OPT受講者の声 (vol. 4) 2024.9.18記
九州大学 大学院農学研究院・学術研究員(受講時点)
八尋 逸清
(オンデマンド座学+実習2024.9.10-11 九州大学にて受講) 受講者の声に戻る
基礎から学ぶ顕微鏡光学系実習 OPT九州2024伊都に参加した感想
この度、私は運良くOPT九州2024伊都に参加することができ、多くの収穫がありました。開催していただきました九州大学のスタッフ方々をはじめ、講師として来訪された亀井先生には大変感謝をしております。
私はマサバやイワシなどの海産魚の生殖に関する研究をしており、受精卵をはじめ、精子の形態や卵巣・精巣の組織切片などの様々な大きさのサンプルを顕微鏡で観察しています。しかし、高校での理科実験の時に顕微鏡の使い方を習って以降、顕微鏡について学ぶ機会はありませんでした。大学の研究室に配属されて、より多くの調整機能が備わった顕微鏡を使うようになりましたが、特に使い方を主体的に学習することもなく、その調整は感覚的に行っていました。年次が上がるにつれて「こうすれば何かうまく行く!」といった経験だけは積み重なり、少しずつ狙った写真が撮れるようになりましたが、その背後にある原理については深く理解しようとはしていませんでした。今回、ホームである九州大学で本講習が開催されることを聞き、「基礎的な知識や原理をしっかり学べる機会だ」と思い、本講習の受講を希望しました。
今回の講習はオンデマンドでの座学講習と現地実習に分かれており、座学では光の性質からレンズの使われ方、照明方法やカメラの仕組みなどの基礎的な技術から、それら部品がどのように応用されているのかについて詳しく学ぶことができました。感覚的に操作していた開口絞りが実際にどのように分解能に影響を与え、なぜ観察像が変化するのかが理論的に理解できました。また、恥ずかしながら、これまで共焦点レーザー顕微鏡もカメラで画像を撮っていると勘違いしておりましたが、全く異なる仕組みで画像化されていることについても驚き、学べました。光学系組立実習では、フレンドリーな雰囲気の中で2人1組となり、顕微鏡の光学系を組立て、レンズや絞り、光源の配置などを変えて画像・画質や倍率がどのように変化するのかを体験しました。特に印象的だったのは、現在の顕微鏡がなぜこの仕組み(無限遠補正光学系)を採用しているのかを実際に体感できたことです。ガラス板を差し込んでも像は変化しないことが体験でき、さらに光学シミュレーションでの図解で納得できました。また、各組にスタッフの方が常に付き添ってくださり、疑問があればすぐに質問することができ、納得しながら作業を進めることができました。
今回の講習では、オンデマンド講義を時間がある時に受講でき、日頃忙しい方でも参加しやすく、無理なく知識を深めることができるなと思いました。どの内容も、もっと早く知っておくべきだったと感じるものばかりで、顕微鏡を使用する皆さんにはぜひ参加してほしいと思いました。
写真1 実習参加者集合写真[左から2番目が八尋さん](写真は主催者の資料)
世話人(亀井)追記:ABiS(先端バイオイメージング支援プラットフォーム)で相談されたことがきっかけでしたね。プレコンサルテーションでオンライン打ち合わせの際に、「顕微鏡をもう少し理解した方が良さそうだな。。。(失礼)」と感じて、ちょうどOPT九州の募集時期だったのでご紹介させて頂きました。八尋さんの感想からはお役に立てたようで良かったです。