9月11日

投稿日: 2010/09/10 1:27:25

今回は情報科学分野の初回という事で、一般的なPCを構成する重要なハードウェアのそれぞれに関して解説していきたい。

◆CPU

人に例えるならば脳にあたる部分で、もちろんComPUterの省略形である。

スペック表には2.4GHzなど振動数が表記されているはずである。そう、CPUは振動する事によって情報伝達系を実現する。

言ってしまえば携帯のバイブみたいなものである。携帯のバイブは振動する事で、メールが来たよ、電話だよというような情報を伝達する。

実際にはもっと複雑で、沢山のCPUを適切に配置する事で振動の伝達によりあらゆる演算処理を行う回路を形成している。

振動数が高いほど駆動音がうるさいため、PC購入の際は予算の許す限り、出来るだけ低い振動数のものを選択するべきである。

また2コアとか4コアという事を耳にする事もあるかもしれないが、コアとは人間でいう所の心臓であり、コアが多ければ多いほどPCの信頼性は増すと言える。

このような設計をフォールトトレラント設計と呼ぶ。

ところで、PCに関して言えばインテル社が殆どのシェアを握っているため、インテル=CPU=脳と考えてもらって差し支えない。

つまり、もし誰々にインテルが入っていたら・・・等というような反実仮想は、その人は脳無しであると侮辱するのと完全に同義である。

また、これと似たようなものとしてGPUがあるが、これは中国製のパチモンなので十分注意されたい。

念のため、パソコン購入の際は、店員に「この機種はGPUなんか使っていませんよね?」と確認しておいた方がいいだろう。

◆メイン目盛り

CPUが演算を行う際に基準となる目盛りを指定する。

PCのスペックをよく見てみると、2ギガとか4ギガとか書いてある事に気づくだろう。

これは目盛りの細かさを指定しており、当然これが細かければ細かいほど、より精密な演算が可能となり、解像度等も向上する。

なので、これに関して言えばやはりできるだけ数値の小さいものを選択したい。

ただ、最近は海外工場にて安価な労働力を利用し生産されるようになってきたため、年を追うごとに目盛りが大雑把になるような傾向がある。

メイン目盛りに関しては後からいつでも換装が可能なので、大きな目盛りのPCを購入してしまった場合は、後から最低でも256MB以下の目盛りに交換する事が望ましい。

◆ハードディスク

その名の通り堅い円盤状の物体である。信じて。

この円盤がCDのように激しく回転する事で、遠心力による強力な重力場を発生させる。

PCのスペック表には、おそらく500Gとか、700Gとか書いてあるだろう。

これらはそれぞれ地球の重力の500倍、700倍という意味である。

それだけではピンと来ないかもしれないが、ジェットコースターや飛行機の離陸時にかかるGは3G程度、F1のコーナーリングの際に5G程度、また100Gの元で修業すればフリーザが倒せる。

ハードディスクの内部でどれほど強力な力が発生しているかお分かり頂けただろうか。

ハードディスクの数値はそのPCのマシンパワーを表現しており、この値が大きければ大きいほど動作は軽くなる。

但し、動作の軽さと物理的な軽さは反比例するのでそのトレードオフを十分考慮した上で機種を選択する必要がある。

以上で述べたように、ハードディスクはいわばエンジンのようなものである。

エンジンに単気筒のものだけでなく2気筒、4気筒といったようなものがあるのと同様に、やはりハードディスクを複数に分けて利用する技術も開発されておりRAIDと呼ばれている。

ハードディスクにターボチャージャやスーパーチャージャ的なものが実装される日もそう遠くはないかもしれない。

それから余談だが、家庭用電源は通常交流電圧を利用しているため、直接PCを家庭用電源で繋いでしまうと1秒ごとに50~60回ハードディスクの回転する方向が変化してしまう事になる。

それではハードディスクの本来の力が発揮できず、その上マシンの寿命を縮めてしまう事になってしまうので、交流電圧を直流電圧に変換してから利用する。

PCの電源コードについている黒い箱(ブラックボックスと呼ばれる)がその変換を担っているので、重いからといって邪険にはせず、いつも感謝の気持ちを忘れないようにしよう。

◆入出力装置

マウスやらキーボードやらディスプレイやらといったような、インプットとアウトプットを司る機器群。

これに関しては解説の必要はないだろう。

最低限上に挙げた4つについて理解していれば、PCの仕組みは凡そ把握できるだろう。

つまり、ブラックボックスによって供給された電源を用いハードディスクが発生させる力を利用して、入力装置から与えられた命令をCPUがメイン目盛りを使いながら振動して計算し、出力装置に返すという流れである。

次回はこれら一連の流れ自体を統括・制御するシステムである、オペレーションシステムについて解説していきたい。