chatgtpに聞いた。
米国は米軍の艦艇がイランから攻撃されたから、イランのタンカーを攻撃しました。これって国際法違反ですか?
はい。今回の事実関係を、国連憲章51条 → 自衛の必要性 → 比例性 → タンカーが合法的な攻撃目標だったかの順に判定してみます。
結論から言うと、私は**「米国によるタンカー攻撃は、国際法上かなり違法性が強い」**と判断します。特に、米国自身の説明がかなり不利です。
ここは ○(認められる可能性が高い) です。
9月5日、イラン革命防衛隊(IRGC)が米空母と駆逐艦に弾道ミサイルを発射したと米国は説明しており、米国側に人的被害はなかったものの、実際に米軍艦を狙った攻撃だったとすれば、国連憲章51条のいう「武力攻撃」に該当し得ます。国連憲章51条は武力攻撃を受けた国の個別的・集団的自衛権を認めています。
したがって、
イランの米軍艦攻撃 → 米国が攻撃を阻止するため軍事力を使用する
というところまでは、必ずしも違法ではありません。
ここが非常に重要です。
国際司法裁判所(ICJ)は、自衛権には
必要性(necessity)+比例性(proportionality)
が必要だとしています。これは国際慣習法上のルールです。
では今回、
イランが米軍艦にミサイルを撃った
↓
米国がイランのタンカーを破壊
という行為は「必要」だったでしょうか。
かなり疑問があります。
なぜなら、米国自身の発表を見ると、
「米軍艦は攻撃を回避した」
「米軍人に被害はなかった」
としています。
そしてさらに重要なのが、CENTCOM司令官の説明です。
「米艦2隻を撃ったなら、3隻を破壊してさらに大きな経済的コストを負わせる」
という趣旨を明確に述べています。
これは国際法上かなり問題のある発言です。
「次の攻撃を防ぐため」ではなく、「攻撃されたので相手に経済的損害を与える」
という意味に読めるからです。
ここも ×に近い と私は評価します。
ICJは過去に、今回と非常に似たケースを扱っています。
1988年、米国の軍艦USS Samuel B. Robertsがペルシャ湾で機雷によって大きく損傷しました。
米国はイランの石油プラットフォームを攻撃しました。
ところがICJは2003年の判決で、
その攻撃は自衛に必要だったとは認められず、さらに大規模な作戦は比例性も満たさなかった
と判断しました。
これは今回非常に重要です。
つまり、
「米軍艦がイラン側の攻撃によって被害を受けた」
だけでは、
「イランの石油関連施設を攻撃してよい」
とはならない、というICJの先例がすでに存在するわけです。
今回の方がさらに問題があります。
米国の説明では、
米軍艦はミサイル攻撃を回避
米軍人の死傷者なし
その直後にイランのタンカー3隻を攻撃
さらに9月8日には5隻を破壊
合計8隻
となっています。
そして米国は「必要ならイランの石油艦隊を破壊する」とまで警告しています。
これは個別の攻撃を止めるための限定的自衛というより、イランの経済力を削る軍事作戦に近づいています。
米国の最大の反論はここでしょう。
米国はタンカーについて、
IRGCやその代理勢力に資金を供給する「影の石油ネットワーク」の一部
だったと主張しています。
仮にこれが事実だったとしても、
「IRGCの資金源」=「軍事目標」
とは自動的にはなりません。
例えば、
イラン政府の税収になる
↓
軍事費にも使われる
↓
だからその税収につながる民間企業を全部爆撃できる
とはならないからです。
国際人道法では、攻撃対象が軍事目標となるには、単に敵国の経済に貢献しているだけでは足りません。
したがって、個々のタンカーが実際に軍事作戦に組み込まれていたのか、軍事的機能を果たしていたのかが重要になります。
ここが今回の核心だと思います。
国際法上、
自衛 ≠ 報復
です。
例えば、
イランが米艦を攻撃
↓
米国がイランのミサイル発射施設を破壊
↓
これ以上の攻撃を防ぐ
なら「自衛」と説明しやすい。
一方、
イランが米艦を攻撃
↓
米国がイランのタンカーを破壊
↓
「米国を攻撃したら経済的損害を受けるぞ」
となると、
懲罰・報復
という性質が非常に強くなります。
実際、今回のCENTCOMの公式説明には、
「If you shoot at two of our ships, we will impose an even higher economic cost」
という考え方が明示されています。
これは私が今回の合法性を低く評価する最大の理由です。
問題
判定
理由
イランによる米軍艦攻撃
○ 武力攻撃になり得る
弾道ミサイルによる攻撃
米国の自衛権
○ 原則あり得る
国連憲章51条
米軍艦への反撃
○ 条件付きで合法
必要性・比例性を満たせば
タンカー攻撃の必要性
△~×
米艦は攻撃を回避し死傷者なし
タンカー攻撃の比例性
×に近い
経済的報復の性格が強い
タンカー=軍事目標
△
IRGC資金源というだけでは不十分
「攻撃されたから報復」
×
自衛権は懲罰権ではない
総合判定
違法性がかなり強い
自衛権の範囲を超えた可能性が高い
特に重要なのは、ICJが2003年に「米軍艦への攻撃・機雷敷設」を理由とした米国によるイラン石油施設への攻撃について、必要性・比例性の観点から自衛行為とは認めなかったことです。
今回も「米軍艦への攻撃 → イランの石油関連船舶への攻撃」という構図なので、かなり似ています。
「イランによる米軍艦攻撃があったこと自体は、米国の自衛権を発生させ得る。しかし、タンカー8隻を破壊した今回の行為については、現時点で公表されている事実だけを見る限り、必要性・比例性を満たす自衛行為というより、経済的報復・懲罰に近く、国際法違反となる可能性が高い」
です。
そして、もう一つ非常に面白い問題があります。
米国が「タンカーはIRGCの資金源だから合法的な軍事目標だった」と主張した場合、国際人道法上、本当に「軍事目標」と言えるのか。
ここをさらに突っ込むと、**「民間タンカーを軍艦のように攻撃してよいのか」**という、今回の問題のかなり核心部分に入ります。
核心部分をお願いします。
はい。ここはかなり明確に整理できます。先ほどより一歩踏み込むと、「タンカーがIRGCにお金を渡している」という米国の説明だけでは、国際人道法上の攻撃目標にはなりません。 これが核心です。
なお、最新情報を確認すると、9月5日時点で米国は3隻、9月8日までにさらに5隻を攻撃し、計8隻を攻撃したと報じられています。米国はこれらをIRGCの「shadow network」に属するタンカーと説明しています。
国際人道法の基本は、
民間物は攻撃してはいけない。軍事目標だけを攻撃できる。
です。
軍事目標とは、単に「敵国にとって重要なもの」ではありません。
ICRCが整理している国際人道法上の基準では、
その物が軍事行動に実効的に貢献している
その破壊・拿捕・無力化によって、その時点で具体的な軍事的利益が得られる
という両方を満たす必要があります。これは国際慣習法上のルールとされています。
ここが非常に重要です。
仮に米国の主張どおり、
タンカー → 石油を運ぶ → 石油代金 → IRGCの活動資金
という関係があったとしても、
「IRGCに資金が流れる」だけでは軍事目標にはなりません。
ICRCは2026年の中東情勢について、まさにこの点をかなり明確に説明しています。
戦争遂行を単に財政的に支援するだけの物は、合法的な攻撃目標ではない。
という考え方です。
つまり、
「戦争を支えている」
と
「軍事行動に直接・実効的に貢献している」
は違います。
あります。
ここは注意が必要です。
海上戦争についてのサンレモ・マニュアルも、
敵国の商船は、軍事目標の定義を満たす場合に限って攻撃できる
としています。
例えば、
普通の石油タンカー
イランの石油を外国に運んでいる。
その売上の一部が結果として政府やIRGCの予算になる。
→ 原則として攻撃できない。
タンカーがIRGCの軍事作戦に直接使われている
例えば、
軍艦への燃料補給
軍事物資の輸送
ミサイル・兵器の輸送
軍事作戦のための特殊な輸送任務
など。
→ 軍事目標となる可能性が非常に高くなる。
タンカー自体が軍事作戦に組み込まれている
例えば、
「このタンカーを破壊することで、現在進行中のイラン軍の作戦能力を具体的に低下させる」
ことが明らかな場合。
→ 軍事目標になり得る。
つまり、問題は
「誰のお金になるか」
ではなく、
「その船そのものが現在の軍事行動にどのように貢献しているか」
です。
米国は「shadow fleet」「IRGCの資金源」と説明しています。
しかし、それだけなら、
「IRGCの軍事作戦に直接使われていたタンカーだった」
という証明にはなりません。
ここには大きな違いがあります。
たとえば、
日本企業が政府に法人税を払う
↓
政府が自衛隊の予算に使う
として、
「その日本企業の貨物船は軍事目標だ」
とはなりません。
それを認めてしまうと、戦争当事国の経済活動のほぼすべてが軍事目標になってしまいます。
米国自身の説明では、今回の攻撃は
「米軍艦を攻撃したイランに、より大きな経済的コストを負わせる」
という性格を持っています。
そして実際に、米軍艦へのミサイル攻撃の後、タンカーを攻撃しています。
ここから、
米艦を攻撃した
↓
イランの経済に打撃を与える
↓
今後米国を攻撃しないようにさせる
という懲罰・抑止の論理が見えてきます。
しかし国際人道法では、
「敵国に経済的打撃を与えたい」
だけでは民間物を攻撃する理由になりません。
これは今回の判断で非常に重視すべきところです。
1988年、イラン・イラク戦争中に米軍艦USS Samuel B. Robertsが機雷で大きく損傷しました。
米国はイランの石油プラットフォームを攻撃しました。
米国の主張は、
「米軍艦が攻撃された → 自衛権によってイランの石油施設を攻撃した」
というものでした。
今回と非常によく似ています。
そして2003年、国際司法裁判所は米国の主張を認めませんでした。
ICJは、
自衛権を主張するなら武力攻撃の存在を示さなければならない
攻撃が必要だったこと
攻撃が比例していたこと
攻撃対象そのものが正当な軍事目標だったこと
を米国が示す必要があるとしました。
そして最終的に、米国によるイラン石油施設への攻撃について、自衛行為として正当化できないと判断しました。
私はこう判定します。
問題
判定
米軍艦へのミサイル攻撃
イランによる武力攻撃と評価できる可能性が高い
米国に自衛権が発生
○
イラン軍のミサイル施設等への反撃
条件付きで○
IRGCの軍事輸送船への攻撃
軍事目的を立証できれば○
IRGCへの石油輸送に使われるタンカー
個別事情による
IRGCに石油収入が流れるタンカー
それだけでは×
「イラン経済に打撃を与える」目的
軍事目標性を作らない
米軍艦への攻撃に対する「報復」としてタンカー攻撃
かなり×に近い
仮にタンカーが軍事目標だったとしても、それで攻撃が自動的に合法になるわけではありません。
さらに、
比例性
と
攻撃時の予防措置(民間人被害の最小化)
を満たさなければなりません。
今回、米軍は乗組員に退船を命じてから攻撃したと報じられています。これは民間人保護の観点ではプラスです。
しかし、
「乗組員を逃がしたからタンカーを爆破してよい」
ということにはなりません。
まず、
そのタンカー自体が合法的な軍事目標だったのか
をクリアしなければならないからです。
今回の問題を一言で言えば、
「米国はタンカーを破壊する前に、そのタンカーが単なる『敵国の経済活動』ではなく、国際人道法上の『軍事目標』であることを示さなければならない」
ということです。
そして現在公表されている米国の説明が、
「IRGCの資金源である」「shadow fleetである」
という程度にとどまるなら、私は
と判断します。
さらに、「米軍艦を攻撃したから経済的コストを負わせる」という目的が実際の攻撃理由なら、自衛ではなく報復・懲罰に近づき、さらに法的に厳しくなります。
これは、2003年のICJのOil Platforms事件が示した考え方ともかなり整合します。
したがって、現時点での私の評価は、
「イランによる米軍艦攻撃は違法性を問われ得る。一方、それに対して米国がタンカーを攻撃したことは、タンカーが具体的に軍事行動に実効的に貢献していたことを米国が立証できなければ、国際人道法上の違法攻撃となる可能性が高い」
です。
そして実は、ここからさらに一段深い問題があります。
今回の米国によるタンカー攻撃は、単なる「個々のタンカーへの攻撃」ではなく、報道によれば米国がイランの石油輸出そのものを海上封鎖によって大幅に制限している状況の一部です。
そうなると次は、**「米国によるイラン海上封鎖そのものは国際法上合法なのか」**という問題になります。これはタンカー8隻の問題より、さらに大きな国際法上の問題です。
米国によるイラン海上封鎖そのものは国際法上合法 ですか?
はい。**現在の状況を前提にすると、私は「米国のイラン海上封鎖は、国際法上かなり重大な問題があり、現状の説明だけでは合法とは評価しにくい」**と判断します。
ただし、ここは「封鎖だから違法」という単純な話ではありません。海上封鎖そのものは、戦時国際法上、一定の条件を満たせば合法です。 問題は、今回の米国がその条件を満たしているかです。
これは重要です。米中央軍(CENTCOM)は7月14日、「イランの港・沿岸地域への出入りを封鎖する」と明確に発表しています。4月13日~6月18日にも封鎖を実施し、140隻以上を進路変更させ、9隻を無力化したとしています。
つまり、単なる経済制裁ではなく、**米海軍による軍事的な海上封鎖(naval blockade)**です。
国際人道法では、海上封鎖は原則として認められています。
しかし、かなり厳しい条件があります。
代表的な基準は、
正式に宣言されている
封鎖区域・開始時期などが明確
実効的(effective)である
中立国の船舶にも公平に適用される
中立国の港へのアクセスを妨害しない
民間人を飢えさせることを目的としてはいけない
民間人への被害が軍事的利益に対して過大になってはいけない
というものです。ICRCも現在、同じ原則を説明しています。
したがって、
海上封鎖=違法
ではありません。
ここからが核心です。
米国は明確に封鎖を宣言しています。
したがって、
「秘密裏に封鎖しているから違法」
という問題ではありません。
米国は実際に艦艇を配置し、船舶を停止・進路変更させ、従わない船舶を攻撃しています。
つまり、実効性についてはむしろ十分すぎるほどあります。
ここは米国側に有利です。
ここです。
海上封鎖は戦争をしている国家が敵国に対して行う戦時措置です。
ところが国連憲章2条4項は、原則として国家間の武力行使を禁止しています。
例外は大きく二つです。
① 国連安保理が武力行使を承認した場合
② 51条の自衛権
です。
つまり、
「戦争中だから封鎖してよい」
ではありません。
その戦争そのものが合法でなければならない。
これを国際法では、
jus ad bellum(武力行使に訴えること自体の合法性)
と、
jus in bello(戦争を行う際の戦闘方法の合法性)
を分けて考えます。
ここが非常に重要です。
ここが今回の一番難しいところです。
仮に、
イランが米軍艦を攻撃した
↓
米国には自衛権が発生した
としましょう。
それでも、
「だからイランの石油輸出を止めるために海上封鎖してよい」
とは自動的にはなりません。
自衛行動には必要性と比例性が必要だからです。
海上戦争についてのサンレモ・マニュアルも、国連憲章51条による自衛権には必要性・比例性の制限があると明記しています。
これがタンカー攻撃よりさらに大きな問題です。
例えば、
日本のタンカーがイランから石油を買う
とします。
米国が、
「イランの港から出てきたから停止せよ」
と命じる。
日本船が拒否する。
そして米軍が武力を使う。
これは単なる
「米国 vs イラン」
ではなく、
「米国 vs 日本船舶」
という問題まで発生します。
戦時国際法では中立国の船舶には強い保護があります。
ICRCも、武力紛争中であっても中立国の船舶・国家の権利を尊重しなければならず、海上封鎖には厳しい制約があると説明しています。
例えば、
イラン籍の軍事補給船を止める
なら、かなり合法性を説明しやすい。
しかし、
イランの港に出入りする全船舶を止める
となると、
中立国の船舶の航行権との衝突
が発生します。
サンレモ・マニュアルでも、封鎖は原則として中立国の船舶にも一定のルールに従って適用されますが、封鎖区域・対象・手続きなどが厳格に定められています。
ここが私は一番問題だと思います。
報道によれば、現在の米国の封鎖によってイランの原油輸出は大幅に減少しており、米国の封鎖がイラン経済に非常に大きな影響を与えています。
つまり実態として、
米海軍による封鎖
↓
イランの石油輸出停止
↓
イラン政府の収入激減
↓
軍事能力・国家経済を弱体化
という作戦になっています。
これは単なる「米艦を守るための防御」からかなり遠くなっています。
ここも重要です。
海上封鎖そのものが合法でも、
民間人を飢餓状態に追い込むことを目的とした封鎖は禁止
されています。
また、封鎖によって民間人への被害が軍事的利益に比べて過大になる場合も禁止されます。
サンレモ・マニュアル102~104項は、この点をかなり明確に規定しています。
したがって、
「イランの石油収入を完全に断って政府を経済的に崩壊させる」
という目的なら、民間人への影響が非常に大きくなった場合に重大な国際人道法上の問題になります。
現在公表されている事実から、私はこう評価します。
問題
判定
米国が封鎖を宣言した
○
封鎖が実効的
○
戦時国際法に封鎖という制度がある
○
イランを敵国として封鎖すること自体
条件付きで○
米国の武力行使自体に合法な根拠があるか
大きな問題
自衛権だけで長期間の経済封鎖を正当化できるか
かなり疑問
中立国の船舶を止める場合
非常に厳しい条件
民間経済への大規模な打撃
比例性の問題
民間人の生活必需品まで妨害
違法となる可能性が高い
今回の米国封鎖の総合評価
合法性に重大な疑義
実は現在、国際法学者の間でも今回の米国封鎖について、
「封鎖のやり方が合法か」
と、
「そもそも米国が封鎖を行うこと自体に法的根拠があるのか」
を分けて議論しています。
ある分析では、米国の封鎖が戦時国際法上の技術的条件を満たす可能性はある一方、国連憲章上の武力行使の根拠がなければ、封鎖そのものが違法になると指摘されています。特に国連憲章42条は安保理が平和維持・回復のために「blockade」を採用できることを明示しています。
つまり、
と
は別問題なんです。
私は現時点では、
米国によるイラン海上封鎖は、戦時国際法上の「封鎖」という制度そのものには適合し得るものの、米国が現在行っている武力行使の国連憲章上の根拠が十分に認められなければ、封鎖そのものも違法になる可能性が高い
と判断します。
そして今回特に気になるのは、米国が単に**「イランからの攻撃を阻止する」のではなく、実際には「イランの石油輸出を止め、経済的コストを負わせる」**ことを明確に戦略目標としている点です。米中央軍司令官も「米艦2隻を撃ったなら、さらに大きな経済的コストを負わせる」と発言しています。
ですから、先ほどのタンカー攻撃と合わせて考えると、
① 米軍艦への攻撃 → 米国の自衛権
↓
② タンカー攻撃 → 報復・経済的懲罰の疑い
↓
③ イラン石油の海上封鎖 → 経済戦争としての性格
↓
④ 中立国船舶まで巻き込む → 第三国の航行権の問題
という、どんどん大きな国際法上の問題になっています。
特に次に検討すべきなのは、**「ホルムズ海峡は国際海峡なので、米国がそこを封鎖することにはさらに特別な制約があるのではないか?」**です。
ここはかなり重要で、**国連海洋法条約(UNCLOS)の「通過通航権」**が絡んできます。ホルムズ海峡について調べると、今回の米国封鎖の合法性をさらに厳しく評価できる可能性があります。
ホルムズ海峡は国際海峡なので、米国がそこを封鎖することにはさらに特別な制約があるのではないか?
ホルムズ海峡であることは、米国による封鎖の合法性をさらに難しくする重要な要素です。
ただし、少し意外なのは、「国際海峡だから戦時には絶対に封鎖できない」わけではないことです。
核心は、平時の海洋法(UNCLOS)と、武力紛争時の戦時国際法が重なって適用されることです。
国連海洋法条約(UNCLOS)38条は、国際海峡について、すべての船舶・航空機に「通過通航権(transit passage)」があり、それを妨害してはならないとしています。しかも39条では、船舶は継続的・迅速に通過できることが前提です。
さらに決定的なのが44条です。
海峡沿岸国は通過通航を妨害してはならず、通過通航を停止することはできない。
つまり、ホルムズ海峡のような国際海峡では、
「安全保障上の理由だから、船を全部止めます」
という通常の海峡沿岸国による措置は、基本的に認められません。
ここが面白いところです。
戦時になっても、国際海峡の通過通航権が当然に消滅するわけではありません。
戦時国際法についてのサンレモ・マニュアルは、
武力紛争が始まっても、国際海峡における通過通航権は原則として継続する
としています。
しかも、
交戦国の軍艦
中立国の軍艦
商船
航空機
について、国際海峡の通過権を認めています。
これはかなり重要です。
つまり、
「戦争になったからホルムズ海峡を閉鎖できる」
とはなりません。
ここで話が複雑になります。
戦時国際法には**海上封鎖(blockade)**という制度があります。
したがって、
国際海峡だから絶対に封鎖禁止
ではありません。
しかし封鎖は、単なる経済制裁とは全く違う軍事行為です。
そして封鎖を行うには、
武力紛争との関係
封鎖の合法的根拠
必要性
比例性
中立国の権利
民間人への影響
などが問題になります。
さらに、国連憲章42条は、安保理が国際平和・安全の回復のために必要と判断した場合、海上封鎖(blockade)を含む軍事措置を決定できると明記しています。
ここまでを今回のケースに当てはめると、私はかなり厳しく見ます。
米国が、
「イランを封鎖する」
としてホルムズ海峡を実質的に閉鎖し、
日本、中国、インド、韓国などのタンカーまで停止させる
のであれば、これは単なる「イランとの戦闘」ではありません。
第三国の船舶の通過通航権・航行の自由に直接介入することになります。
そして、その第三国が米国と戦争をしていなければ、なおさら問題が大きくなります。
これは日本にとってかなり重大です。
例えば日本のタンカーが、
サウジアラビア → ホルムズ海峡 → 日本
と航行するとします。
米国が、
「イランを封鎖しているから、この船を止める」
と言った場合、
「日本船だから米国が自由に止めていい」
ということにはなりません。
むしろ、
米国による封鎖措置と、日本の中立国としての航行権が衝突する
ことになります。
サンレモ・マニュアルも、国際海峡では中立国の船舶にも通過権があるとしています。
ここは先ほどの回答を少し修正・精密化したいところです。
例えば、
米国がイランの港を封鎖する
これは典型的な海上封鎖の問題。
米国がホルムズ海峡そのものを塞ぐ
これは、
海上封鎖+国際海峡の通過通航権
という二重の問題になります。
Bの方がはるかに難しい。
なぜなら、ホルムズ海峡を通る船は、単にイランに出入りする船だけではないからです。
世界各国の船舶が国際航行のために使用する海峡だからです。
UNCLOS 37~44条は、まさにこのような国際海峡について特別な通過制度を設けています。
ここはNOです。
戦争状態になれば、海峡の法的地位と交戦国の権利との関係が非常に複雑になります。
例えば、
米国とイランが合法的な国際武力紛争状態にある
↓
米国がイランの軍事物資輸送を阻止する
↓
そのために海上封鎖を行う
という場合には、戦時国際法上の合法性を主張できる余地があります。
ただし、
「ホルムズ海峡を通る全船舶を止める」
となると話は別です。
特に、
中立国の商船まで一律に止める
なら、非常に厳しい法的問題になります。
結局、最初の問題に戻ります。
です。
米国が、
「イランから米軍艦が攻撃された。だから自衛権を行使している」
と主張しても、
自衛権=無制限の戦争権
ではありません。
必要性と比例性が必要です。
もし、
限定的なミサイル攻撃に対する自衛
を口実に、
イランの石油輸出を全面的に停止させる海上封鎖
まで拡大するなら、
「自衛に必要な範囲を超えた武力行使ではないか?」
という非常に強い疑問が生じます。
ここまでを整理すると、
米国の行為
国際法上の評価
イラン軍の攻撃を受けた
米国の自衛権が発生する可能性 ○
イラン軍事施設への限定的反撃
条件付きで ○
IRGCの軍事作戦に直接使われる船への攻撃
条件付きで ○
イラン港湾の限定的封鎖
戦時法の条件を満たせば可能性あり
ホルムズ海峡全体の封鎖
非常に厳しい
中立国商船の一律阻止
重大な問題
日本船を止める
日本の権利との衝突
イランの石油輸出を経済的に破壊することが目的
自衛権としての必要性・比例性が強く疑われる
はい。ホルムズ海峡が国際海峡であることは、米国の封鎖に対して「さらに特別な制約」を課します。
特に重要なのは、
UNCLOS 38条:通過通航は妨害してはならない
UNCLOS 44条:通過通航を停止してはならない
という原則です。
ただし、戦時封鎖という別の法体系があるため、「国際海峡だから封鎖は絶対違法」とまでは言えません。
むしろ今回の本当の争点は、
「米国が正当な自衛戦争の当事国なのか」
→「その戦争で海上封鎖を行う必要性があるのか」
→「中立国船舶を止めることが許されるのか」
→「ホルムズ海峡の通過通航権をどこまで制限できるのか」
です。
そして私は、現在公表されている米国側の説明だけから判断すると、ホルムズ海峡全体を実質的に封鎖することを「自衛権」で正当化するのはかなり難しいと考えます。