会長挨拶/実行委員長挨拶

会長挨拶

2023 年度大学行政管理学会 定期総会・研究集会の開催にあたって


一般社団法人 大学行政管理学会

会長 笠原 喜明


パンデミック宣言から3年余経過した今年の5月に、新型コロナウイルスが感染症法上の五類に分類されて以降の人々の行動パターンは一様ではありません。通勤以外に毎週二、三回、近場に出かける機会があるので、マスクを外している人の割合がエリアや、時間帯、曜日によってどう違っているか左右の指を折って数えているのですが、(あくまで感覚の話として)都心部に近く、平日であれば深夜、週末であれば日中から、若者を中心にマスクを外している人が多いように感じます。私はというと、五月の下旬にマスクのストックが切れたことを言い訳にして、最近は全くマスクをしていません(所持していません)。電車の中で周囲の視線が気になる時期もありましたが、今は100%読書に集中しています。

そんなこんなの中、早いもので、今年も研究集会がやってまいりました。昨年の成蹊大学での研究集会に続き、今回の文教大学での開催も対面と非対面のハイブリッド方式での開催となりました。ここに至るまでの会場校や研究・研修委員会等、関係者のみなさまの御尽力に心より感謝申し上げます。

さて今年の研究集会のテーマは、「高等教育の今を知り、激変する大学の未来を創る」です。昨年から今年にかけて、激変を感じさせる出来事がいくつもありました。2022年の日本人の出生者数は77万747人となり、国の推計よりも10年以上早い急激なペースで少子化が進行しています。人口減少は全国的な問題ですが、地方においてより顕著で、地域社会の維持が危ぶまれています。今後、急速に進む労働者人口の減少も同様に深刻で、原因が需要側ではなく供給側にある不足であるため、長期的不足が続くことになります。

大学業界に目を向けると、今年の3月に恵泉女学園大学が、4月に神戸海星女子学院大学が廃止を前提とした学生募集の停止を発表しました。苦渋の決断であったろうと推察します。各学校法人の決断の話を耳に挟む機会が増えたのも、この一年の特徴であった気がします。私の周りに限っても、法人間連携や学校間連携の相談を幾つか受けましたし、こちらから話を持ち込むこともありました。変革の流れはそのままに、スピードが一気に速くなってきているように思います。ダーウィンは進化論の中で「強い者、賢い者が生き残るのではない。変化できる者が生き残るのだ」と書いています。哲学者ヘーゲルは「変化しなければ進歩はない」という言葉を残しています。生物の種のレベルであれ、組織のレベルであれ、生き残るのは環境や状況の変化に順応し自らを変えることができる主体であり、それは大学にも当てはまることです。

そんな激動の時代に、我々は何をすべきなのでしょうか。大学としての判断に直接関与する立場の人もいれば、そうでない人もいるわけですが、どちらにしても正しい判断ができるように(正しい判断をしてもらえるように)準備しておくことが必須です。正しいプランを策定することにとどまらず、正しく実行する(正しい一歩を踏み出す)ことこそが生き残りの最善手であるわけですから。

最後になりますが、2023年度の研究集会に参加していただいたみなさまに、深く感謝申し上げます。今回の研究集会が、参加いただいた方々や、その所属する大学等の「未来」を切り開くことに少しでも役立てれば、準備に係ったすべての人の喜びに違いないと思うところです。


2023年6月

実行委員長挨拶

2023 年度大学行政管理学会 定期総会・研究集会の開催にあたって


実行委員長 青木 勉

                                          (学校法人文教大学学園 理事 

法人事務局局次長兼総務部部長)


このたび、文教大学東京あだちキャンパスを会場として、第27回大学行政管理学会定期総会・研究集会を開催いたします。会場校として皆様のご参加を心より歓迎いたします。前回、成蹊大学様で開催されました本会では、オンライン形式と対面形式を両方取り入れた形式で実施されました。成蹊大学様のご尽力に心より感謝申し上げます。2023年度の文教大学東京あだちキャンパス開催におきましても、成蹊大学様からの流れを引き継いで、オンライン形式と対面形式の両形式で実施いたします。

コロナ禍ではオンラインの取り組みが発展しました。これにより私達の交流の幅が広がり、遠方の方々との交流が大きく促進されたことは、とても素晴らしいことだと考えます。今後益々、オンラインを活用した交流活動は活発化していくものと期待しています。

一方、対面による交流によって、皆さんの熱い思いを直接肌で感じることも重要だと考えます。新型コロナウイルス感染症の分類が5類に変わり、私達の生活も新たな局面を迎えました。そのような中、今回は対面による懇親会も計画しております。是非ともこの貴重な機会に交流を深めていただきまして、皆様にとって新たな気付きや意欲、貴重な出会いが生まれることを期待しております。有意義な会となりますよう、会場校として尽力いたしますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

さて、今回の全体テーマは、「高等教育の今を知り、激変する大学の未来を創る」です。今後益々変化の激しい時代を進んでいくためには、今を正しく理解したうえで、向かうべき未来を定めていく推進力が必要であり、大学職員に求められる役割は大きいと言えます。これから何をすべきか、考える良い機会としていただければと思います。

研究集会では 1 日目にビギナーズナビゲーション企画、基調講演、ワークショップ、懇親会が、2 日目には分科会、研究・事例研究発表が、研究・研修委員会皆様のご尽力により準備されています。2 日間という短い期間ではありますが、皆様どうぞよろしくお願いいたします。

 最後になりますが、今回の開催準備にあたって、前回会場校の成蹊大学の皆様、研究・研修委員会の皆様、事務局校の皆様、学会市ヶ谷オフィスの皆様には大変お世話になりました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。



2023年6月