第48回まなばナイトレポート
「コロナ禍でのLMS対応」と「Learning TechnologyとAI」
2020年12月のまなばナイトは喜多先生をメインスピーカー、長岡さんをインタビュアーに迎えて、参加者からの質問を元にした対談、ミニ講演とグループディスカッションを行ました。
第1部は「コロナ禍でのLMS対応」というテーマで、みなさまから事前に頂いた質問にお答え頂く形で進行しました。
以下のような質問を元に、質問者からの補足なども交え議論されました。
管理者の立場として、ある意味今年はいろいろ大変だった面もあるので、教員や管理者の負担を軽減できるような機能や運用について聞いてみたい。
4月からのフルオンラインの対応をされてきて、「これを最初にしておけばよかったな。」もしくは、「こういう機能があればいいのに」と感じた機能はありますか?
どの大学も4月からオンライン授業がなされてきて、学生の学習データがかなり蓄積されていますが、そのデータを今後どう活かしていけばいいのか。
多くのLMSは、非同期型オンライン教育向けに機能が準備されていると考えています。今期、同期型オンライン教育が多くの大学や企業で実践されましたが、現状LMSの 良いor理想の 使い所・使い方を教えてください。
インフラ環境としてLMSが定着した感がありますが、コロナが落ち着いてからも多分その有用性から使われ続けると思います。その時に今後どのようなLMSの利活用が新たに考えられるでしょうか。
コロナで急ぎ、ICTを導入しなければならない機関が増えているが、オープンソースのシステムを利用するメリットは何か?Google ClassroomやBlackboard等と比較した優位性は何か?一方、デメリットとしては何がありそうでしょうか?
CTを活用した授業に慣れていない教員はまず、何からICTを導入すれば良さそうか?喜多先生が学内でMoodleの活用を推進してきた中でとっつきやすい(受け入れてもらいやすい)ICTの活用は、どのようなものがあるでしょうか。
4月にLMSを導入して、多くの教員がなんらかの形でLMSを使用しているが、近頃「なんでもかんでもLMS」「同期非同期おかまいなしにLMS」「集合対面授業しているのに出席確認はLMS」のような『LMS使ってみてます症候群』が発生しています。学生は混乱を極めている様子です。これはひとまず「使い始めだからよし、質はこれからだ」と寛大にしていようかな、と思っていますが、次のステップとしてはどのように介入したらよいでしょうか。
参加者のさまざまな体験と、そこから発せられる悩みがありありと出され、共感あり提案あり、なぜなんでしょうねと課題の背景を深堀したりと濃厚な議論が聞けました。
喜多先生としては、出てきた課題には工夫し調査し対処しているが、これが誰の何の役に立つのか分からない。何に困っているのかきかせてもらえると、何かヒントが出せるかもしれないとおっしゃられ、あぁごもっともと感じました。
第2部はフレキシブルですのでと、時間を延長して質問の背景にある課題を、他の参加者からの意見もいただきながら議論していきました。
第2部は喜多先生が取り組まれている「Learning TechnologyとAI」をお話して頂きました。
教授システム学専攻で来春より開講予定の新科目を準備されていて、AI、LA、ARの要素やこれまでの取り組み概説しながら、科目の構成に取り組まれていることをお話しいただきました。
修了生としては、時々追加される科目のなかでも、科目履修があるならぜひ受講したいと思いました。
グループに分かれてのディスカッションでは、これらの話題提供も受け、日頃のおなやみや改善アイデアについての議論がされ、発表タイムでも熱のこもったトークが繰り広げられました。
遅れて参加となった鈴木専攻長からも、発表の様子から皆さん大変楽しまれた様子でよかったとコメントをいただきました。
今回はリアル会場とのハイブリッド開催を計画していましたが、首都圏の感染拡大状況にかんがみ、オンラインのみの開催となりました。またリアルに顔を合わせての開催ができることを楽しみにしつつ、次回以降もまたよろしくお願いします。
熊本大学大学院教授システム学専攻同窓生 加地 正典