7月5日

投稿日: 2009/07/06 4:54:47

誰しも一度はカヌーをめっちゃ速く漕ぎたいと思った事があるだろう。

その際、気をつけるべきことは以下の三点だけである。

1.パドリング

2.ピッチ

3.郷土愛

以下、順に詳しく見ていこう。

尚、ここでのカヌーとは、フラットウォーターレーシングカヌーのカヤックシングルを指すものとする。

(参考)http://www.city.nagaoka.niigata.jp/kurashi/kokutai/kaijyou08.html

1.パドリング

パドリングとはパドルの扱い方の事であり、パドリングは更に次の3つのステップに分けられる。

すなわち、「キャッチ」「ストローク」「フィニッシュ」である。

まず、「キャッチ」であるが、これはパドル(オールじゃないよ!)で水を掴むステップである。

この際気を気をつけるべき唯一にして最大のポイントは、なるべく前の方の水を掴むことである。

なぜなら、一度に掻く水の量が、そのまま加速に直結するからである。

そのためには肩を自分の視界に入るくらい突き出す必要があるため、肩の可動域を広げておく必要がある。

次に「ストローク」である。

これは、パドルの着水後、水をかくステップを指す。

この時に気をつけることは二点で、それは水を逃さないということと、できるだけ速くかききるということである。

つかんだ水を逃さないという事は、パドルをしっかりと差し込み、更にストロークの軌道をブレさせない、というように言い換えられるかもしれない。

この感覚は、実際にこいでみないと分からないかもしれないが、実際、本当に水をしっかりつかんでいる時には、

腕の力だけで漕ぐことは難しく、足の踏ん張りと、キャッチの際に突き出した肩を引く力によって漕ぐ必要がある。

腕で漕ぐんやない、肩で漕ぐんや。

また、できるだけ速くかききるというのは、速く漕ぎたいのならば当たり前のことである。

ただし速くこぎきるということと、水をしっかり掴むということの両立こそが、最も難しいところである。

最後に「フィニッシュ」である。

これは、ストローク後、パドルを水面から抜き取るステップである。

注意すべきことは、静かに抜くことと、次の動きにつなげることである。

ここまでの流れを完璧にこなしたとしても、フィニッシュでその勢いを殺してしまえば全てがパー、台無しである。

せっかくつけた加速を極力殺さないよう、ストロークの軌道を維持しながら自然な動きでサッと抜かなくてはならない。

また、フィニッシュとはいうものの、実際には全然まだ終わっていない。

今度はすぐさま反対側のパドルのキャッチのステップに入る(実際にはフィニッシュとキャッチでの肩の突き出しはほぼ同時に行われる)ので、フィニッシュとキャッチがシーケンシャルに接続できるよう、重心を移動させなくてはならない。

2.ピッチ

ピッチとはパドリングのペースであり、例えばピッチ120といえば、一分間に120回1.の工程を繰り返すということである。

ピッチはもちろん基本的に速ければ速いほどいいが、どうしてもキャッチやストロークの所で気をつけるべきとした点とのトレードオフとなる。

ピッチを上げれば上げるほど、パドリング自体は疎かになってしまう。

速度の低いスタート時では、水を沢山掴もうとしても余りに重すぎて効率が落ちるため、短いストロークでピッチ数を極限まで上げ、

ある程度スピードが乗ってきたら、次第にストロークを長くし、ピッチ数を抑えるといった工夫が必要になる。

速さ=(掴んだ水量)×(ストローク長)×(ピッチ数)−(無駄な動きによる抵抗) といった感じだろうか。

3.郷土愛

これまで色々書いてきたが、実際これこそが、カヌーを速く漕ぐ上で一番大切なことだろう。

僕の地元では町おこしのためにカヌーがフィーチャーされ、結果気づけば自分も巻き込まれていた。

正直この種目は孤独で(二人乗り、四人乗りのもあるが、無駄話をするとメンバーにまじめにやれと言われるので好きではなかった)

チームメイトすら敵であり、勝ってもそれを共有できないためか達成感もなく、疲れるだけでやっててよかったと思うことは一度としてなかった。

特に、無駄に足腰を鍛えさせられたりするのが意味が分からなくて本当に嫌であった。未だに意味が分からない。

それでも当時止めずに続けていたのは、一重に三好町という町に対する郷土愛がそうさせていたのだろうと思われる。

そうでもなければこんなクソ競技やってられっかって話である。

以上の3点さえ確実におさえておけば、結構いいことあると思うよ。来世とかで。