キャリアパスセミナー
Career Path Semianr
本キャリアパスセミナーは、分野を超えた広い視点を提供することで会員のキャリア形成の一助となることを目的としています。本大会では、「イノベーションはなぜ途絶えたかー科学立国日本の危機―」の著者である山口栄一先生をお招きしてお話を伺います。山口先生は本著の中で、近年の日本が直面しているイノベーションの不足について、その原因と解決策をエビデンスベースで分かりやすく述べられるとともに、独自に開発された“分野知図”を基にして米国がいかに同様の危機を乗り切ったか(SBIR制度の“発見”)、その中でいかに基礎研究がイノベーションに貢献したか、さらに“越境”がいかにイノベーションにおいて重要なのかを概説されています。本著は、今後、科学のマネジメントに関連する方には必読の名著であるとともに、我々基礎生物学研究者に気概と勇気、研究の発展性への視野を与えてくれるものです。本セミナーは、特に若手研究者・大学院生の方々には必聴です。オンラインであることを活かして、ぜひ周辺の方々も含めてご来聴ください。
*本セミナーについて、参加者による録画・録音等は禁じます。
*大会参加登録をされている方は、参加者専用ウェブページのキャリアパスページにzoomのリンクがありますので、そこから参加してください。大会参加登録をされていない方および学会非会員で参加希望の方は、ページ末尾の参加申し込みフォームよりお申し込みください。ご登録いただいた連絡先にzoomURLをお送りいたします。取得したURLの無断での拡散は禁じます。
文責:日本発生生物学会キャリア支援担当
演題:イノベーションの再生に向けて―「知」を「価値」に変える
21世紀日本におけるイノベーションと科学の同時危機がどのようにして起きたのか。それを、イノベーションの源泉に立ち戻って分析する。1990年代に世界的に起きた「大企業中央研究所の時代の終焉」の後、米国は「パラダイム破壊型イノベーション」を生み出すための新しいイノベーション・モデルとそれを具体的に創りだすSBIRという政策を「発見」してイノベーション生態系の再構築に成功した。いっぽう日本は、イノベーションの源泉に対する政策的洞察を怠って、イノベーション生態系の構築に失敗し、「漂流」した。その「漂流」は、21世紀に入ってから日本の科学アクティビティの衰退にまで波及して、この同時危機に発展した。この同時危機から脱却するために、イノベーション生態系をどのように再構築すればよいか。イノベーション・ダイヤグラムに基づいて、その具体的な処方箋を提案する。
-山口先生ご略歴-
1977年東京大学理学部物理学科卒業、79 年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修士修了、理学博士(東京大学)。98年までNTT基礎研究所主幹研究員、2003年まで社団法人日本経済団体連合会(経団連)21世紀政策研究所研究主幹、14年まで同志社大学大学院教授、20 年まで京都大学大学院教授、20 年より現職。5社のサイエンス型ベンチャー企業を創業。
主な著書 :『イノベーションはなぜ途絶えたか-科学立国日本の危機-』、編著『イノベーション政策の科学』(東京大学出版会、2015年)、編著『FUKUSHIMAレポート』(日経BPコンサルティング、2012年)、『JR福知山線事故の本質』(NTT出版、2007年)、『イノベーション 破壊と共鳴』(NTT出版、2006年)。
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