OPT九州2025 馬出に参加して
私は大学の共同利用施設で共通機器の維持・管理を主な業務としている技術職員です。機器類の中でも蛍光顕微鏡や共焦点レーザー顕微鏡などのイメージング関連を主に担当しています。学内より多くの研究者の先生や各研究室のテクニシャンの方からもご利用いただいており、初めてご使用になる方には取扱い説明や技術サポートも行っています。
最近は使用に際しての質問や疑問点などが多岐にわたり、技術の発展と共に操作が少なった分、説明する側もされる側も、お互いにその原理や理論を理解しないまま対応することが多くなっておりました。そうすると、やはり疑問が多くなり壁は立ちはだかります。光学系の知識と技術の欠如をひしと感じ、本当に私は顕微鏡というものを理解できているのか?これは本来の使用方法なのか?適切なサンプルとは?更には、こんな疑問だらけで利用者の皆さんからのニーズに応えられているのか?といった問題が自分の中に多く湧きあがり始めていました。解決のために様々なウェブセミナーなどを受講する中で、実習という形で顕微鏡の原理を学ぶことができるOPTを知りました。OPTは機器メーカーの講習とは違い、顕微鏡原理そのものを知ることができる実習形式の講習会です。ここにその答えがあるのではないか、何としてでも参加してみたい!と感じるようになりました。
私が今回参加したOPT九州2025馬出のサテライト開催は、オンデマンド講習の受講が必須です。講習は原理から最新の顕微鏡の紹介まで多岐にわたる内容で大変充実していました。1回だけでは難しくて理解できなかった部分もありますが、理解不足の箇所を繰り返して観ることができるのもオンデマンドのメリットで、私は何度も再生してメモを取り、計算などを試すことができました。
私は東京から他大学への参加という事もあり、少し不安な気持ちで九州まで飛び立ちましたが、現地サポートスタッフの皆さんの温かい出迎えにホッと胸を撫で下ろしたことを今でも思い出します。 いざ実習が始まると、各実習機にアシスタントの方がつきサポートしてくださいました。理解する事は簡単な事ではないと実感しつつも、今回の実習に参加した受講生の方や今回の開催者である九州大学の現地サポートスタッフの方々、TAスタッフの皆様には適宜お声がけいただき、大変助けていただきました。参加前には難解と感じていた光学系やレンズの原理、顕微鏡の仕組みについて、実際に手を動かすことによってより深く知り、学ぶことができました。そして、参加してすぐに顕微鏡を作製できるようにはなれませんが、原理を知ることで構成を基に考えることができるようになりました。
また、東京から参加した私にとって他大学の同じ技術職員の方々と出会い、同じ職種の方々に悩みを相談することができたのもとても大きな収穫でした。技術スタッフとしての仕事は機器対応だけではなく、人との繋がりでもあると新しい側面にも気付けたOPTです。先生方やスタッフの皆様には心より感謝しています。まだまだ学ぶ事はたくさんありますが、いつか東京でOPTのサテライト開催をできたら、と今後の新たな目標ができました。OPTは年間に数回受講のチャンスがあるかと思います(*1)。私のように壁を感じた方や更なる一歩を踏み出したい方にもおすすめです。迷っている時にこそ応募してみてください。きっと後悔はないと思います。
実習の様子(川上さんは右下のグループ)
集合写真
世話人(亀井)追記:東京からの参加ならびに感想文をありがとうございました。今回のOPT九州2025は技術職員の方が多く、ネットワーキングには最適でしたね。11月のバイオイメージング機器担当者フォーラムにも参加頂けるようなのでさらにネットワークを広げて頂ければと思います。
*1:注釈 岡崎本会の他にサテライト開催がありますが、サテライト開催の場合、受講対象者に制限がある時もありますので、各サテライト開催の受講対象などを確認して応募ください。