9. 摩擦音と破擦音

今回は,摩擦音と破擦音のスペクトログラム上の特徴について学習します。

9.1. 摩擦音

まず,サンプルファイル su_shu.wav をダウンロードし,Praatで開いてみてください。ここには「ス」と「シュ」の発音が含まれています。このファイルのスペクトログラムを見てみて,摩擦音がどのような特徴を持つか観察してみましょう。

スペクトログラム上で,どの部分が摩擦に相当するか,わかるでしょうか?

摩擦成分は,かなり高い周波数域まで現れることがあります。Praatのデフォルトの設定では,周波数の最高値が5000Hzになっています。設定を変えて,より高い周波数域まで表示させてみましょう。SoundEditor上部メニューの,Spectrum -> Spectrogram settingsで,View rangeの最高値を変えてみましょう。例えば,下の図は最高値を20000Hzにしたものです。(ただし,ナイキスト周波数に注意しましょう。ナイキスト周波数を超える値を最高値に設定することは,意味がありません。)

さて,「ス」と「シュ」の子音はどちらも摩擦音ですが,調音位置が異なります。このような調音位置の違いは,スペクトログラム上ではどのように反映されているでしょうか?「ス」と「シュ」を比べてみましょう。

9.2. 摩擦音と声帯振動

次に,サンプルファイル su_zu.wav を使って,無声と有声の摩擦音を比べてみましょう。どのような違いがあるでしょうか?

9.3. 摩擦音と破擦音

最後に,摩擦音と破擦音の比較をしてみます。サンプルファイル su_tsu.wav のスペクトログラムを見てみましょう。また,usu_utsu.wav を利用することで,母音間における摩擦音と破擦音の違いを見てみましょう。

日本語のザ行音は摩擦音で現れることもあれば,破擦音で現れることもあります。サンプルファイル uzu.wav は「ウズ」を何回か発音してみたもので,摩擦音で発音したものもあれば破擦音で発音したものもあります。聞いてみて,どれが摩擦音でどれが破擦音かわかるでしょうか?また,スペクトログラム上で両者を見分けることができるでしょうか?