今回は脚部の作成を解説していこうと思います。
まずは太ももからです。
胴体の作成と同様、手描きの側面視を描き、取り込みます。
胴体のベース形状同様、「フォーム」にて側面視を参考にベース形状を作成します。
また側面視からの「スケッチ」で装甲のアウトラインを作成します。今回は前面はフォームで作成した面を使いたかったので、フォームで作成したボディからはみ出すように大きめに「スケッチ」描いています。逆に後ろの面はスケッチからの押し出し面を使いたかったのでボディに収まるように描いています。
「スケッチ」からボディに「押し出し」し、「フォーム」で作成したボディと「結合」コマンドで交差をとれば基本形状ができました。
板厚1.5mmとするため、「シェル」で中身をくり抜いています。
内部のメカも同様に、側面視で「スケッチ」を描き、「押し出し」にて基本形状を作成しました。
メカ物でよくある、マルイチモールドの作成です。
まず、マルイチモールドを置きたい箇所に側面視から「スケッチ」を描きます。円の中の一本線が円周まで届いていないのは、この後のテーパーを見越しているためです。
このスケッチから「押し出し」形状を作成するのですが、ここで「開始」を「オブジェクト」にし、先ほど作成した内部メカの外側の面を選択します。そうすると、押し出しの開始位置を変更でき、内部メカの表面に押し出し形状を置くことができます。「テーパー角度」を-20degで設定してあげると円錐状の形状となります。
次にこの円錐形状をくり抜いていきます。くり抜き用のボディを、今作成した円錐状のパーツの天面から「押し出し」によって作成します。マイナス方向に押し出し、テーパー角度-20degで設定しています。このボディでそのまま「切り取り」をすると縁の幅が0の尖り形状となってしまうので、側面を「プレス/プル」コマンドで-0.5mmのマイナス厚みを付けます。そうすることで、縁の厚みを保ったままくり抜きを行えます。
中のマイナスモールドも作成していきます。先ほど描いた「スケッチ」の一本線を円錐形状の天面を開始位置として、マイナス方向にサーフェスに押し出します。(この作業はくり抜き前に行っています。)
押し出したサーフェスを「厚み」コマンドで0.5mmに厚み付けを行い、天面を「プレス/プル」で0.5mm押し込みました。最後に「勾配」コマンドでテーパーをつけて完成です。
この太もも裏のディテール入れについて「シェル」や「プレス/プル」を応用した方法を紹介していきます。
まずはベースとなる形状を「スケッチ」や「押し出し」を使用して作成します。
このベース形状からディテールを作成していくため、このボディを複製しておきます。
左側のブラウザのツリー上でボディを選択しCtrl+C/Ctrl+Vでコピー&ペーストを行うと「移動/コピー」のダイアログが表示されます。移動させる必要は無いので、そのままOKを押すことでその位置でボディが複製されます。この複製したボディに対し、「プレス/プル」で天面を0.5mm厚み、下面を2.5mmマイナス厚みします。
ここで、この形状の中をくり抜いて2個のディテールに分けるために、「シェル」を使用します。側面以外の面を全て選択し「内側の厚さ」を1.5mmとすると、選択していない側面から1.5mm厚で2個のディテールに分けることができます。
この手法のメリットとして、側面がベース形状と履歴を持っているため、例えば厚みでベース形状の側面の位置が変わっても、常に1.5mm厚のディテールが保持されるところにあります。最初に適当な大きさでベース形状を作っておいてディテールまで入れて、あとからベース形状の大きさを調整しても、ディテールを作り直す必要がなくなるということです。
ベース形状と同一側面の履歴を持ったディテールとなる。
下の掘り込みも同様に作成していきましょう。
ベース形状をいったん「面取り」しておき、同様に複製します。この複製したボディの側面を「プレス/プル」コマンドでマイナス厚みし、板状にします。上面もマイナス厚みしておきます。
ここでまた「シェル」を用いて、表面の3面以外を選択し「内側の厚さ」で0.5mmを設定してあげると、表面を基準とした0.5mm厚の板状の形状となります。このボディが「切り取り」用のボディになるわけですが、テーパーをつけるための保険で表面を厚みしておきます。
テーパー作成のため0.5mmの面取りをし、ベース形状から「切り取り」をしてあげるとディテールとして入りました。
他のディテールも同様に作りこんでいきました。
あとは胴体の作成と同様パネルラインの掘り込み等をしていきました。
Fusion360は履歴の修正もやりやすく、今回のようにディテールまで一気に入れてしまっても、工夫して履歴を組むことで、あとからバランス修正もすることが可能です。ぜひ意識して履歴を組んでみてください。
2021.10.15