院 試
Postgraduate exam
Postgraduate exam
大学院 (鶴見キャンパス) への進学・受験を考えている方へ
(注意)以下の情報は鶴見キャンパスに関する内容です。八景キャンパスの大学院を希望される方は、該当するページをご覧ください。上記をクリックすると、なぜか「警告」が出てしまうのですが、横浜市大内のページに誘導されます。
出願の際、どこをどのように希望すればよいのでしょうか?
当生命医科学研究科は、少し特異な形態をとっており、横浜市立大学の研究室だけでなく、理化学研究所、産業技術総合研究所、国立医薬品食品衛生研究所など外部の研究室も含んでいます。受験の対象となる研究室については、このサイトをご覧ください。
このサイト内で「教授」「准教授」と記載されている教員は横浜市立大学の専任教員であり、「大学院客員教授」「大学院客員准教授」と記載されている教員は理化学研究所などの外部の教員です。希望する研究室を、これら 4 種類の教員の中から選びます。学内・学外推薦の場合は 1 名の教員を選びますが、第 1 期 (第 2 期、第 3 期) 募集では、最大 3 名まで希望を出すことができます。その場合は 3 人からそれぞれ配属許可を受けておいてください (メール文書のプリントアウトを願書に同封する必要があります)。
興味のある教員の研究内容については、各教員のウェブサイトをご覧ください。公式サイトは少々簡潔ですが、研究室が独自に作成したサイトにアクセスできる場合もあり、そちらで詳細な情報を得ることができます。
「部門」や「研究室」の区別が少し難しいかもしれませんが、基本的には教員個人を選ぶという視点で考えていただくとわかりやすいです。客員教員の研究室を受験し合格した場合、研究はその教員が所属する研究所(理化学研究所など)で行いますが、授業は鶴見キャンパスで受け、修士号は当大学院のものとなります。遠方の研究室に配属された院生は、オンラインでの受講となる場合もあります。
どの院試システムを受験すればよいのでしょうか?
学内推薦
(出願締切: 2025 年 6 月 4 日、試験日: 2025 年 7 月 5 日)
横浜市立大学理学部の 4 年生で、一定の単位を取得している方が対象です。八景キャンパスの研究室に所属しながら、鶴見キャンパスの研究室を希望する場合も含まれます。希望する教員から推薦を受け、合否は成績 (GPA) と面接点の合算で決定されます。専願です。
学外推薦
(出願締切: 2025 年 6 月 4 日、試験日: 2025 年 7 月 5 日)
他大学の学生や、すでに大学を卒業された方が対象です。すでにその研究室で何ヶ月か研究を行ってきた方が多いですが、そのように規定されているわけではありません。熱意が伝わり、その教員が「学外推薦」での受験を承諾するケースもあります。そのためには、少なくとも早めに教員にコンタクトをとる必要があるかもしれません。ここでも推薦は希望する大学院の教員から受けることになります。専願に限ります。合否は英語資格試験の点数と面接点の合算で決まります。英語資格試験は、TOEFL、TOEIC、IELTS、英検などの公式成績証明書 (原本のみ) を指します(※ 自宅で受験するような TOEIC-IP オンラインのスコアは受け付けておりません)。面接との合算で合否が決まりますので、この英語資格試験が足切りになっているわけではありませんが、およその目安としまして、TOEFL で 500 点以上、TOEIC で 600 点以上が望ましいと個人的には思います。
院生の数に制限はあるのでしょうか?
1 人の教員につき、各学年につき 3 人まで(あくまで原則であり、例外もありえます)指導を受けることができます。学内・学外推薦のメリットはここにあります。これらの場合、試験日が第 1 期(第 2 期、第 3 期)募集の試験日より早いため、希望する研究室に入れる可能性が高いです。定員に達しているかどうかは、教員に直接問い合わせてください。なお、募集要項にはトータルとしての募集人員数が載っていますが、当大学院は優秀で熱心な受験生には高い評価を与えたいという希望を持っています。
点数の高かった人の第 2 希望と、点数が低かった人の第 1 希望のどちらが優先されるのですか?
点数が低かった人の第 1 希望が優先されます。これは奇妙に思えるかもしれませんが、合格と決まった人の中で、成績順に第 1 希望から順に研究室を決めるためです。これにより、合格したが希望した研究室に入れなかったケース(保留合格)が生じることもあります。その場合、他の空いている研究室を紹介しますので、それらの教員とコンタクトをとって所属研究室を決めていただくことになります。もちろん、すでにどのような研究に取り組みたいかの希望がかなり固まっている方もおられますが、ちょっと異なった分野でもより深く知ってみると面白いと思うことも多々あり、できれば実際に足を運んで研究室を見学し、教員と直に話し合ってみることをお勧めします(遠方で難しい場合はオンライン面談なども可)。
第 1 期募集 (出願締切: 2025 年 7 月 9 日、試験日: 2025 年 8 月 2 日)
学内推薦、学外推薦の後の試験となりますので、各教員の定員が埋まりつつあります (少し定員数上限が緩和されましたので、特定の研究室を強く希望する人は、その教員にお尋ねください)。試験日は、英語の試験が午前中、面接が午後に行われることが多いです。TOEFL などの英語資格試験スコアも応募書類に同封することができます。詳細は上記の学外推薦に書かれていることと同じですが、大きく異なる点があります。それは、当日(午前)に受けた英語試験と比べた上で良い方のスコアが採用されるという点です。これまで 9 割以上の受験生が両方を申請しているようです(当日、体調が悪い場合もありますし)。一方、学外推薦の場合、当日の英語試験はなく、逆に英語資格試験スコアの提出が必須となります。
英語試験の出題内容は?
毎年、4 題の問題が出題されます。最初の 3 題は英文和訳、残り 1 題は和文英訳です。過去問を参考にできますが、題材として「Essential 細胞生物学」や「細胞の分子生物学」の原書が多く使われています。90 分で 4 問ですから量が多いように感じるかもしれませんが、逆に量が少ないと、自分のあまり知らない生物分野から出題され、大きくスコアを落としてしまう可能性も上がります。興味深いことに、このような教科書の英文と TOEIC などの英語資格試験とは傾向が少し異なります。前者は専門的な単語が多いが表現は理系の文章に限定されているのに対し、後者では聞き取りなども含め、かなり会話的な要素が増します。どちらが得意かは人によりますので、当大学院はどちらか高いスコアの方を選ぶという方式を採用しています。
面接で尋ねられる内容は?
面接時間は質疑応答も含め 20 分程度です。最初の 5 分間程度で、これまでの研究内容を述べていただきます。ここでは原則として図がありません。したがって、口頭だけで自分の研究を分かりやすく説明できるかが重要です。願書と同時に「小論文(志望理由書)」とよばれる文書を提出することになっています。それがこの 5 分間での説明の中身になるとお考えください。このような小論文を書く前に下記の項目について、箇条書きでもよいのでまずは簡単に回答を書いてしまい、その後でそれをどんどん拡張するような形で小論文(志望理由書)のフォーマットを埋めていくとよいでしょう。5 分間の説明で、これらを順を追って分かり易く説明できればよいです。
背景:その研究内容について、これまで世界的研究では、どこまで解明されているか?
目的:その先として、何が分かっておらず、それを今研究しているのか?
方法:どのような方法を使っているのか(使う予定か)?
結果:どのような結果が出ているのか?あるいは、今後出てくれると期待しているのか?
考察:この結果は何を意味するのか?もし、違う結果が出てしまった場合は、どのように解釈しなおすのか?
展望:入学できたら、どのような研究をしたいか?あるいは、志望教員との話し合いを通して、どのような研究内容が予定されているのか?
何を質問されるか?ですが、実は面接教員も事前に決めているわけではありません。たいていは、受験生が説明した内容についてさらに詳しく尋ねられます。あるいは、あまり関係のない生物学の基礎知識を問われることもあるでしょう。
私の大学には卒論研究がないのですが。
大学学部によっては卒業研究のための単位がなく、そのため 4 年生で研究室に配属されても何かのテーマをもとに卒研をおこなうわけではない場合もあります。その場合、上記の「背景」~「考察」で話す内容がなくなってしまいます。その場合、どのようにすればよいでしょうか?教員は、各学生が学部時代にしっかりと学習を行い、大学院に入ってからは希望をもって研究に専念するという姿勢を求めています。つまり、講義であっても、どのような内容に自分が興味をもったのか?生物学といっても非常に幅が広いのです。そして、できれば、志望研究室の研究内容に結びつけるのが望ましいです。小論文と面接をこのような内容で仕上げていくには、まずは志望研究室がどのような研究をしているのかを「研究」することが重要です。そこの教員が書いた総説を読んだり、教員と話し合ったりして、まずは小論文をしっかりと仕上げていくことに専念しましょう。
第 2 期、第 3 期募集
第 2 期募集は必ず行われますが、第 3 期募集は未定です。第 2 期募集では、どこか別の大学院を受験したが落ちてしまったという事情の方が多いようですが、どの大学院が自分にとって良いかはその先将来にしか分からないことも多く、気持ちを切り替えることも重要です。また、第 2 期募集では英語試験がなく、面接点のみで合否が決まります。第 1 期で英語の点数が低く落ちてしまった場合でも、第 2 期で合格したというケースがしばしばあります。受験料が倍もかかり大変だとは思いますが、第 2 期募集の頃には卒研も進み、面接では第1期募集の時と比べ、かなりの進歩が見られる場合が多いです(こちらで、2度目の受験生は把握しており、よく成長の度合いが議論されます)。
後期課程
前期(修士)課程では社会人特別選抜の受験生は極めて少ないのですが、後期課程では、最近どんどん希望者が増えているようです。日本は他国に比べて博士号取得者が少なく、多くの人が修士修了で企業に就職されるケースが多かったように思います。これは企業の社内教育がしっかりしており、あまり転職がなかったためかもしれません。しかし、最近は企業にとっても社内教育にかける時間と労力が逼迫してきており、企業は即戦力となる人材を中途採用するようになってきました。これだけでは博士号の希望が増えてきた理由にはならないのですが、もうひとつ大きな理由として、海外との交渉が増えてきたことも挙げられるでしょう。海外では博士号に大きな重みが置かれています。つまり、研究内容を国際的に議論する場合、まるで博士号が自動車運転免許証のようにみなされる場合があるのです。国内企業も国内で閉じている場合は博士号をあまり必要としないかもしれませんが、今のように大量の情報が瞬時に交換される時代においては、自国だけで閉じることはあまりあり得ません。するとどうしても優秀な社員の博士号所持が「必須」になってくるのです。社会人特別選抜、外国人特別選抜も含め、後期課程の出願方法などは上記の前期課程とは少し異なってきますので、希望する教員に早めに連絡を取って、個別に情報交換することをお勧めします。なお、秋入学用の試験を 2026 年春より実施する可能性がありますので、検討されている方はお知らせなどにご注意ください。また、社会人特別選抜は英語の試験がもともと免除されていますが、他の選抜においても、2025 年度実施の試験より英語試験がかなり簡略化される可能性があります。