KETpic(Kisarazu Educational Tpic)とは,LaTeX文書に数式処理ソフトで作成した図を挿入することが できるマクロパッケージであり,現在はMaple版とMathematica版が開発されています. ダウンロードや詳しい解説は公式ページ に譲ることにして,こちらではMathematica(ver.6)版KETpicについて紹介します.
TeXファイルと同じフォントが使用できる.
数式処理ソフトの力があるので,正確な長さの直線や曲線が描ける.
アクセサリーを付けたり,改変がけっこう簡単.
基本は白黒で授業時にプリント配布しやすい.
こちらのサンプル(pdfファイル)をみてください.
インストール
公式ページ内のダウンロードページから, 最新のKETpic for Mathematica Ver. *.* Package をダウンロード・解凍をし,KETpic本体(ketpic6.m)をMathematicaが読み込めるフォルダに移動する.私は C:\Program Files\Wolfram Research\Mathematica\6.0\AddOns\Packages\内にKETpicフォルダを作り,そこに「.m」 ファイルを移動した.
作業用フォルダの作成
作業用フォルダを作成する(どこでもよい).ここでは,例えば,Cにtexfilesと言うフォルダを作成しておく. さきほどダウンロードしたパッケージから,sample.texを作業用フォルダC:\texfilesに移動する.
図ファイルの作成
下記のサンプル(pdf)から, 作ってみたい図のファイルをダウンロードして,作業用フォルダC:\texfilesに入れる(他のファイルはある便利だが,今回は使わない). たとえば,1.nbと言うファイルをダウンロードしたとしよう.1.nbをMathematica ver.6で開き,実行する.すると, 作業用フォルダC:\texfilesに新しくfig1.texと言うpicture環境で得られた.
注 2行目の Get[ "KETpic\ketpicapp6.m"]は不要なので削除してください.また,エラーメッセージが出てきますが, とりあえず実行できるはずなので,そのままにしておいてください(解決策をご存じの方は教えてください).
コンパイル
sample.texファイルを開き,\input部分を書き換え,必要に応じて, \usepackage部分を追加する.
\documentclass{jarticle}
\usepackage{amsmath, graphicx, color}
\newlength{\Width}% KETpic特有のコマンド
\newlength{\Height}%
\newlength{\Depth}%
\newcommand{\bd}[1]{\mbox{\boldmath$#1$}}% よく使うコマンド
\newcommand{\Fbox}[1]{\fbox{$#1$}}%
\begin{document}
\input{fig1.tex}
\end{document}
コンパイルすれば,sample.dviと言う図つきのTeXファイルが作成できる.
注 最近はKETpicパッケージと言うのがあるらしい. 公式ページ内のダウンロードのtexmacro のketpicstyleF20100917.zipに ketpic.styと言うスタイルファイルがあるので,しかるべき 場所(私の環境では C:\tex\share\texmf-local\tex\)にそのファイルを移動させるだけ. プレアンブルに\usepackage{ketpic}を追加すればよい.KETpic特有のコマンドを入力する 必要がなくなるのがメリットだ.
注意とお詫び
基本的に自分用の備忘録なので,うまくいかなかった場合に質問されても,ちゃんとした返答を得られないかもしれません.
2008/12/17作成,2013/1/24更新