いしかわ(2)

投稿日: 2009/11/11 12:59:32

(続き)

7月22日、大相撲名古屋場所11日目、琴欧洲は千代大海と、朝青龍は魁皇と、白鵬は結び(※5)で琴光喜との対戦が組まれた。

これらの取り組み(※6)に対して、我々の学科の相撲好きたちの見解は一致した。

われわれはみな琴欧洲、朝青龍、白鵬が勝つと予想した。

千代大海は9日目に朝青龍を破っているとはいえ、琴欧洲の調子を考えると琴欧洲有利は明らかだった。

朝青龍は魁皇に対して毎場所細心の注意を払って相撲を取り、そうされると魁皇はなすすべがなかった。

琴光喜は一敗だったが、相撲内容を考えると琴光喜の勝利を期待する名古屋のファンもその期待が裏切られることを覚悟せざるをえなかった。

我々の学科だけでなくほかの学科でもきっと見解は同じだったと思う。

しかし、すべて外れた。

琴欧洲はCSP(※7)を見事にくらい、朝青龍は魁皇の右上腕二等筋に投げられ、結びの一番では琴光喜が奇跡の舞を披露し(※8)白鵬は土俵を割った。

文句なしの万馬券(※9)である。みんなはびっくりして「これは日食によるものだ」と言ったりした。

日食とこの事件との関わりを物理的に説明しようとする人たちもいたようだが、結果は知らない。

(続く)

(※5)その日の一番最後の取り組みのことを結びの一番という。位の低い力士から先に相撲を取るので、横綱がいる場合、結びの一番は横綱の取り組みである。

(※6)相撲は対戦のことを取り組みという。

(※7)千代大海スペシャルの略。のど輪からの絶妙なタイミングの引き技のこと。

(※8)ふつうはこういう表現はしません。ご容赦ください。

(※9)相撲の取り組みに対して私の知る限りかけごとは行われていません。