ゼミナール

代資本主義制度の特徴の一つに、寡占ないし独占の傾向がみられるが、一般に不完全競争市場においては、市場を均衡させる価格という概念は意味のないものとなる。各時点で、価格をつけるのは産出物を売り出す企業であって、消費者は企業によってつけられた価格のもとで、どのような財をどれだけ購入するか、ということを決定するにすぎない。(宇沢弘文『経済動学の理論』(1986年、東京大学出版会)p.158、強調は引用者)
もし、経済理論がワルラス的な一般均衡理論だけであるとすれば、ヒックスのつぎの言葉は急所を突いているものである。すなわち、完全競争の仮定をみすてることは「経済理論にとって、きわめて破壊的帰結をもたらすに違いない」。(ジョーン・ロビンソン『異端の経済学』(宇沢弘文訳、1973年、日本経済新聞社)pp.169-170)
経済学の中では、「完全競争」という概念は思いきった抽象化でほとんど矛盾を含むようにすら見えるのに、これで市場経済の本質を捉えている。「完全競争」という概念には魅力以上のものを感じます。金子守、インタビュー「制度と認識の経済学の構築に向けて-金子守は何者か?」『経済セミナー』2013年10・11月号p.73、強調は引用者

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賀茂川の青鷺と黒猫