教授 池田 俊太郎
Mail : ikeda.syuntaro.6u[a]kyoto-u.ac.jp
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Room : 農学部総合館 N-350
准教授
Mail :
Room:
助教 本多 慎之介
Mail : honda.shinnosuke.4x@kyoto-u.ac.jp
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Room:農学部総合館 N-358
学生 大学院博士課程:5名
大学院修士課程:5名
学部生:3名
共同研究者:1名
家畜を含む、哺乳動物の増殖に関わる現象のなかで、特に受精から着床に至る胚発生の制御についてエピジェネティクスの視点から研究を進めています。また、精子や卵を形成する生殖幹細胞の分化と増殖の制御に関わるメカニズムの解明を目指して、細胞の分化・脱分化を制御するリプログラミングに関する研究も行っています。
精子と卵子は遺伝子発現を完全に停止した状態で受精します。受精後しばらくすると最初の遺伝子発現が始まりますが、この遺伝子発現のことを胚性ゲノムの活性化と呼んでいます。この遺伝子発現がどのようなメカニズムで制御されているかは良く分かっていませんが、近年この遺伝子発現制御にエピジェネティックな要因が大きく関わっていることが明らかになってきました。受精卵の遺伝子発現制御に関わるメカニズムを解析することによって、究極に分化した精子や卵子の核が全能性を持った受精卵の核へと変化していくリプログラムの過程、さらには受精卵から胎子へとさまざまな細胞へと分化する過程を明らかにすることで、生命の始まりについて理解を深めたいと考えています。
マウスの受精卵:受精後4日目の胚盤胞期胚
当研究室で新規に発見された Oog1 という卵母細胞特異的遺伝子は雌胎子の生殖細胞で発現を開始して、減数分裂の終了と同時に発現を停止しますが、その機能はいまだに明らかになっていません。減数分裂は生殖細胞に特異的な分裂様式であり、この時期に卵子で発現し、細胞質に蓄えられる物質は受精後の発生にとっても非常に重要な役割を持っています。そこでこの遺伝子がどのような役割を持っているかを、CRISPR/Cas9 システムを用いたノックアウトマウスを作製して解析を行っています。
Oog1プロモーターの制御下で光る受精卵と精子細胞
乳肉生産の高度化、気候変動や異常気象、生殖補助技術の適用等により、家畜の初期胚を取り巻く環境は多様化、複雑化しています。初期胚という、発生の極めて初期の段階の環境が、初期胚発生のみならず胎子発育、出生後の成長、行動、健康、疾病にも影響するという現象が明らかになっており、この現象にもエピジェネティクスが関与しています。哺乳動物の初期胚を取り巻く環境のエピジェネティクスを介した長期影響を明らかにし、家畜や実験動物をはじめとする哺乳動物の胚生産、さらには健康や有用形質の促進に応用することを目指しています。
ウシの母子と各組織のゲノム上のエピジェネティック修飾