〈UNDERGROUND CINEMA FESTIVAL 3〉にて『蟹牡丹』『サルビア姉妹』『破壊する光は訪れる』『GARNET』上映!東京、大阪、名古屋、京都巡回。
1991-95/8mmFilm 38分
出 演: 漆原貴子、都築智子、上田ユカリ、
福田夕佳、中山姉、中山妹
監督・撮影・編集・音楽・美術: 緑川珠見
協 力: 杉浦待彦、具志堅剛、吉田由紀子、中山規佐子ほか
< 作品紹介 >
母はそれとわからない程度に狂っている。
娘は母への愛情と憎悪の間で引き裂かれている。
母親を見る娘は合わせ鏡のように自分自身を怖れている。
赤い部屋、耳障りに笑う女、土を掘り続ける女…。
閉じ込められた小宇宙に拡がる鮮烈なイメージの連鎖。
< 作品解説 >
1991年に制作開始されたこの作品は、緑川の実質的なフィルム第一作である。
その当時緑川には映像化を暖めていたイメージがあったが、主役の母親役に適切な人を探す必要があったため、まだそれを撮り始める事は考えていなかった。
習作として階段を上るミニマムな作品を製作して行く過程で、その小品に出演の漆原貴子なら可能かもしれないという直感を得た縁川は、明確な脚本は無いまま簡単な絵コンテのみで『蟹牡丹』の撮影を開始した。
緑川の特質にストーリーを嫌うところがあり、(完全に好き嫌いの問題で、興味が持てないのだ。しかし『蟹牡丹』が完全にイメージ作品かというと、もっと奇妙な現実感がある)それによって作品は当然の事ながら難解なものとなった。
そのころ緑川は自分の為に映画を撮っていると公言しており、作品を公開することは苦痛であった。
他人に見せるということと自分のために作るという狭間で葛藤しながら撮影と編集は続けられ、一時は61分にまでなった作品もその後改訂が加えられ現在のバージョンとなった。