第08回 まなばナイトレポート
第8回まなばナイトが開催されました。
テーマ:私が実務家教員になっても・・・・
今回は、熊本大学教授システム学専攻で「教育ビジネス経営論」を担当いただいている産業能率大学の古賀暁彦准教授と産業医科大学の柴田喜幸准教授の両先生にご登壇いただき、「私が実務家教員になっても・・・・」と題して、ご自身がサラリーマンから大学教員に転身されたお話やお悩み相談スタイルのワークショップを実施しました。
まず導入として、「実務家教員」とは何か、概論的に背景を説明いただきました。
大学の教員って、誰でもなれるのかという疑問で始まりました。なれる人は法で定められており、学位や研究、それに職務実務経験によっても採用される。また、専門職大学院では、理論と実務の架け橋を図りことを目的に3割以上を「実務家教員」にすると定められている。そこで採用が広まった。かつて、実務家教員は「実務経験に基づく知識」が期待された。しかし、これはうまくいかなかった。
経験を語るだけでは、大学の講義として数コマぐらいで話が尽きてしまうためであり、学問の文脈に沿って教えられる「教員」としての能力も求められるのが、「実務家教員」であるようでした。
また、社会人の教員が大学に求められるようになったのには、マクロな構造変化がみられるということにも触れられました。
大学が、中等教育(高校)までとは違う次元としてあった「高等教育(Higher Education)」から、中等教育の続きの「第三段階教育(Tertiary Education)」へと変わってきたとのこと。高校卒業後に「働く」のではなく、なんとなく大学来ちゃった。という若年層を受け入れる現状がある。そんな15~30才の若年層を「後期こども期」と表現することもあるそう。
このような「第三段階教育」に社会が求める人材も、工場がどんどん海外に出ていくなどの国内産業の変化により、「生産労働者」「事務労働者」から、飲食・サービス業を担うような「笑顔労働者」「感情労働者」にかわってきている。
そうして世間は変わったが、大学で教える人は変わっていない。研究者から教育者になってきた教員よりも、酸いも甘いも知り実務を泳いできた実務家教員が社会の変化から求められてきているのではないか。というお話でした。
そして、実務家教員となられたお二方が、どのようにキャリアを作られてきたかお聞かせいただきました。
大変興味深い体験談など、公開レポートでは書けないのが残念です・・・
休憩をはさんで「そうだ、古賀さん柴田さんに聞いてみよう!」のコーナーへ。
こちらもオフレコトークですので詳細は割愛しますが、質問はコンテンツから教育事業者の提案仕事にまつわるもの、自身のキャリアに関するものから両先生の転身に伴う変化
についてまでさまざまでした。暖かくも厳しい指導から笑いを誘うぶっちゃけばなしまで、大いに盛り上がりました。
最後に鈴木専攻長からクロージング。
ベテランではなく、プロフェッショナルでなければ。ベテランにはリピートオーダーが来るが、その理由の説明も、後身の育成もできない。第三者的に説明でき、結果仕事も得られる。そうでないと大学に来ても困るのではないか。
と、いつも通り、心に響く締めのトークでした。
古賀先生もメルマガで参加レポートを書いてくださっています。あわせてご覧ください。
vol.473:第8回「まなばナイト」参加記(eラーニングかもしれないBlog)
http://blog.goo.ne.jp/sanno_el/e/638759becbc37b66a9f5c1c20c6804b2