基礎化学実験

実験テーマの解説


テーマ1     過マンガン酸カリウムによる酸化還元滴定

酸化剤として過マンガン酸カリウム標準液を用いて、還元物質(過酸化水素水、硫酸鉄水溶液)を滴定し定量する。この実験により酸化還元反応について学ぶ。

 

テーマ2    遷移金属錯体の可視スペクトル

水溶液中のCr3+イオンの可視領域における吸収スペクトルを測定し、配位子場理論により吸収帯の帰属を行う。d軌道間の電子遷移が遷移金属イオンの多彩な色の原因であることを学ぶ。また、有機色素の可視スペクトルを測定し   金属との発色の違いについて学ぶ。

 

テーマ3    電解質溶液の電気伝導率

電解質溶液の伝導率を測定し、溶質の無限希釈におけるモル伝導率を求め、その結果を利用して難溶性塩の溶解度を求める。


テーマ4    臭化アルキルの生成反応速度 

臭化水素とn-ブタノールからn-臭化ブチルが生成する反応を用い、反応速度定数と活性化エネルギーの求め方について学ぶ。

 

テーマ5    ルシフェラーゼとルシフェリンを利用したATP量測定

ホタル由来の酵素であるルシフェラーゼを用い、そのATP量を測定することで、基本的な生化学実験操作を学ぶ。さらに、生物化学分野で比較定量的な実験を行う際に議論する、有意差についても理解を深める。

  

テーマ6    アズラクトンの合成と同定

α-アセトアミノ-p-ニトロ桂皮酸のアズラクトンを合成し有機化合物の合成、精製の手順を学ぶ。また、得られた化合物と原料の赤外線吸収スペクトル(IRスペクトル)を測定、比較し、化合物の同定、並びに各吸収帯の帰属を行う。

 

テーマ7    ポリマー粒子の作製と粒度分布

懸濁重合により、ポリメタクリル酸メチルの粒子を作成し、得られた粒子の粒子径分布を調べ、その平均方法と平均値について学ぶ。