箱の中に帰す

大越円香 MADOKA OKOSHI

本作は、IAMAS OPEN HOUSE 2020 オンライン展示で発表した「箱の中の猫〈身体〉を、観測〈表示〉する時」と対になっている。「箱の中の猫〈身体〉を、観測〈表示〉する時」では、『オンラインにおける、画面の向こう側の他者に対する身体の存在』をテーマに制作している。そして本作「箱の中に帰す」では、『物質としての身体』をテーマに制作した。両作は、どちらも自身の身体をハンドスキャナーでなぞることによって撮影している。身体をなぞることによる撮影は、存在の強調であると同時に、自身の存在確認のための行為である。

本作は2m×6m30cmの作品である。そのため、ハンドスキャナーの解像度では大きさに耐えることができない。しかし、それでいい。解像度の低さは近くで見ることの曖昧さを示し、皮膚という体の内外のインターフェースの機能性と情報の含有量をイメージさせることを試みた。「箱の中の猫〈身体〉を、観測〈表示〉する時」と比較して、物質として展示をすることで、制作を通した身体と情報の分解行為となり、皮膚という人間の表層的器官を観測することができる。


P R O F I L E

大越円香 MADOKA OKOSHI

1997 秋田県出身
2020 秋田公立美術大学ビジュアルアーツ専攻卒業


主な展示に、アートアワードトーキョー丸の内2020(東京駅行幸ギャラリー)、SHIBUYA STYLE vol.14(西武渋谷店)、個展「Unaccounted for “ “」 (GalleryTURNAROUND/仙台市)、IAG AWARDS 2019 EXHIBITION(東京芸術劇場ギャラリー1)、SHOWREEL~境界を行来するメディアアート~(秋田公立美術大学サテライトセンター/秋田市)、その他グループ展多数


2021年9月にKUNST ARZT(京都市)で個展「表層を観測する Observe the surface」を開催予定。


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