6月23日

投稿日: 2009/06/23 17:13:27

この頃実験の時なんかに思うのが、因果関係の判定はとても難しいということである。

因果関係に関する錯誤には、次の2種類があるように思われる。

相関関係と因果関係を取り違えてしまう、これが第一のパターンである。

混同されがちな気もするが、相関関係と因果関係は似ているようで全く異なる。

相関関係は統計で簡単に(たぶん)判定することができるが、因果関係についてはそうもいかない(たぶん)。

A⇔C⇒Bならば、AとB自体に直接的な関係がなくても、AとBは強い相関を示すだろう。

つまり、二者に相関があっても、それらが原因と結果の関係になっているとはかぎらない。

例えば、「蚊に刺されている人は食欲がない」ということについて考えてみたい。

この文自体は強ち間違ってもいない…どころか結構良い相関を示しそうだが、両者の間に因果関係は恐らく成立しない。

では、これらの間に因果が無いことを科学的に主張するにはどうしたらいいか。

すぐに考えられるものとしては、至極快適な環境で蚊に刺されてみるということである。

しかし、これはたまたま食欲がなくなるのは夏バテのせいだという事を知っているから思いついただけに過ぎない。

一般に問題はもっと複雑である。

統計学みたく機械的に直接の因果を論じる手立てなんてものは、存在しないのではないだろうか。相関係数はあっても因果係数なんてものはない。

せいぜい思い浮かぶだけの条件を列挙して、できるだけ対照実験となるように心掛けるのが限界だろう。

他に若干怪しいものとしては、「モーツァルトを聴かせると美味しいみそカツができる」など、いかにもなものから

「二酸化炭素が増えて海水面が上昇している」など、社会的なコンセンサスをほしいままにしているものまで、さまざまな例が存在する。

それから、もう一つのパターンとしては、因果関係はありそうだが、どっちが原因でどっちが結果なのかよくわからないというものである。

例えば、「おっぱいが大きい子はモテる」とする風潮があるが、僕はむしろ「モテるからおっぱいが大きくなる」の間違いではないかと思っている。

本当はこの点に関してもっと掘り下げたいというかメインテーマに据えたかったのだが、学科の皆に引かれても仕方がないので今日のところは自重いたそう。

ところでこのA→B?B→A?問題を取り上げるのによく引き合いに出されるのは「卵が先か鶏が先か」という問題であるが、

本気でどっちが先か分かんない人はダーウィンに謝った方がいいと思う。

眠いお休み