初めての試みですので、子どもたちと一緒に作り上げるイメージで学びを進めています。
全13時間の単元構成です。
第1時間目は、どのような学びを目指すのかを教師が説明します。
キーワードは「自己決定」です。
問1 地層がしま模様に見えるのは、どうしてだろうか。(4時間)
結崎小・唐院小のボーリング試料から、地層のようすを紐解きます。
「鹿沼土」、「三原山」、「桜島」の火山灰を観察します。そこから考えられる火山灰の特徴は何だろう。
「化石」は古からのメッセージ。どんな種類の化石があって、そこからどんなことが分かるのでしょうか。
タブレット端末をフル活用
子どもの学びをサポートするツールとしての活用を目指しました。
クラスルームの授業には、学習するべき内容を投稿しています。
ただし、学ぶ順番や学び方は「自己決定」します。
動画資料や理解度チェック(確認の問題)を投稿します。
「学習の進め方例」も併せて示しています。
授業の初めには、「何を」「どのように」学ぶのかをスプレッドシートに入力しています。すでに先まで決めている児童も数人いました。
活動のようす
問2 地層はどのようにして、できるのだろうか。(3時間)
ペットボトルを使ったたい積実験です。
大きさの違う土が、どのようにたい積するのかを調べます。
たい積実験器を使った観察です。
運搬された土が、どのようにたい積するのかを調べます。
堆積岩を観察します。
この単元では、子どもの「自己決定」に基づく「個別最適な学習」と「ゆるやかな協働」による「学びの複線化」が行われています。
それを支えるためにICTを活用していますが、同時に理科室の環境整備も重要です。
「学びたいもの、がすぐ手に取れる」をキーワードに、理科室の環境を整えました。
問3 火山活動や地震によって、どんな大地の変化や災害が起こるのだろうか。(4時間)
調べ学習の始まる第9時の冒頭、板書やクラスルームを使って、「調べる視点」を示し、子どもたちが学習していく道筋について説明をしています。
クラスルームには、関係資料を投稿しています。
インターネット上に資料は豊富にあります。ここでは、「子どもたちが学びを深めるために必要なものは?」という視点で内容を吟味しておくことが大切です。
今回のまとめ方は、【①ノート、②スライド、③ドキュメント】から選択することができます。デジタルのデータは、共有ドライブを作成し、他者参照できるようにしています。もちろんノートでまとめいている子どもたちも閲覧することができます。
単元の終わりに
単元を終えて、子どもたちに、この「学び方」についてのアンケートを実施しました。
★この「学び方」のよかったところ
・自分がよく調べたいことを、自分のタイミングで調べることができる 。
・自分のペースで調べられて、ノートにまとめられたこと 。
・自分だけじゃ思いつかないことも友達とすることによって、新しいことに気づかせてくれる。
・学び方を選べる。
・「勉強」の意味が分かった。
自己決定できることのよさを感じているようでした。特に「勉強の意味が分かった」と答えた子どもに尋ねると、「自分から教科書やクラスルームの資料を活用したり、友達に話をしたりして、自分が問題を解決していくことが本当の勉強なのかと思った」ということを話してくれました。