました。
日仏会館・フランス国立日本研究所(Umifre 19 フランス外務省・国立科学研究センター)の主催、千葉大学国際高等研究機関の共催により、セミナー「近代ランドスケープ:日本とフランスの交錯」が開催されました。
本研究プログラムに係る国際交流のワークショップとして、本学の学術教育研究協定校であるフランス国立高等造園学校から、Sonia Keravel先生、水真洋子先生を招聘し「日仏国際WS(日本のランドスケープ文化について)」を開催しました。日仏交流ワークショップは、1000年以上の歴史と文化をもつ島根県にて行いました。
伊豆市との共催により、静岡県伊豆市土肥地区で地域住民と観光客(役)の共同津波避難訓練を実施しました。
松戸市との共催により、「江戸川・ふれあい松戸川の自然と川を考えるシンポジウム」を開催しました。シンポジウムでは、河川の自然再生と市民活動をテーマに、水域生態学や自然教育、かわまちづくり等に関して、各専門分野の講演者から日本全国の取り組みを紹介しました。
東洋大学志摩准教授に御協力いただき、インドネシア共和国ジャカルタ市で研究調査を行いました。調査では、ジャカルタ市の河川や都市農地に関わりのある不動産デベロッパー、河川当局、住民の方へのヒアリングや現地視察を行うとともに、千葉大学協定校のボゴール農科大学への表敬訪問を行いました。