総合エレクトロニクスコースの学習教育目標

(2007年2月5日改訂・公開)

本プログラムは、「人に愛される人、信頼される人、尊敬される人」を育成する建学の精神の下、理工学部の教育理念である「学ぶ意欲と習慣を身につ け、自立的に物事を考え判断し、課題解決のために行動・チャレンジできる教養豊かで創造性に富む」電気電子エンジニアの育成を目指したものである。

総合エレクトロニクスコースは電気電子工学のハードからソフトまでの幅広い基礎知識を有し、人文科学、社会科学、自然科学、外国語、技術者倫理、エンジニ アリングデザイン等の学習・教育を通して多面的な角度から総合的に物事を判断する能力を備えたエンジニアの養成を目的とし、以下に示すA~Fの6項目から なる学習・教育目標を設定している。

A.電気電子工学全般の基礎知識とその応用力

数理法則、物理原理の基礎知識の理解を基に、エレクトロニクス技術を支える工学分野全般(ハードからソフトまで)の幅広い基礎知識を修得すると共に、これ らの知識を具体的な工学的問題に応用できる能力を養う。

A1:自然科学、情報処理の基礎

  • 自然科学で扱う現象を図や数式を用いてモデル化することができる。

  • 数学における諸問題を公式を用いて計算することができる。

  • パーソナルコンピュータ等、基本情報処理機器を用いて表や文書、プレゼンテーション資料の作成を行うことができる。

A2:電気電子工学の基礎

  • 電気回路や電磁界における現象を図や式を用いて表現することができる。また、それらに関する諸量を各種法則に基づいて導出することができる。

A3:電気電子工学の応用

  • システム制御、論理回路、電力の発生・伝送、電気機器、情報通信、光・半導体デバイス等の応用分野を適切な電気電子工学理論と関係付けること ができるとともに、これらの応用分野で実現させようとしている内容を説明することができる。

B.遂行計画に従って実行する能力

工学的基礎課題を理解し、計画に従って実行・解析する能力を養う。

B1:実験・実習課題解決法の立案

  • 与えられた課題に対して、適切な解決法を立案することができる。

B2:実験・実習課題の実施

  • 立案した計画に従って、工夫して実験、シミュレーションできる。

  • 使用する装置、器具の操作法を習得し、安全に使用することができる。

B3:実験・実習結果の解析・考察

  • 得られたデータを解析・考察することができる。

  • 理論との誤差等、実験の持つ不確定さを認識できる。

C.コミュニケーション能力

情報をまとめ、正しい日本語で報告書を作成し、口頭発表できる能力を養う。

C1:外国語の要約

  • 英語を中心とした外国語文章の大意を汲み取り、日本語で要約することができる。

  • 平易な英語を聞き取り、大意を汲み取ることができる。

C2:報告書作成、口頭報告

  • 第三者が理解できる日本語で文書・報告書を作成することができる。

  • 自分の考えあるいはグループの考えをまとめ、定められた形式に従って文書や口頭で第三者に伝えることができる。

D.技術者としての基礎的能力

技術者の社会的責任、科学・技術の安全性、経済性を考慮した技術と社会との関わりを自覚する能力を養う。

D1:技術者としての倫理観

  • 電気電子工学分野の技術者として、技術者倫理を理解し、説明することができる。

  • 様々な人間の価値観・感受性や精神活動を理解し、他者、他国の視点を尊重することができる。

D2:技術と社会との関わりの理解

  • 電気電子工学技術者として、科学・技術の安全性、経済性等を考慮した、技術と社会の関わりを説明できる。

  • 1人の技術者として問題解決に際しての価値判断基準を設定できる。

E.自主的、継続的に学習する能力

自ら新しい知識や情報を得て、自主的に継続的に生涯にわたって学習する能力を育てる。

  • 与えられた課題に対して必要な情報を自ら探し出し、修正を加えながら継続的に実践することができる。

  • 得られた結果に問題点があれば、自主的に修正することができる。

F.エンジニアリングデザイン能力

目標を達成するため、様々な観点から問題点を整理して有効な解決法を抽出し、計画・実行できる能力を養う。

F1:様々な条件下における実験・研究課題の遂行

  • 課題に付随している環境、経済、安全性を考慮し、課題遂行時における技術上の問題点を指摘できる。

F2:実験・研究計画の立案と共同作業

  • 課題の解決法をいくつか提示し、要求に適した計画をグループ作業を通じて立案できる。

F3:結果の検証

  • 計画を実行し、得られた結果が課題の要求条件を満たしているか、正しく評価できる。

F4:プレゼンテーション技術

  • 得られた成果を状況に適した形式で報告書およびプレゼンテーション資料としてまとめることができ、自らの意見を聴衆にアピールするプレゼン テーションが行える。

  • 質疑応答において、質問の意を汲み取り、適切に返答することができる。