自分が世界を目指そうと思えるきっかけになった
―早稲田大学を選ばれた理由は?
早稲田大学はスキー部が強くて自分の先輩達の代も強かったのと自分の代の強い仲間たちも早稲田に行くというのを聞いていたので、スキーをするなら早稲田と思っていて、その中で高校2年生のときにスキーを続けるか、教員を目指したいというのもあったので教育大学と若干迷いはあったのですが、やっぱりスキーやりたいなと思って、スキーやるなら早稲田一択でしたね。たぶん早稲田落ちていたらスキーをやっていなかったと思います。
―スキー部に入っていかがでしたか?
同期も強かったですし、女子の先輩も強かったので、インカレに出られる人数に制限があって自分はもしかしたら4年間出られないかもしれないと思いながら入ったのですが、1年生のときに周りと比べて力がなかったところ、強い同期が怪我をして出られなかったこともあって自分が代わりに出させてもらって、そこでも情けない走りをしてしまってというところからのスタートでしたが、競技面でも、人間的にも意識の高い集団だったのでその中でスキーをできて生活できたというのが、自分が世界を目指そうと思えるきっかけとなったと思います。
―最初は世界を目指そうと思っていなかった?
高校もそんなに(スキーが)強い高校ではなかったので、日本一になりたいともまだ思っていないような選手だったので、大学の時もそこまで、TOP目指す、TOP絶対という感じではなかったのですが、仲間たちと会話をするのが楽しかったり、ほかの部活で活躍している友達だったり、部活はしていないけどスポーツが好きで入ってきた友達だったり、先生方も現場で活躍している先生も多かったので環境のおかげで学ばせてもらったなと思います。
―早稲田に入学してよかったことはありますか?
いろいろな経験ができ、いろいろな人と出会えたことが大きいですし、4年間だけではなくて卒業後も魅力ある人の活躍をみることで自分のエネルギーになっていたなと思います。
―当時よく行っていた場所はありますか?
早稲田の所沢キャンパスの裏に、狭山湖という貯水湖があってそこでよく走りこんでいましたね。あとは同期がバイトしていた『やきとり菊屋』さんという居酒屋があるのですが、飲みに行くというよりはスキー部や競争部の仲いい友達とご飯を食べに行っていたのですがそこの大将やママさんも、家族で経営されている居酒屋というのもあって家族みたいに応援してくれました。いつも行くとメニューにはない山盛りの焼きそばを作ってくれてそれを食べていましたね。
―お住まいは寮ですか?
所沢キャンパスのすぐ近くにスキー部の寮があって、そこにスキー部の皆でまとまって住んでいました。6畳に3人とか住んでいました。1年生が交代でご飯をつくっていたのですが約40人住んでいたので、10合炊きの炊飯器3つを空にしてはいけないルールがあってなくなりそうになったら炊かなきゃいけないと後輩は常に炊飯器の残量を気にしていましたね笑
―思い出に残っている授業や今に繋がっていると思う授業はありますか?
ダンスの授業で「動きは不安定から生まれる」ということを先生が言っていて、それがスキーを考えるときにも「安定してはいけないんだ」と考えるきっかけになったり、「人間は適応できる生き物だ」ということを聞いて「練習すれば強くなれる」と思えたり、ある程度のことは科学で証明されている、根拠があるということを知れたので、その後(競技について)いろいろと考えないといけないときも適当にがむしゃらにやるのではなく、根拠を探したり、もっと効率的にできる方法はすでに誰かが見つけてくれているはずだと思えたので授業で学んだことを活かしていろいろと考えながら競技ができたなと思います。
―スキー部は冬場がメインだと思いますがその間の授業はどうされていたのですか?
まずはできるだけ前期に授業をつっこんで、あとは夏季集中でとれる単位をとっておいて、後期にしか取れない授業はいろいろ先輩方から聞いてレポートで行ける先生の授業をなるべく取ったり、後期始まって1か月ぐらいは授業に行けるので、その1か月はなるべく詰めたり、オンデマンドの授業も取って合宿先で見たりもしていました。
―卒業して10年経ちますが成長したなと思ったこと、変わったなと思うことや印象に残ったことはありますか?
この春に引退して、ずっとスキーをしてきたので、あまり変われていない自分がいるのですが、その中でも昔はわりと考えずに、がむしゃらに、目の前のことを一所懸命にやっていたので、特に失敗を考えずに、失敗したとも思っていなかったのですが、だんだん、いろいろ考えながらやっているうちに、出来たか出来なかったかと考えるようになって、だんだん失敗することが多くなり、失敗を感じる自分がだんだん出て来て、なんで失敗したのか知れるようになったのかなと思います。
―卒業してから早稲田を感じたことはありますか?早稲田でよかったと思ったことはありますか?
スキーを続けていたこともあってスキー界では早稲田がすごく活躍しているので、そういったところで、競技は転向したのですが、スキー界という面で沢山の早稲田の仲間が活躍していることが、自分の励みになっていたので、早稲田を感じることはこの10年間途切れなかったかなと思います。
―俱知安町のPRをぜひお願いします。
雪が多くて、パウダースノーを求めて来る人たちでスキー場エリアは日本人よりも海外の方の方が多くいるんじゃやないかと思えるような国際的なエリアになっています。大きいスキー場も沢山あって、クロスカントリーのコースもあって、日本人は冬よりも夏のほうがポジティブなイメージがあると思うのですが俱知安町は夏よりも冬がポジティブな街になっているところがとても魅力的なので、スキーをしたい方は是非、倶知安町にいらしてください。
―最後に今後の目標や同期へのメッセージをお願い致します。
私自身もチーム早稲田の一員であることをすごく嬉しく思っていますし誇りに思っていますので、これからも早稲田の仲間で沢山の笑顔を生み出せたらよいなと思っています。
前田さん、ありがとうございました!