情報処理学会

高校教科「情報」シンポジウム2021

本シンポジウムは終了しました.350名超の皆様にお申込みをいただきました.ご参加くださいました皆様,誠にありがとうございました.また,アンケートへのご協力も誠にありがとうございました.

講演資料を公開いたしました.(2022/06/18)

テーマ

情報科教育の新時代を創る〜デジタルの日を記念して〜

趣旨

大学入学共通テストでは2025年以降「情報」が出題されることが決まった。また2022年度からは高校にて「情報Ⅰ」や「情報Ⅱ」を含む新学習指導要領に基づく教育課程が開始される。こうした変化は情報科教育における高大接続はもちろんのこと、情報科教育を通じてどのような資質・能力を育成するのかも含む議論へと発展することが予想される。学校現場では、情報科の授業を含むカリキュラム全体をいかに設計し、生徒の資質・能力を育成するかを検討することが期待されている。そこで本シンポジウムでは、上記のように情報科教育を取り巻く環境が激変していることを踏まえた上で、様々な視点から情報科の内容はどうあるべきかを議論する。

日時

2021年10月9日(土) 13:00‐17:00 オンライン

プログラムと要旨

13:00-13:10 オープニング
                      稲垣知宏(情報処理学会情報処理教育委員会委員長/広島大学)

13:10-13:50 新学習指導要領における教科「情報」の実施に向けて  
                      田﨑丈晴(国立教育政策研究所)


高等学校の新学習指導要領は令和4年(2022年)度から学年進行で実施となる.本講演では,「情報Ⅰ」実施までのスケジュールや,学習の基盤となる資質・能力のひとつとして位置付けられている情報活用能力の育成,学習評価,GIGAスクール構想や大学入試についての動向等,教科情報に関わる動向を確認しながら,新学習指導要領の着実な実施に向け行うべき準備について必要なことについて述べる. 

13:50-14:00 休憩

14:00-14:30 情報教育課程の設計指針と情報入試
                      萩谷昌己(情報処理学会副会長/東京大学)


2020年9月に公開された報告「情報教育課程の設計指針―初等教育から高等教育まで」(設計指針)は,小学校から大学共通教育・専門基礎教育の情報教育を体系化し,一貫した情報教育課程の設計指針・情報教育の共通の物差しを与えることを目標として,情報処理学会情報処理教育委員会の協力を得て日本学術会議情報学教育分科会により策定された.高校と大学の情報教育を含んでおり高大接続,特に大学入試における活用が期待される.本講演では,高等学校「情報Ⅰ」の各領域・項目に対して,設計指針の対応する各カテゴリ・項目を参照して問題作成の方針を検討する. 

14:30-15:10 情報教育を取り巻く静岡県の状況
                      塩﨑克幸(静岡県教育委員会/静岡県総合教育センター元所長)


静岡県教育委員会では,「静岡県『ICTを活用した教育』推進計画」等を策定し,県立学校への情報機器の整備や教職員研修等に取り組み,教職員への校務用一人一台パソコンの整備や教務支援システムの導入,タブレットPC等の配備も順次進めてきた.昨年8月にはICT教育戦略室を設置し,人材育成や環境整備等の施策を一体的に推進している.シンポジウムでは本県の教育情報化の取り組みの状況と今後の課題等について報告する. 

15:10-15:20 休憩

15:20-15:40 「情報Ⅰ」教科書の動向
                      井手広康(愛知県立小牧高等学校)


令和3年4月から5月にかけて,令和4年度より開始される「情報Ⅰ」の教科書(審査用教科書見本)が各教科書会社より全国の高等学校へ送付された.「情報Ⅰ」では,6つの教科書会社より計13種類の教科書が発行される予定である.本講演では,「情報Ⅰ」において必修となった「情報デザイン」「プログラミング」「データの活用」の3つの単元に焦点を当て,各教科書の内容を比較した結果について報告する. 

15:40-16:00 大学入学共通テスト「情報」試作問題・サンプル問題概観
                      中野由章(情報処理学会初等中等教育委員会委員長/工学院大学附属中学校・高等学校)


2025年度から大学入学共通テストで「情報」が出題される.それに対応し,大学入試センターは,2020年11月に試作問題(検討用イメージ),2021年3月にサンプル問題を公開した.本番試験同様の問題作成や点検のプロセスを経ていないため完成度は高くないものの,本試験に向けて非常に参考となるため,これらを概観する.また,1997年度の大学入試センター試験から出題されている「情報関係基礎」の過去問の活用についても触れる. 

16:00-16:15 休憩

16:15-16:50 フロアとの質疑応答
                      萩谷昌己・塩﨑克幸・井手広康・中野由章

16:50-17:00 クロージング
                      中山泰一 (情報処理学会教育担当理事/電気通信大学)

全体進行 遠山紗矢香(静岡大学)

参加費

無料

主催

情報処理学会 情報処理教育委員会、初等中等教育委員会

後援

文部科学省東京都教育委員会神奈川県教育委員会、埼玉県教育委員会千葉県教育委員会静岡県教育委員会全国高等学校情報教育研究会情報オリンピック日本委員会日本情報科教育学会日本産業技術教育学会教育システム情報学会日本教育工学会

ジョーシン2021 Task Force 

(実行委員会)

遠山 紗矢香(静岡大学)竹中 章勝奈良女子大学)、中野 由章(IPSJ初等中等教育委員長学院大学附属中学校・高等学校)、坂東 宏和(獨協医科大学)、和田 勉(長野大学)