エンタープライズITを中心に、ITの様々なシステムの紹介をしてきました。ITのチカラを活用すれば、距離を超えてコストを抑えて、色々なことができると知っています。それでも私は、現地までクルマを走らせ、実際にFace to faceでお話をうかがうことにこだわりたいと思っています。
その理由は、いくつかあります。
初対面の方にお会いするから
テレビ会議システムなどITを使ったコミュニケーションの多くは、既にお互いを知っている場合には大きな力になります。しかし初対面の方を相手に、お互いに雰囲気を探り合い、心を開き合いながらお話をうかがうには向いていないと思っています。なんというか、とりこぼしてしまう情報が多いのです。
たとえば友人が相手なら、電話での声のトーン、LINEで送られてきた短文とスタンプだけから、相手の気持ちや言いたいことを察することができますよね。これって、友人のことをよくわかっているから、無意識に情報を補完しているのです。同じように、仕事仲間とのコミュニケーションにもSkypeなどテレビ会議システムは十分な役割を果たします。取りこぼす情報が少ないので、時間やコストを削減できるメリットの方がはるかに大きいのです。
一方で、補完する情報源を持たない初対面の方が相手の場合、情報をとりこぼすデメリットが大きくなります。それでもコストを考えれば、本来ならITのチカラを使うべきかもしれません。せっかく技術に明るいのですから。でも、技術に明るいからこそ、技術の限界も感じてしまう。だから私は、実際に会いに行くことにこだわります。
地域の空気を感じたい
新幹線や飛行機で行って、そこからタクシーで移動するという手段もあります。実際、商業的な依頼の場合はこの方法で取材することがほとんどです。自家用車に比べて低コストだし、事故や渋滞によるリスクも低く抑えられます。ただこの場合、東京から目的地までが、点と点でしか認識できないのです。
東京から徳島に取材に行った際には、名古屋を抜け、大阪を通り、明石から四国に入りました。それぞれの都市と目的地の位置関係を体感しながら移動できる訳です。現地に着けば、取材先やその周辺を走って回ります。観光ブログを書いて地域アピールをお手伝いしたいという目的もありますが、どのような環境のもとで活動されているのか、それを肌で感じる目的もあります。現地のスーパーなどにもよく立ち寄ります。空港からタクシーで目的地まで移動したのでは、感じられない現地の雰囲気を感じることができます。
ただ単にクルマで旅をしたい
実はこれも個人的には大きな理由です。正当化するような裏付けもないし、正当化する必要性も感じていません。好きなんです、クルマでの旅が。
それに、面白いと思いませんか? 関東からキャンピングカーで走ってくるライターって。私だけかな、面白がっているのは(笑)
東京で会うのでは、意味がない
「○○の東京大会があるんで、そこにいらしていただければ各地の関係者を紹介できますよ」というお話もよくいただくようになりました。でも、それも違うかなと思っています。確かに、東京に集まる機会に顔を出せば、色々な地域の方とお会いできるでしょう。でも、そのときの私は「東京で会ったたくさんの人のひとり」にしかならないでしょう。それに比べてその方のホームまで訪ねて行けば、「現場まで来た人のひとり」になれる訳です。たくさん、話をお聞かせいただける可能性はどちらが高いでしょうか。
それに、「○○東京大会」に顔を出せば、確かに各地の関係者にお会いできるでしょうけれど、それは案外閉じた世界ではないかとも感じています。活動していて、どこのイベントに行っても似た顔ぶれだなって思うことはありませんか? そのような事態に陥らないためにも、団体としてのつながりよりも個人のつながりをたぐって取材をする方が幅が広がっていくと考えています。そういう訳で、東京でつながりを広げるということに消極的なのです。
だから私は、キャンピングカーを自分で運転して、あなたの街までうかがいます。