Concept
開発のシステム化について
1.課題達成型開発の有効性と重要性
事業では結果として望まれた姿との乖離が起こることがあります。
これは真に望まれる目的や目標、達成基準(要件)が不明確なことに起因する場合が多く見かけられます。
達成すべき基準が明確であるほど人、物、金がストレスなく活動でき満足な結果を得ることが出来ます。
このようにして問題を解決すべく用いられるのが課題達成型開発です。
効率に限らず事業体の発展性や独創性を活性化する要素である開発システムのご参考として自動車メーカーの事例をご紹介いたします。
2.課題達成型とは
現状から離れて「ありたい姿」だけを基準にすると本当に実現したい目標が明確になり実現されたときに満足できる結果を得ることができます。
目標と現状のギャップとして認識されるのが課題ですが、課題達成できる方法であれば、どのようなものでもよいというシンプルで自由な取り組み方法が課題達成型開発です。
この手法を可能とするためには、達成を判断するための基準が課題の成立条件を網羅し満足できる必要があります。
この基準(要件)を正しく策定することがキーポイントです。
3.要件(目標要件)
(1)範囲
目的を達成するために必要な人、物、金、技術などの事項が網羅されていることが必須です。
(2)構成
階層を設け可・否で判断された下層がすべて達成されたときに上層が達成されたと判断します。
(3)表記
「・・・であること」として使用時、運用時に要求される事項から一意的に定められます。
状況により変化する事項は要件になり得ないためです。
4.要件化のメリット
(1)目的の明確化と合意
業務運営でありがちな手段と目的を誤ることを避け、真に価値のある目的に経営資源を集中することができます。
(2)目標へのベクトル合わせ
業務は確度が高いほど、無理のない運営が可能になり効率が上がります。
特に企画段階で妥当性が検証されるため「必要なこと」に取り組む目標設定ができます。
(3)目標要件(必須とする達成レベル)
参画するメンバー、組織は明確なゴールに向かって既成概念に囚われることなく最善の手段を獲得する取り組みができます。
5.自動車メーカーでの事例
特定の自動車メーカー内だけでなく、自動車メーカー間でも共通言語として課題達成型開発は認識されている手法です。
活用例についてご紹介します。
(1)新型車の開発
自動車は部品点数だけでなく、多くのすり合わせが重要であり技術開発のみならず設備投資や購買、ロジスティックス等の間で生じる多くの矛盾に直面します。
この複雑な相互矛盾を局所最適ではなく全体最適で克服するシステム化された運営のツールとして用いられています。
(2)新技術(基礎、要素など)の開発
多くの場合、「出来たなりの開発」は、時間と金の無駄になってしまいます。
価値ある開発目的や目標が適切に設定され、さらに的確な達成レベルの評価が課題達成を可能とします。
(3)諸業務(社内システム改善など)
課題達成型の手法を同様に用いることができます。
6.ご提供したい内容
各業界の企業様に自動車メーカーの開発システムの手法からご有用なものをご活用いただけるように、実際の業務を題材として具体的にご理解いただく機会をご提供したいと考えます。
単なる情報ではなくスキルとしてご取得いただくことにより各社様で発展性のある内容としてご活用いただけることを目指します。