環境学プログラム

教育目的

 地球温暖化や生物多様性の劣化といった人類の生存基盤を脅かす環境問題には、すべての人が取り組むことが求められます。環境学は、環境問題を考え、解決を目指す実際的な学問です。

 本プログラムは、環境や環境問題について基本的な知識を持ち、環境の保全に配慮できる技能や思考力、判断力を身につけ、持続可能な社会の構築を目指して主体的に行動できる人材の育成を目的としています。

 環境学は、「総合の学」と位置づけられ、あらゆる学問分野と関連します。例えば、地球温暖化についてみると、その原因の理解には自然科学や歴史が必要であり、対策をめぐる途上国と先進国の立場の違いは国際関係や国際協力であり、炭素税は経済的手法であり、普及啓発はコミュニケーションです。その意味で、環境学は最もリベラルアーツ学群にふさわしい学問といえるでしょう。

 また、環境問題は、あらゆる業種につながっています。例えば、食料品や衣料品は地球温暖化により価格が変動しますし、銀行や証券会社では環境に積極的に取り組む会社に優先的に投資しようという動きもあります。

 さらに、環境学を学ぶことは、実際の問題について、原因と結果のつながりを見いだす、さまざまな対策手法を企画立案する、対立する意見を調整するといった能力を磨くことにつながります。このような力は、社会に出たときに、どんな立場であっても必要とされるものです。

 近年発展の著しい環境関連ビジネスや、環境コンサルタント、公務員はもちろんのこと、さまざまな業種において環境学の学びは役に立つことでしょう。

カリキュラムの特徴

 本プログラムでは人文領域、社会領域、自然領域のどの分野からでも環境問題にアプローチすることができます。カリキュラムは科目を学修内容の難易度のレベル別カテゴリーに分け、学修の目的に合わせ選択し易い構成にしてあります。なお、環境学の特徴として、各科目は縦に積み上げていくよりも、横に広げていくカリキュラムになっています。

 また、環境問題を学ぶ上で重要な点は、「机上の学問だけではだめ」ということです。一部の科目や「専攻演習」では、フィールド調査や、環境問題の現場訪問など、実践的な経験の機会を提供しています。<調査手法>カテゴリーの科目も積極的に活用しましょう。

 科目の選択は自由ですが、環境学は総合的な学問ですから、ぜひ文系・理系の枠にとらわれず、幅広くさまざまな科目を履修しましょう。あえて例示すると、将来、企業を志望するなら「環境マネジメント論」、「環境リスク論」、「環境経済学」などを、行政やまちづくり関係の仕事を志望するなら「気象学」、「地球規模環境論」、「環境アセスメント論」などを、環境NPOを志望するなら「環境NPO・NGO」、「環境教育論」などを中心に学ぶとよいでしょう。

修了要件

必修または選択必修を含め;

メジャー:合計32単位

マイナー:合計16単位

【Ⅳ 統合領域】5.環境学プログラム.pdf