音の質が変わる振動板

VCD(ボイスコイル・ダイアフラム) スピーカー」と「平面磁界駆動型スピーカー」は同じ構造のように見えますが..

VCDスピーカー平面磁界駆動型スピーカーやドーム型トゥイーターと比べた場合、音は基本的に質という点でかなり優れています。VCDスピーカーの振動板は図1のような構造で、ボイスコイルを支持している支持部薄く柔軟性のある素材採用して線状のボイスコイルをそれぞれ周囲から独立して振動させているからでここで、VCDスピーカーの振動板を図2のようにコイル間を接合し固定したものに取り替えてみると平面磁界駆動型スピーカーやドーム型との音の差は感じなくなってしまいます。

VCDスピーカーでは図1のような構造により、ボイスコイルで発生した振動はのようにコイルに沿って巻き方向にのみ伝搬し、隣り合うボイスコイル間には振動が伝わり難くなっています。このようにして音と音場の再現性を低下させる「振動板内での振動の伝搬」を大きく減少させています。これに対して平面磁界駆動型スピーカーやドーム型トゥイーターでは振動板が径方向に分離されていないため、振動は図3、図4ので示すようにあらゆる方向に伝搬してゆき、それによって振動の伝搬量が増大しています。VCDスピーカーでも図2のように振動板のコイル間を固定してしまうと音の質が平面磁界駆動型スピーカーやドーム型トゥイーターと変わらなくなってしまのは、振動が振動板のあらゆる方向に伝搬するようになるためです。

振動板内を伝搬した振動は歪が増加すると共に波形に時間の遅れが生じて「遅れた波形の音」の原因となるためその影響は大きく、対策の有無によって音の質は全くわってしまいます。

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