2026/07/07(火)
AIで米国企業が競い合って巨大投資をしています。これは絶対知能を最初に持った企業が世界の知的分野を握って、世界中の富と権力を集めることができるから、自分がそうなろうとしている競争なのですか?
私は、その見方にはかなり本質を突いている部分があると思います。ただし、「絶対知能を最初に作ればすべてを独占できる」というより、**「圧倒的に優れたAI基盤を先に築いた企業が、莫大な利益と影響力を得る可能性が高い」**という競争だと考えています。
現在のAI投資が巨大なのは、その期待があるからです。
従来のIT企業は、
検索
EC
SNS
クラウド
など、それぞれ得意分野がありました。
AIは少し違います。
もし非常に優秀なAIができると、
プログラマー
弁護士
医師の補助
会計士
教師
翻訳者
デザイナー
研究者
など、多くの知的業務を支援できるようになります。
つまり、
「知的労働全体」が市場になります。
この市場規模は非常に大きく、だから各社が競っています。
ここは少し違うと私は思います。
インターネットでも
検索
SNS
EC
クラウド
は一社ではありませんでした。
AIも同じで、
AIモデルを作る会社
半導体を作る会社
データセンターを運営する会社
AIアプリを作る会社
など、役割が分かれる可能性が高いでしょう。
ですから、「世界中の富を一社が独占する」というより、複数の企業が非常に大きな利益を得る構図になると見ています。
企業が恐れているのは、
**「勝つこと」より「負けること」**です。
例えば、ある企業がAIで大きく生産性を高めれば、競合企業はコストや開発速度で不利になります。
そのため、
「儲かるから投資する」
だけではなく、
「投資しないと取り残される」
という面も非常に大きいのです。
AI投資が今後も続けば、
電力需要
半導体需要
データセンター建設
送配電設備
への投資も続く可能性があります。
一方で、AIへの期待が過熱しすぎると、どこかでAI関連株の調整が起こることもあり得ます。
歴史を振り返ると、
蒸気機関
電気
自動車
インターネット
はいずれも社会を大きく変えました。
ただし、その技術が世界を変えたことと、最初に注目された企業が最後まで勝ち続けたことは必ずしも一致しません。
たとえばインターネット時代には、初期の有力企業の中には姿を消した会社もあり、一方で後から台頭して巨大企業になった会社もあります。
AIでも同じ可能性があります。AI自体は社会を大きく変える可能性が高い一方で、「現在の勝者が10年後も最大の勝者か」はまだ分かりません。
ですから投資家としては、「AIは長期テーマ」と考えつつも、「どの企業が最終的に勝つか」は慎重に見極める姿勢が大切だと考えています。