前回の太ももに続いて、今回はスネの作成の解説を行っていこうと思います。
青くハイライトしたスネの前部の形状ですが、押し出しただけでは単調で面白みのない形状となってしまうので、「勾配」や「ルールド」を用いた造形の仕方を紹介していきます。
まずは前回作成した側面視をベースに「スケッチ」を描き、ボディに「押し出し」を行いました。上部のブロックの側面に前方に向かって細くなるよう、「勾配」コマンドで前面を抜き方向とし、側面に15度の勾配を設定しました。
次に下部のブロックも前方および下方に向かって勾配をつけたいところですが、「勾配」コマンドだけでは上部ブロックと面をつなげるのが難しいため、ここで「ルールド」コマンドを使ってみます。
「ルールド」コマンドの「エッジ」で、先ほど作成した上部ブロックの側面の下側のエッジを選択します。「タイプ」を「方向」に変更し、「方向」で下部ブロックの側面のエッジを選択します。これによって、選択したエッジを方向にそって押し出したサーフェスが作成できます。
さらに「角度」を入力してあげると、選択した方向から任意の角度をつけたサーフェスを作成できます。今回は2度で内側に倒してあげました。
ルールドで作成したサーフェスを「延長」コマンドで前方に伸ばしてやり、下部ブロックの側面を「面を置換」コマンドで置換してあげると、上部ブロックとつながる面を作成できます。
上部ブロックの上側も同様、前方から見たときに側面が一直線になるようルールドで面を作成し置換しました。
スネの基本形状は「フォーム」を使用して作成しました。
「フォーム」でエッジを立てる方法としてわかりやすいのは「折り目」コマンドです。下図で、Alt+1で切り替わるスムージング無しの表示と、Alt+3で切り替わるスムージング有りの表示で、「折り目」コマンドを適用したエッジを強調し比較しました。「折り目」コマンドを適用したエッジがスムージングしても保持されていることが分かると思います。
効果のわかりやすい「折り目」コマンドですが、注意点としてはなるべく途中で止めず一周させることです。
下図の箇所がエッジを途中で止めて面にゆがみが出ている例です。折り目を付けたエッジに引っ張られて面が歪んでいるのがわかるでしょうか?最終形状はエッジを増やし形状をなだらかにすることで歪みを目立たなくしました。(上の画像と面構成を見比べてみてください。)
折り目を付けたエッジとなだらかな面をつなげるのは形状的になかなか難しいですが、一つの解決策をご紹介します。
下図の〇で示した箇所が完全なエッジではないですが、比較的小さなRとなってることが分かるかと思います。スムージング無しの状態で見てみるとエッジ間の距離がほぼないような構成となっています。このようにエッジを集中させると、スムージングしても折り目に近い形状にしていくことができるのです。
ダメ押しでエッジを追加してみました。さらにエッジが立っているのが分かると思います。ただやりすぎると、「折り目」をつけた時と同様、面が歪んでくるので、いい塩梅で調整することになるかと思います。
あとはこれまでの手法を使いディテールを入れていきました。
スネの形状を把握するのに苦労しましたが、うまく作れた時の達成感は凄いですね。最終的には思い描いた形状に近づけたと思います。
2021.11.26