科学コミュニケーションプログラム

教育目的

 科学・技術の応用が社会システムに不可分に組み込まれ、もはや科学の専門家だけで選択の善し悪しを決定できない規模になっています。たとえば、原子力、環境、コロナウイルス、BSE、遺伝子組み換え農作物、出生前診断などリスク及び倫理問題にも及んでいます。科学と政治(社会的意思決定)の交錯する領域である「トランス・サイエンス」は、科学によって問うことはできるが、科学によって答えることのできない領域で産業的利用を通じた経済的発展の基礎としての機能、利便性の提供者としての機能、さまざまな意思決定の正統性の根拠としての機能を理解する必要があります。そのためには科学コミュニケーションが必要です。

 本プログラムは、科学リテラシーにとどまらず、より幅広いコミュニケーション活動を視野に入れ、科学を市民に伝え、市民の科学リテラシーを高める手助けをすること、科学について市民がもつさまざまな思いを知り、科学者自身が社会リテラシーを高めること、科学・技術と社会の望ましい関係について、市民と科学者がともに考えていくことができるように学修することを目標としています。

 科学コミュニケーションに必要な科学の諸概念、哲学、倫理学、社会学、政治学、経済学などの諸概念を学修することで卒業後は、教員、公務員、さまざまな分野の企業などで活躍する人材の育成を目指します。

カリキュラムの特徴

 本プログラムでは、科学コミュニケーションの知識・技能を修得するため、<プログラム基礎>、<応用>、<実験・演習>、<総合>の4つのカテゴリーが設定されています。<プログラム基礎>では、科学論の基礎を学び、<応用>では、哲学、倫理学、社会学、化学、生物学、物理学などの基礎を学び、科学と社会関係を学びます。<実験・演習>では、科学や環境についての実験を行います。<総合>では、文学、政治学、コミュニケーション学、メディア、哲学、倫理学、社会学、宗教学などの関連学問を学修することで科学コミュニケーションに関連する諸分野の知見を深めます。

 なお、本プログラムの科目を履修するためには、本履修ガイドに記載されたLA専門基礎科目のうち、「科学論入門」をはじめとする科目が先修条件になっている場合が多いことに注意が必要です。先修条件は、次の修了要件に記載されているので、よく確認して下さい。先修条件に指定されているLA専門基礎科目は、春学期入学の場合、可能なら1年春学期、遅くとも1年秋学期までに履修して、単位を修得しておくことを強く推奨します。

修了要件

必修または選択必修を含め;

メジャー:合計32単位

マイナー:合計16単位

【Ⅳ 統合領域】11.科学コミュニケーションプログラム.pdf