当研究室について
当研究室について
山間地から沿岸海域への土砂輸送の連続性を重視する水系一貫の総合土砂管理においては,河川・沿岸一体の防災水理の専門学識が必要です.当研究室では、河海領域における水・土砂災害の学理を追求するとともに、安全・安心な防災社会の実現と減災技術の地域実装への貢献を目指します.
河口の堆積土砂は、河川の閉塞リスクを伴う一方で、塩水侵入の防止や砂浜海岸の維持に重要な役割を担います.このような水際地盤の力学機構の解明をメイントピックと掲げ、乱流水理学に基づく河川と沿岸域の融合研究を進めています.
沿岸水理現象は、流れと波が相互に作用する大変複雑な自然現象です.土砂の輸送は、乱流の生成と密接します.当研究室では実験水理学をベースに河海の乱流輸送メカニズムの解明に取り組んでいます.また風による河川の吹送効果や沿岸波浪の発達についても研究展開しています.さらに基礎実験と観測データを用いて、河川から沿岸域に流入する土砂や流木の動態予測に関する研究を実施しています.
ロボットボートやドローン型フロート等の新しい水域観測システム、次世代の水防災技術の開発にも取り組んでいます.防災水理の実装に向けて、産官学の連携研究を行っています.
・大潟波浪観測所の活用
当研究室は、新潟県上越市にある大潟波浪観測所を管理運営しています。近くには一級河川の関川があります。定期的な海浜計測や観測装置のテスト等に活用し、実際の波や流れの理解を深めています。
・実河川の活用
実験水路だけでなく、実河川におけるフィールド観測も行っています。淀川、桂川、宇治川など、オープンラボの近くを流れる大河川だけでなく、流木被害が頻発する中小河川も研究対象にしています。
・白浜海象観測所との連携
白浜海象観測所の協力の下、野外フィールドを利用した観測研究も行います。観測塔の見学,研究支援など、観測所のスタッフと定期的に交流しています。
・教育方針
学生自身が自由にアイデアを出しながら,積極的に取り組める研究環境作りを目指します.計測や解析技能の習得だけでなく,我が国の水防災をリードする研究者・技術者を輩出すべく,水理現象の本質を見極める力を涵養するための取り組みを行います. 豊富な水理教育の経験をもつ担当教員が,研究に必要な基礎水理学の知識を丁寧に指導します.